本に呼ばれるということ
sagashimono
図書館や本屋で、見知らぬ本に呼ばれるという経験をしたことはありますか?
擬人的な表現で申し訳ありませんが、要するに、その本のことを全然知らないのに、なぜか気になってしまう…
そんな本との出会いがあったことはありますか? ということなのです。
私にとって、そんな本の一冊が
角田光代さんの「さがしもの」
角田さんといえば「対岸の彼女」や「八日目の蝉」が有名なんですが、この「さがしもの」って本には予備知識は全くありませんでした。
ただ、ある日、本屋に行ったときに見かけて、このタイトルに惹かれてしまったのです。
読んでみると、本にまつわる話を集めた短編集でした。
9篇が収録されています。
ひとつひとつが短いので、読み応えみたいなものはありませんが、その分、さらっと読める良書です。
個人的には表題作より「旅する本」が好みだったりしました。
ただ、この本には、収録作品以外にも読み処があって、作者さんの “あとがき” が、とっても面白いのです。
“あとがき” に「本は人を呼ぶのだ」という言葉があって、まさに、この本に呼ばれるように出会ったので、そこに共感したのを憶えているのです。
と、考えれば、この “あとがき” を読むために、呼ばれたのかもしれませんね。
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