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アウトプットのバイブルー【書籍】外山滋比古「思考の整理学」

まるで未来から贈られてきたと思う本があります。分かっていたようで全然分かっていなかったことに、何度も気づかせてくれる本。そのうちの1冊が、外山滋比古氏の「思考の整理学」です。

人生でたった一度、高校生のときに父から贈られた本。
「これ良いよ」と手渡しされた時、よっぽどおすすめなんだろうなぁ、と思っていました。

冒頭の「グライダー人間」の章は、大学入試の問題にも出てくる、有名なお話です。

日本の義務教育は、受け身のグライダーのような人を大量生産してしまう。自力では飛べない。コンピュータに仕事をとってかわられる未来が容易に想像できる。一方で、情報化社会を渡っていくという側面もある。ならば、グライダーにエンジンを搭載した、飛行機のような人を目指そう、という内容。

初めて読んだときは、この「グライダー人間」という言葉が強烈に印象的でした。グライダー人間になるまい、という漠然とした思いが、私の心に根づいた瞬間です。


それから早10年。


折に触れて、「グライダー人間になっていないか」という問いを、自分に投げかけてきました。

何かにすがりたいと思った時、口を開けてチャンスを待っていそうになった時。
「それじゃぁ、グライダー人間になっちゃうよ」と言われている気がして、
思いを断ち切ったり、行動に起こしたりしたことが何度もありました。


最近、久しぶりに読み直したいと思い、紙の本を再度購入。
懐かしさに浸りつつ、最初のページを開いてすぐ、新たな発見がありました。
それは、「学び」に着眼点を置いていることです。


最初の一節に、はっとしました。

勉強したい、と思う。すると、まず、学校へ行くことを考える。
学校の生徒のことではない。いい年をした大人が、である。

出典:外山滋比古「思考の整理学」より

この本が書かれたのは、1986年。

今この時代に必要と言われている「自ら学ぶこと」は、既に30年以上も前から、ベストセラーになっていたんですね。

目次をみると、何とアウトプットの方法がずらーっと並んでいます。
「スクラップ」「メタ・ノート」「とにかく書いてみる」…

私が今一生懸命やっていることは、少なくとも10年前には出会っていて、30年前からベストセラー書籍で言われていたことだったとは…

「グライダー人間」が未だに強烈なテーマになっている理由が、また分かった気がします。

タイトルは「思考の整理学」。
アウトプットの中でも「整理する」という側面を、深く学べる本です。

もう一度、時間をかけて読み直してみます。

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