メンヘラはこれ読んでください。つらい悩みを解決するのに必要なのは、100均で売ってるアレ。
こんにちは、メンタリストの清水陽介(@smzyuskmental)です。
前回のこのnoteで、”ツラいことがあった時に友達に相談に乗ってもらっても、実はあんまり意味ないよ〜”って話をチラッとしました。
”好きな人がいたのに失恋した。。。”とか”仕事でミスをして、周りに迷惑をかけた挙句、先輩にきつく怒られた。。。”みたいな、そういうツライ事ってあなたにも一回くらいはあると思うんです。
で、そういうツラくなった時って、人によっては友達に慰めてもらったり、ポジティブに考えてみたりすると思うのですが、実はこれってどっちも科学的には意味がないんですよね。
つまり、悩みを持つ人の多くの人がやりがちな”仲の良い人に話を聞いてもらう”、”ツラいことは忘れて遊ぶ”っていうのは、実は間違いだったってことです。
「え、、、じゃあツラい時はどうしたらいいの???」ってなると思うのですが、科学的には「週5分くらいの”あること”をすればツラいことから立ち直れるよ!」とのこと。
というわけなので、前回に引き続き今回もこちらの『その科学が成功を決める』よりその解決策についてメモ。
友達に悩みを聞いてもらうって、結構やりがちなんですよねえ。僕も悩みがあった時は友達に話を聞いてもらったりしてたんですが、思えばあまり効果がなかったような。。。
個人的にはこれを知ってから非常にメンタル面が安定したので、結構オススメです。それでは、GO。
Section①
ツラいことは忘れよう!は無理!
「つらい時はポジティブに考えて、嫌なことは忘れよう!」って考え方がありますが、実はこれは間違い。あなたも経験があると思うのですが、「本当は忘ようとしてるのに、頭から離れない」ってことあると思うんです。
要は何が言いたいかというと、人って”考えちゃダメ。。。考えちゃダメ。。。って思うほどそのこの考えちゃう”んです。
これは心理学者のダニエル・ウェグナーさんによって「皮肉なリバウンド効果」と名付けられています。例えば有名な実験では、実験室に入ったあとこんなことを言われます。
「これから1分間、目をつぶってください。
そしてその間、絶対に”シロクマ”のことだけは考えないでください。
さあ、どうぞ!」
(実際にやってみてくださいね)
おそらく、シロクマのことを考えないのは無理だったと思います。
こうするとほとんどの人は余計にシロクマのことを考えるようになり、実際の実験でも思い出さなかった人はほとんどいなかったそう。つまり、人って物事を考えないようにするのは無理なんです。
心理学ではこれを”皮肉なリバウンド効果”と言います。忘れようとするほど頭に残っちゃうのはこれですな。
そして、さらにこれをもっと現実的に調べたのが、ハミルトン大学のジェニファー・ボートンさんの研究。この研究では参加者全員に自分の弱点を書き出してもらって、半分には「これから2週間、弱点のことは忘れて過ごしてくださいね!」と指示。(なんてイジワルなんだぜ。。。)そしてもう半分には、対照群として特に指示は出さなかったそう。そして、約2週間後にメンタルがどうなったかを調査。
つまりは、「自分のネガティブな面を無視しようとしたら、さらにネガティブになるんじゃない?」ってことを調べたわけです。するとその結果、
「欠点を考えないように。。。」と、思考を抑制したグループの方が不安が強くなり、自信も減って、さらには鬱の傾向も見られた
という結末。つまりは、現実から目を背けようとするほど余計に大きくなって跳ね返ってしまうわけです。
というわけなので、ツラいことがあったら忘れよう!っていうのは無謀な挑戦なのでやめておきましょうね〜といった感じですね。
Section②
友達に悩みを打ち明けてもその場しのぎにしかならない
