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珈琲の膨らむ時間、ここから今日が始まる

1月の背中を見送る日曜の朝、
いつものように静かな台所で
珈琲をペーパードリップで淹れます。

ガス台で沸かしたお湯を少しさまして
珈琲ポットに移し、サーバー、ドリッパー、
そしてカップを温めます。
やや深炒りの豆を粗挽きにして
準備は完了。


このひと手間が肝要、
心を整える時間でもあります。

そしていよいよ大舞台。
挽いた粉をドリッパーに入れ、
ポットから第一投のお湯を注ぎます。

ハンバーグのような膨らみ。
その音に耳を澄まし、
膨らむのを見つめていると
安らぎが広がり、
心の琴線に触れてきます。

大袈裟かもしれませんが、
この膨張はどこか希望や優しさのよう。
この瞬間に立ち会えていることが
僕はこのうえなく幸せです。

単なる化学反応とのご意見もありましょう、
でも僕にとって、
この膨らみはひとつの奇跡。やはり希望です。

温かな布団の中で目を覚まし、
この朝を迎えられたことが奇跡。
この珈琲時間が、まさに奇跡です。

この膨らみのように、
そして朝が来るように、
たとえどんな状況にあっても
誰にでも平等に希望の先に可能性があり、
それは無限大であると信じられる。
だから、今を精一杯生きていこうと
思えるひとときです。

そして愛しいかおりと味に包まれる。
今日の、この静かなる至福に、
深謝のみを捧げます。

「膨らみやコーヒードリップ春隣」弥七


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