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遠慮をしない


——私は良い意味で遠慮のないプレイヤーになります——
先日、私は顧問にそう伝えた。

「3ヶ月後、自分がどういったプレイヤーになりたいか、考えといて」
バスケ部の練習後の集合で、そう顧問に言われたのは2週間ほど前の話。
「速く走るでも、声を出すでもなんでもいい。上手い下手に関わらず、これだけはチームの中で1番だと思うものを持っておけ、これからどういうプレイヤーになりたいか1人ずつ聞いていくからな」と。

3ヶ月後、大きな大会がある。先輩たちにとっては学生生活最後の試合。大学生なので、4回生まで試合に出ることはできるが、一応引退は3回生の夏。続けたい人だけ延長して4回生の夏まで部活動に参加する、という仕組み。その3ヶ月後の大会に向かう理想の姿を考えておけ、というのが顧問の思惑。

私は今、2回生。3ヶ月後の大会が終わると自分たちの代ということになる。そろそろ危機感、責任感を持っておかなければいけない。

現在は
4回生2人
3回生2人
2回生9人
1回生5人

部員数を見た感じ、2回生の勢いが大きそうに見える。実際大きい。笑
「良い意味でも悪い意味でもチームの雰囲気を変えるのは2回生なのだから、頑張ってくれ」と顧問からも先輩からも言われる。
そんなの分かっている

私たちのチームは、そんなに強くない。あまり勝った経験もない。経験年数がバラバラで、チームをひとつにするのが難しい。でも、みんな(良い意味でも悪い意味でも)心優しいというのがこの大学の特色で、皆「遠慮」をし続け、なんとかバラバラになることなくここまで来たわけだ。

2回生しっかりしろ!と言われた時、責任が問われるのは、2回生のスタメン2人。私ともう1人。

でも私たち二人とも、熱い心は内に秘めているけど、あまり人に厳しいことを言えない。
言わなきゃいけないことはわかってる。でも、他の人たちが本人の中では頑張っていることを知っている。だから言えない。これを、私は「遠慮」と言っている。

もう1つの遠慮。これは先輩に対する遠慮。
キャプテン副キャプテンは3回生がしているものの、チームの絶対的権力を持っているのは4回生だと、私は感じる。
3回生が何も言わないから、2回生が何もやらないから、4回生がやってくれているという状況。
それも4回生の1人はチームの中で1番バスケ歴が長いし、思ったことを言葉にするのも得意だ。3回生以下の部員は、誰1人その先輩に意見をしたことがないだろう。

チームメイク・ゲームメイクをしていく上で、コートの上では皆対等であるべきだと、誰かが言っていた。
もしそうなら、今の状況は間違ってる。
どうやって対等になるか。
誰かが先輩にも意見をしていく、厳しいことを言う。

私がやるかーーーーー。

このチームバランスは、近頃試合中のプレーにも顕著にあらわれるようになった。勝つためのチームバランスではないかなあなんて思ったり。キャプテンも4回生に遠慮してる。

だから私は3ヶ月後、大会で勝つための自分の理想の姿を、「遠慮のないプレイヤー」にした。

自分が攻めて点を取ることがそのときの最適解であるならば、先輩からでもパスを貰う。自分で攻める。
もし先輩が、団体から外れた行動してるなら指摘するし。同期にも厳しく。勝ちにこだわる。

先輩も下級生から意見された方が思いっきりプレーができる。今のチームは遠慮の連鎖。一生勝てない。

チームの最終目標を達成するには、着実に勝てる試合は勝ち、接戦でも勝ち切る必要がある。

私は良い意味で遠慮をしない。自己中とは違う。コートの上では対等に。先輩も下級生も思う存分好きなようにプレーするために必要なことだ。

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