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「とり天」談義 in『52ヘルツのクジラたち』


 先日、本屋大賞2021の大賞作品、町田そのこさんの『52ヘルツのクジラたち』を読了しました。

 52ヘルツのクジラとは―他の鯨が聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラ。たくさんの仲間がいるはずなのに何も届かない、何も届けられない。そのため、世界で一番孤独だと言われている。


 合う合わないはあるでしょうが、前評判通り面白かったです。
 思ってたよりも重すぎず、読後感も良好でした!
 町田そのこさんの他の本も読んでみようと思っています。

 この本の感想はいろんな方がレビューしていますので、私の感想よりも、物語中に出てきたご当地料理について、”note”していこうと思います。


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 実は、この『52ヘルツのクジラたち』は、自分の地元”大分”の海辺の町が舞台になっています。

 具体的な地名は出ていませんが、地元にいるとどこら辺だろうって、気になったりもするんですよね。
 別府が出て来るんで、その近辺の日出町とかかな?と思ったり、疋田って苗字が出て来るんで、その姓の方の多い佐伯などの県南かな?って思ってみたり、想像すると楽しいんですよね。

 

 さらに、ちょっと楽しかったのが、主人公が、その町の食堂に行く場面があって、登場したのが

『とり天定食』

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 『とり天』は鳥肉の天ぷらなんですが、別府の洋食店が発祥の地と言われています。
 「酢醤油」で、からしを付けながら食べるのが一般的です。
 最近は県北の中津や宇佐が”唐揚げ”の聖地としてPRされているので、若干、押され気味ですが、『とり天』も昔から県内で食べられている料理です。

 地元でずっと育ってきた自分にとって、『とり天』が地元特有のものってことにすら気づかずに過ごしてきたんですよね。

 家庭料理かといえば微妙なんですが、定食といえば「トンカツ定食」や「から揚げ定食」、「しょうが焼き定食」に混じって、必ず「とり天定食」があったり、地元のお弁当屋さんにも必ず「とり天弁当」があります。(広域チェーンの弁当屋に「とり天」のメニューがないのは不思議でしたが...)
 それぐらい普通の料理だったのです。


 そして、もうひとつ出てきたメニューが

『りゅうきゅう』

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 こちらは、魚の身を一口大に切って、みりんや醤油、ゴマなどで、甘辛くつけこんだ一品です。

 もともと漁師飯だったと言われていて、『とり天』のように、どこの店でも食べれるわけではないですが、地元の居酒屋などでは、酒のあてとしてよく出てきます。

 簡単なので、家庭でも重宝する一品で、おかずにして食べるも良し、りゅうきゅう丼にして食べるも良し、お茶漬けにして食べるも良しの、大活躍するご飯のお供なのです。

 大分なのに、なんで「りゅうきゅう」?っていうのは諸説ありますが、これも御当地料理なのは間違いないのです。


 こういう地元の料理が出てくると、楽しくて仕方ないんですよね。

 『52ヘルツのクジラたち』を読んで、気になった方は、ぜひ、お寄りください!

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観光大使かっ!w


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