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大谷くんと水原くん

新学年、新学期もスタートし、毎年恒例の「教科書ガイド」「教科書ワーク」を買いに本屋へ行く。

毎年の事だし、もう6年目だし、そんなに大変な事ではないと思っていたのだが……

ない。ないのよ。
教科書ガイドの国語だけ、どこにもない!
おかしい。
何故、どこの本屋も教科書ガイドの国語、それも、6年生のだけない??
売り切れ?教科書ガイドに人気も不人気もなくない?
だいたい、毎年、同じくらいの部数が売れるんじゃないの?
何故ない??
3軒目の書店で、さすがにおかしいと思い、店員さんに聞いてみた。
何処かへ問い合わせに行く店員さん。
2〜3分程待つと、戻って来た店員さんから、
「まず結論から言うと、発注はしてるけど入荷してないんです」
と告げられ、続けて
「本当かどうか分からないんですけどね」
と前置きした上で
「大谷くんと水原くんの事が教科書に載っちゃってて、それを訂正する為に、遅れてるらしいんです」
と、説明された。

素晴しく簡潔に分かりやすく説明してくださった。
何も問題ない。問題ないんだけど、
「大谷くんと水原くん」って…
「永沢くんと藤木くん」みたいに言うじゃん…
「いや、距離感…親戚の子じゃないんだから…」って、言いそうになるも、
店員さんの、なんか自然に出ちゃった感じが可愛かったから、そのままにしといた。

街の書店員さんでもこの感じなんだなぁ。
日本国民の大半は、この店員さんと同じ距離感で「大谷くんと水原くん」を見守っているのだろうか?
「身内」として、誰と結婚しただの、飼ってる犬がどうだの、気になるんだろうなぁ。
だって気分は「身内」なんだもの。
いいんだけどね、別に。
「大谷さんと大谷さんの通訳さん」くらいの距離感で見ている自分とのギャップに驚きつつ店を後にした。

あれから数日「まだかな?」といつ販売されるか分からない教科書ガイドをチェックするのが日課になってる。
なんせ、本物の「身内」の為に必要なのでね。
「大谷くんと水原くん」に引っかかってないで、入荷したら連絡貰えるようにお願いしてくれば良かった…