西加奈子「くもをさがす」
本書は、乳癌を経験した作家の体験記であるが「感動ポルノ」ではない。
非常にテンポ良くサバサバと事が進んでいく。
事が事だけに勿論、著者の不安や葛藤も描かれているが、同情や感動なんて求めてないのだろう。
湿っぽくなく正直に書かれている事に、同じ乳癌サバイバーである私は救われた。
もし読んでみようか迷ってる方がいるなら、
「大丈夫。読んでも貴方の選択を混乱させるような事は書かれてない」
「大丈夫。読んでも恐怖や不安を煽ったり涙腺を刺激したりもしてこないから」
と教えてあげたい。