「じゃあ忘れようとしないで、友達に打ち明けてスッキリしちゃえばいいんじゃない?」っていう考えになりますが、冒頭でも話した通り、友達に話を聞いてもらってもあんまり意味がないってことがわかってます。
でも、皆さんここが一番謎だと思うんですよね。というのも、心理学者のゼックさんが1999年に行った研究によると
約90%の人は、”他人に悩みを打ち明ければ楽になる”と思っている
ということなので、話せば楽になるんじゃない?って思うのも無理はないわけです。
で、「じゃあなんで効果がないの?」って話ですが、理由は簡単で、悩みを打ち明けても一時的にしか効果がないからなんですよね。つまり、気持ちをぶちまけたその時は気持ちが楽になる気がしますが、根本の解決にはなってないわけなので、結局また問題にぶつかった時にツラくなるということですな。要はその場しのぎでしかないってことです。
これはベルギーのルーヴァン大学の心理学者エマニュエル・ゼックさんの実験。この実験では被験者を2つのグループに分け、片方のグループには「今までの人生で、一番ツラくて苦しかったことを私に話してください。」と指示。もう片方には「普段はどういう一日を過ごしてますか?」的な質問をしたそう。そしてその1ヶ月後にメンタルがどうなっていたかを再調査。まあようするに、「他人にツラいことを打ち明けたら、本当に楽になれるんですかね?」ってことを調べてみたわけです。で、結果はというと
悩みを打ち明けたグループの幸福度は、普通の生活を話したグループの幸福度と”大差無かった”
という結果。僕はこれを見た時に「マジで???」って思いましたが、確かに考えてみれば、打ち明けることによって解決策が浮かべばいいものの、ただ話を聞いてもらうだけでハッピーになれるわけが無いですよね。さっきのリバウンドシロクマと同じで、話してスッキリしよう!と他人に話したらその時は楽になれますが、結局また大きくなって跳ね返ってきてしまうわけです。
というわけなので、悩みは根本から解決してあげることが重要と言えそうですね。ここから考えると、”カラオケで歌って忘れる!”みたいなのも無効なんでしょうね(笑)。実際に本書でも、
家族と過ごしたり、パーティーに出かけたり、仕事に熱中したり、新しい趣味を見つける、といった気を紛らわす戦略は短期的には幸福度を上げるが、長期的な幸福には繋がりにくい
と明言されております。
ただ一応誤解の無いように言っておくと、ポイントは「悩みの解決を見つけること」なので、友達に話すのは絶対に意味がない!ってわけではないのでご注意を。自分が持っている悩みを解決してくれそうな友達に相談するのはむしろ大歓迎です。例えば、彼氏に振られて悩んでるんだったら、同じように振られて立ちなおった経験のある友達に相談に乗ってもらえば、問題の解決にも近づくので幸福度も上がるでしょう。周りに解決してくれそうな友達がいなかったら、専門知識を持ってる人を探して相談してもいいし、僕に相談してみてもいいかもしれません。笑
ということなので、愚痴を言い合って傷を舐め合うようなのだけはやめましょう。虚しくなるだけですからね。
Section③
悩みを解決するのに必要なのは、”紙とペン”だけ
ここまでの流れを簡単にまとめると
・嫌なことを忘れるのは無理。
↓
・忘れたとしても、その場しのぎにしかならない
↓
・大事なのは、悩みを解決に近づけること
という感じなので、要は悩みを解決してくれる道しるべが見つかればいいわけです。
で、じゃあどうやってその道しるべを見つければいいの?って話ですが、必要なのは紙とペンだけ。そして紙とペンを使って何を書けばいいのかが非常に重要ですが、特にオススメなのは2つ。
紙に書くことその①
【感情を全て書き出す(筆記開示)】
先ほどは、「友達に悩みを打ち明けても意味がないよ〜」って話をしましたが、紙に悩み事をぶつけた場合に限ってはメンタルが劇的に改善するってことがわかっています。
これは数百を超える実験で立証されていることなのですが、感情を全て書き出す(筆記開示)ことによって、様々なメリットが享受できます。本書で紹介されていた研究によると
