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誉め言葉を上手に消化する方法

突然ですが、皆さん人から褒められた時ってどう返していますか?

「いやいや、そんなことないよ」
「えー…(困った表情で照れの沈黙)…」
「○○さんの方が素敵ですよ」

もし、これを読んでいるあなたが人からの誉め言葉や賞賛を素直に「ありがとう」と額面通りに受け取れないタイプの人間だとしたら…はい、私もです。

特に、書き言葉だと素直に「ありがとうございます、嬉しいです!」と返せるところを、話し言葉で不意打ちで誉められるともう心の中が「あわわわわ」状態でうまく返せない。結果、焦ってついつい要らん一言を付け加えてしまう。こんな自分がずっと不思議でした。

せっかく褒めてくれている人に対して、なぜ私はいつも素直になれないのか。育ってきた環境やカルチャーの影響?根本的に自分に自信がない?謙虚な人間を目指していた結果こうなっちゃった?
色々と考えていると、どれもそれなりにあり得る気がしてきます。

そこで今回は、私が素直に誉め言葉を受け取れない理由を振り返りながら、本日のランチタイムに見つけたてホヤホヤの「誉め言葉消化法」をご紹介します。


理由その①:育ってきた環境の影響?

私の母親はスーパーポジティブ人間なので、褒められたらいつも「でしょ~?ありがとう」とか言ってきますが(笑)、母親を除いた大体の周りの友達や兄弟、知り合いの多くは「そんなことないよ」「全然だよ」が口癖でした。そんな中、次第に自分の口癖も「そんなことないよ」がデフォルトに。
では留学中、海外在住中はどうだったのかというと、素直に “Awwww, thank you! That’s so sweet! (あら嬉しい~ありがとう!)” みたいに返せていたような気もします。

もちろん全員が全員じゃないけれど、日本人女子と比べてかなり高めのself-esteem (平たく言えば自尊心、自分という人間に対しての価値を判断する心や基準)を持つ周りの子たちが、何か嬉しいことを言われた時にサラっと “Oh, thank you” とにっこり返しているのを見て、「なんか、イイ」って思ったのがきっかけでした。

実はこの返し、何より褒めた側としてもめちゃくちゃ気持ちが良く…
「おー、受け取ってもらえた!」と褒めた方も満足、結果お互いハッピーな気持ちになって会話を終えられるんです。

そんな好循環を自分も真似てみようとまずは型から入って練習した結果、素直な “Thank you”が板についてきた…はずだったのですが。日本に帰国後はまた少しずつ、「いやいや…(以下、否定文)」が口をついて出るようになっている自分がいます。

一方で、これはただただ環境のせいにだけ出来るわけでもなさそうです。


理由その②:根本的に自分に自信がない?

私の場合、環境のせいだけではなく、根本的に自分に自信がない、というのが大きく関係していると感じます。
型から入ってみたところで、結局自分で「そうでもない」と思っている部分に関しては、人にいくら認めてもらえても納得できないんですよね。

でも、視点を変えてみると他人だからこそ自分では気づかない部分にプラスのフォーカスを当ててくれている、という考え方もできます。どちらにせよ、「その人視点で」素敵だと思っているからこそ褒めてくれているわけであって、よくよく考えてみれば相手の管轄の範疇である相手の気持ちをこちらが否定する権利はないはずです。

そして、逆にいま自分に自信がないからこそ、人からの褒め言葉を素直に受け取る練習をきっかけに、「少しずつ自信を持てる部分を増やしていこう」と前向きに捉えなおすこともできます。

このように少し視点を変えるだけで、自分の自信のなさをプラスの方向へ活かしていく方法が見いだせるかも知れません。


理由その③:謙虚でありたいから?

