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【ゼロから人事】社員を不幸にする人事、幸せにする人事


近年、「社員の幸せ」を重視する経営が注目を集めています。カリフォルニア大学の研究で「幸福度の高い社員」は、そうでない社員よりも売り上げが37%高い等の結果が公表されました。

これによって「社員の幸せ」と「企業の業績」の関係性が証明されたことや、働き手不足により経営資源の「ヒト」が、より重視されるようになっています。

今回は「社員を幸せにする人事」というテーマで書いていきます。

社員を不幸にする人事、幸せにする人事

<不幸にする人事>

1.不公平な処遇や報酬体系:成果や能力に応じた適切な評価や報酬がなされないこと。
2.コミュニケーションの不足:上司や同僚とのコミュニケーションが不十分で、意見や問題を適切に共有できない状況。
3.成長の機会の欠如:スキルやキャリアの成長のためのトレーニングや挑戦的なプロジェクトが提供されないこと。

<幸せにする人事>

1.フィードバックと評価:定期的なフィードバックや評価を通じて、社員の成長を促進し、業績を認めること。
2.ワーク・ライフ・バランスの支援:柔軟な労働時間やリモートワークのオプション、休暇制度など、働きやすい環境の提供。
3.社内文化の構築:協力的でサポーティブな社内文化を育成し、チームワークや相互尊重を促進する取り組み。

このように定期的なコミュニケーションや柔軟な働き方を提供することが幸福度を高めていきます。
次に社員が、働く事に「幸せ」を感じるとどのような効果があるのかについてお伝えします。

社員の幸せは業績UPにつながる!?

社員が、働く事に「幸せ」を感じると、一般的には以下のようなメリットがあると言われています。

◎社員のモチベーションアップ
◎社員の定着率の向上
◎組織の生産性向上
◎企業の業績向上

実際に、カリフォルニア大学の教授らが実施した学術研究の分析により「幸福度の高い社員」は、そうでない社員よりも、

◎生産性…37%
◎売り上げ…37%
◎創造性…3倍

も高いという結果が出ています。つまり、「社員の幸福度と生産性や業績に因果関係がある」ということは、事実として証明されているのです。近年の日本企業の経営課題は、

1位/収益性向上…40.8%
2位/人材の強化(採用・育成・多様化への対応)…37.7%
3位/売り上げ・シェア拡大…35.2%

日本能率協会「日本企業の経営課題2021」

つまり「社員の幸せ」を追求することは、経営課題を解決するために欠かせない取り組みであるとも言えます。実際に、経営者の73.3%が「社員幸福度と売り上げ」に関係性があることを認識しているという調査結果も出ています。

社員の幸せを構成する要素とは

それでは、どのような要素があれば社員は幸せになるのでしょうか。
もう少し具体的に言語化してみます。

以前、慶應義塾大学前野隆司研究室と人材大手パーソルグループのパーソル総合研究所が「はたらく人の幸福学プロジェクト」を実施し、「働く人の幸せ・不幸せをもたらす普遍的な7つの要因」を発表。話題となりました。

働く人の「幸せ」をもたらす因子は以下の7つ、

【はたらく人の幸せの7因子】

・自己成長(新たな学び)
・リフレッシュ(ほっと一息)
・チームワーク(ともに歩む)
・他者承認(見てもらえる)
・他者貢献(誰かのため)
・自己裁量(マイペース)
・役割認識(自分ゴト)

逆に「不幸せをもたらす因子」を、以下の7つと定義しています。

【はたらく人の不幸せの7因子】

・自己抑制(自分なんて)
・理不尽(ハラスメント)
・協働不全(職場バラバラ)
・不快空間(職場イヤイヤ)
・評価不満(報われない)
・疎外感(ひとりぼっち)
・オーバーワーク(ヘトヘト)

いかがでしょうか?

このようにして言語化すると納得感がある方も多いのではないでしょうか?

社員の幸せを追求するには、まず自社の状態を知ること

私が人事コンサルを行う中で、「社員の幸せ」を追求する企業と接する機会があります。そこで、実践されているのが「自律的な組織」にするための取り組み。トップダウンではなく、社員一人ひとりの声を丁寧に吸い上げ、そこから一緒に組織を作り上げていく姿勢を大切にされています。それによって、社員自身が自分自身の価値を見出し、イキイキと働くことができているのだと思います。

そしてまずは社員の意見を聞き、自社の状態を知ること。
また第3者を通じ、客観的に自社を知ること。

最後にそれを人事制度として仕組み化することがとても大事です。
こちらの記事も参考にください!
社員の幸せを意識する企業が増え、VUCA時代とも言われる厳しい環境の中でも、社会全体が元気な世の中になればいいな…とこれからも発信していきます。


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