失業者に数分間、紙に自分の感情や本音を書き出してもらうと被験者は心身ともに元気になり、健康、自信、幸福度が全て向上した
とのこと。紙に書き出すだけでこれだけ効果があるってすごいですよねー。また、他にも筆記開示の効果はたくさんあって、パレオな男によると
・筆記開示でワーキングメモリが向上
・筆記開示をしたカップルは親密さが深まった
・嫌いな相手について思っていることを書くと、その相手を許せるようになった
・筆記開示で、鬱が穏やかになった
みたいなことも分かっています。というわけなので、ツラいことがあったら、とりま紙にぶちまければいいんじゃない?ということですね。
で一応、なんで紙に書くだけで解決になるの?って疑問が出ると思うのですがそれにお答えすると、筆記開示が効果的なのは、紙に書き出すと文章にする必要があるので、必ず論理的な思考が入るからなんですよね。論理的な思考が入った結果、冷静に自分の感情と向き合うことができるから、解決策を考えて対処しやすくなるという感じです。
ちなみに、何を書けばいいの?と悩む方もいらっしゃると思いますが、書くことはなんでもいいです。思っていることをありのまま全て書いちゃいましょう。誰も見ないですから、恥ずかしくありません。
例えば今の僕のネガティブな感情をチラ見せすると、
「あー眠い。note書かなきゃ。もう少しで書き終わるのに。目も疲れた。視力大丈夫かよこれ。てかそもそもこれ読む人いるんか?まあ一人でも読んでくれればいっか。自分のためにまとめてるってのもあるし。あ、しかもお風呂も入らなきゃ。それもめんどい。」
みたいなレベルでオッケーです。笑
とにかく、コツは思いついたことは遠慮せずに、そして綺麗さや文法は一切気にせずに”とにかく書く”こと。
「あいつうぜえ」とか「あの子かわいい」とか「帰りたい」とか「眠い」とかなんでも書きましょう。
これによって悩みや不安がスッキリして、自分の感情を客観視することができ、悩みの解決にもつながります。
これを知ってから僕は必ず手元にはノートとペンを常備して、何かネガティブな感情が浮かんだら全て書き出すようにしているのですが、これらの効果は確かに実感しますね。確実に気が休まって冷静になれます。
紙に書くことその②
【週に一回、”感謝してること”を5つ書く】
これはポジティブ心理学でよくいう「3行日記」的な考えなのですが、一日の終わりにその日感謝したことを紙に書くことによって、幸福感は上がります。
これは心理学者のロバート・エモンズさんの行った実験。この実験では集まった参加者を以下の3つのグループに分割。
グループ1:週一回、自分が感謝していることを5つ紙に書く
グループ2:週一回、自分にとって嫌なことを5つ紙に書く
グループ3:週一回、今週あったことを細かく紙に書く
そして、これを10週間続けてもらったそう。するとその結果
チーム”嫌なこと”の人と、チーム”出来事”の人に比べて、チーム”感謝”の人は、将来に対して楽観的になり、健康状態も良くなり、幸福度が25%も上がった
という結果。つまり、寝る前に「今日は良いこと何があったっけな〜」ってことを思い出すことによって幸福度が上げられるということです。
で、「なんで良かったことを思い出すだけでこんな効果があるの?起きた出来事は変わらないじゃん」って話になると思うのですが、大事なのは感謝を思い出すこと。つまり、人って物事に慣れる性質があるので、思い出す作業を挟まないとありがたみがわからなくなるんですよね。
例えば、「今日もなんもなくてつまんねえなー」って人でも、冷静に周りを見渡して見たら
「今日見たあの動画面白かったなぁ」とか
「こうやって普通にご飯が食べれることに感謝だわぁ」とか
「道で会った猫が可愛かったなぁ」とか
「あ、家族がいるって幸せなんだなぁ。」とか、
「そういえば今日駅で見た女の子可愛かったなぁ」とか、