謙虚さは日本人の美徳でもあり、私自身が一生大切にしていきたいと思っている姿勢でもあります。しかし、「謙虚」と検索すると

「控え目であり、慎ましいこと」、「自分自身の能力・地位におごることなく、相手の意見を受け入れることのできる人」

などと出てきます。
確かに、素晴らしい実力や才能を持ちながらも決してそれらを自慢したりひけらかすことのない人は謙虚で素敵です。でもそれって、自分で自分の才能や能力を否定することとは少し違うはずです。

自分で築き上げてきた地位や才能を自分自身で認めながらも、あえてそこに甘んじない姿勢を意識する。これが本来の謙虚さなのかもしれません。

「言霊」と言う表現があるくらい、特に話し言葉にはインパクトがあります。行き過ぎた謙虚さが自己否定の言葉につながってしまうと、その言葉を耳から聞いた自分自身がまたそれを信じるという負のループにつながりかねません。

そう考えると尚のこと、今こそ自分の無駄な口癖に「NO」と言うべきタイミングな気がしてきました。


じゃあどうする?私が受け入れやすいと感じた方法


今日のタイトルはまさに、誉め言葉を上手に消化する方法。
ここでは、さらりと笑顔で「ありがとう」に未だ若干のハードルの高さを感じている方にも比較的受け入れやすいのではないか?と私が感じた「誉め言葉消化方法」を紹介します。


私はポッドキャストが好きで日常的に聴いています。
その中でも特に好きなチャンネルが、Jay ShettyのOn Purpose

今日のお昼休み、いつものようにOn Purposeを開き、“3 Ways To Let Go Of Society’s Expectations & Connect With Yourself (世間の期待を手放し、自分自身とつながる方法)” を聴きながらお昼ご飯を食べていました。

いつもはJayがゲストをインタビューするのですが、今回はイギリス人の俳優兼コメディアンであるRussell BrandがJayをインタビューしています。

その中で「成功しつつ、謙虚で自分自身を見失わないことは最も難しいことの一つだと思うんだ」と質問の意図を加えつつ、「どうやって僧侶時代のスピリチュアルな体験と現在の表舞台成功の間でバランスを取っているの?」とRussellがJayに聞いていました(Jayは元僧侶)。

そのときのJayの答えが以下のようなものでした。

「僧侶時代に積んだ練習の中で今の暮らしにも生きていると思うものがある。他人からの賞賛や誉め言葉を一度受け取った後、自分にその才能や物の見方を授けてくれた恩人へ感謝を循環させるというものなんだ。その感謝の対象は過去に自分を導いてくれた恩師や先輩であるかもしれないし、自分が乗り越えてきたトラウマや、嫌な思いをさせられた人間かも知れない」

これを聞いた私は、「なんてスムーズで賢い方法なの!」と感心してしまいました。褒められたという事実は受け取るけれど、決してその褒められた何かが自分だけの力で培ってきたものではない場合もある。

それをきちんと理解したうえで、自分が誉められた部分につながる過去の体験や恩人への感謝を、自分の中で再認識する。

なんとも素敵なプロセスです。

「褒められた事実」と、「誉められた部分」を切り離して考えることが出来るので、自分が褒められた部分にイマイチ自信を持っていなかったとしても「よく考えてみれば○○の教えのおかげで他人への接し方が変わっているのかも」とか、「○○の経験があったからこそ、自分では気づかないうちに他人からそう見えているのかも」と素直に分析できそうです。外見を褒められた時には「ママの遺伝子よ、ありがとう!」とかね。(笑)

誉め言葉を丸ごと自分のものにするのではなく、なぜ今「褒められる状態にある」自分がいるのか、という部分へ思いを巡らせるので、謙虚な姿勢だって維持できます。

心の声と外に出す声を分けてみれば、周りの子たちが「いやいやそんなことないよ~」と言っている中、「ありがとう、嬉しい!(心の声:きっと○○のおかげだ!)」と素直に消化できそうです。

なんという応用力でしょう…!


いかがでしたでしょうか。

私は「この方法なら無理なく今日から実践できそう!」と感じたので、さっそく心の声と外に出す声を分けるところからスタートしようと思います。(笑)

誉め言葉を投げかける方も受け取る側も気持ちが良い。そんな感謝のコミュニケーションを循環させていけますように!



Peace!



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