探せば幸せなんていくらでも転がってるわけです。でも、普段なんとなく暮らしてると、段々とそれが無意識になって、ありがたみを感じなくなっちゃってるんですよね。
だから、3行日記という作業を入れることによって日常に転がってる小さな幸せに気づき、ハッピーな気分になれるわけです。
ちょっと余談ですが、僕の好きな好きな歌詞にこんなのがあって、
”僕らは美しいものばかり探すくせに、隣に居てくれる人の美しさに気づけない” UVERworld/Ø CHOIR
まさにこんな感じです。「良いことないな〜」と嘆くよりも、まずは身の回りの小さな幸せに気づける人間になるのが重要そうです。
また、基本的には感謝したことを書けば良いのですが、一応ポイントは、”毎日書かない”こと。
というのも、心理学者のソニア・リュボミアスキーさんの研究によると
週3回の感謝日記をつけたグループと、週1回の感謝日記をつけたグループでは、”週1回”のグループの方が幸福度が高かった
とのこと。これはなんでかっていうと、書く回数が多くなると慣れちゃうからなんですよね。
たとえば、どれだけ美味しいお寿司でも、毎日食べてたらさすがに飽きますよね。それと同じです。つまり、毎日日記を書いてるとありがたみが薄れてしまうわけです。
で、研究を参考にすると、週1回くらいがちょうど良さそうなので、1週間の終わりの寝る前に、今週感謝したことを5つ書くっていうのがよろしいかと思います。
というわけで、以上が【”ツラい時は友達に相談する”のはオワコン。悩みを解決するのに必要なのは、”紙とペン”だけ。】でした。
全体をさらっとおさらいすると
Section①つらいことは忘れよう!は無理!
→リバウンド of the シロクマ
Section②友達に悩みを打ち明けてもその場しのぎにしかならない
→重要なのは”根本的解決”
Section③悩みを解決するのに必要なのは、”紙とペン”だけ
紙に書くことその①【感情を全て書き出す(筆記開示)】
紙に書くことその②【週に一回、”感謝してること”を5つ書く】
という感じでした。
ツラいことがあった時は、知識のある人に相談するか、紙に全てを書きなぐりましょう。
間違えても、ナイフを握らないでください。
間違えても、仕事で嫌なことがあったからって友達と愚痴を言い合うようなことはしてはいけません。
そして最後に毎回言っていますが、何よりも大切なのは
”知っているか”ではなく、”実際にやってるか”です。
ですので、これを読んで「なるほどね!」で終わりにしないで、是非とも実践していただければ嬉しく思います。
準備するのは紙とペンだけです。100円ショップで買えるし、外出中でもコンビニで買えます。
是非あなたも”最強のメンタルコントロールアイテム”を使いこなしましょう。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
追伸:noteでは、一日1note、皆様の何かお役に立てるような心理学を投稿しております。よろしければ清水陽介をフォローください。
また、本noteの内容があなた様にとって役立つものであれば、「スキ」や「リツイート」をお願いできればとても嬉しく思います。いつも本当にありがとうございます。
【お知らせ】
4月に投稿した計12冊の有料noteを、1冊あたり半額以下で購入できるマガジンを作成いたしました。まだ1冊も買ってない人は3,000円くらいお得な感じです。
※現在、ゴールデンウィークということで、5月6日まで特別価格です。そのあとは値上げしてしまいますので、あしからず。
【おまけ】
参考文献と関連note
1記事あたり、ざっくりとリサーチに4時間、構成に30分、執筆に6時間。合計9時間ほど時間を掛けて執筆しております。 『ためになった!』という方は、サポートをいただけると、次のnoteを執筆するモチベーションになります。 気が向いた方だけで構いません。よろしくお願いします。