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議員歴50年 国会サボってTwitter 安倍1強の影で暗躍する政界のフィクサー

基幹統計不正の露見、北方領土の返還交渉の行き詰まりで予想されていた通常国会冒頭解散の機運はしぼみ、春の統一地方選、夏の参院選に向け野党共闘がどこまで進むのかにふたたび注目が集まっています。そして、その野党共闘の舞台裏で暗躍する1人の大物政治家小沢一郎氏を取り上げます。

小沢一郎氏は、現職国会議員のなかで最年長です。議員歴はなんと今年で50年。しかし、現在では自らが衆院議員であることを忘れているのか、1度も国会に姿を見せず、Twitter上で安倍政権の政治姿勢を厳しく批判しているボヤきオジさんに成り果てています。選挙になったら思い出したかのように地元岩手県に直帰するのですが。

(10年ほど前から国会では一言も発していない小沢さん:国会議員白書※2017年10月時点)

それじゃあこのオジさんは無難に安泰に議員生活を送ってきたのかといえばそうではありません。
ニュースで小沢一郎の名前を聞くとき、それは何かしらの大きな政治変動があることを意味します。総理大臣にのぼりつめたことはないものの、常に政界を裏で操り、その影響力は総理大臣を凌ぐほど。「政界のフィクサー」と呼ばれるのも納得できます。

95年の村山事件により二大政党の一角としての地位を失った社会党(現社民党)に代わる政党として台頭した民主党を組織したのも彼です。
小沢さんが自民党を抜け出して、民主党を作っていなかったら2009年の政権交代は実現しなかったように思えます。

そして自分自身の小沢さんに対するイメージは一貫して”悪党“です。今でも変わりません。
そのきっかけとなったのが、民主党時代に起きた陸山会事件。
彼は政治資金規正法に違反した疑いで東京地検から強制起訴され、秘書と現職国会議員が逮捕される事態までに発展。目の前まで転がり込んできていた総理大臣の座をこれで逃したのです。

このとき小生はまだ中学生でしたが、自らの政治資金収支報告書(政治活動のために使われるべきお金の収支細目を一覧にした報告書)に事実とは異なるウソの記載が三年連続であったのに、それを秘書が勝手にやったなんて言ったのでコイツはヤベぇ悪党だって思いました。

政治資金収支報告書には原則すべてのお金の使い道を書かなければならないのですが、自らが使ったわけでもない秘書が本人に無断で改ざんしたりするなんて常識では考えられません。秘書が改ざんに手を染めたにしても、それは本人の指示なしにはやりません。
この種の不正やその後の逃げ方は政治資金規制法ができてから頻繁に繰り返されており、最近では片山さつき議員のように「間違えちゃってたので修正しま~す」といった軽いノリで逃げられるようになってしまいました。
こうなることは、これまで本人の記載ミスや虚偽記載で本人がその容疑で逮捕された事例がないことからもわかり切っていたことでした。
ここまで国民をなめきった態度をとっても逮捕もされず政治家も辞めなくていいのは、国民が政治に関心を持たないからです。

自分は年金をもらえる年齢になって年金に回されるはずのお金が、政治家個人の私腹肥やしや自衛隊と米軍の火遊びやムダな公共事業に使われてありませ~んという事態になって迷惑千万を被るのが金輪際イヤなので、政治家がヘンなことに税金を使おうものならその都度文句を言い続けます。

話を戻すと、陸山会事件当時から小沢一郎=悪党のイメージしかないので、小沢さんがどんなに野党寄りで安倍政権をまっとうに批判していても、支持する気にはなれませんでした。
やはり、中学生や高校生のときに1度抱いた感情やイメージはそうそう簡単に変わるものではありません。今ではわりとコロコロ変わりますが。

しかし、残念ながら野党を支持する人たちのなかにはわりと小沢さんを信じている方が多く、野党が1つにまとまって安倍政権を倒すためには小沢さんがイニシアチブを発揮するべきだと言われます。
では、そんな小沢さんがいま何をやろうとしているか。
安倍首相に近い橋下徹氏とタッグを組んでなにかを企んでいるようなのです。

橋下徹氏は、影で暗躍する小沢さんとは対照的で政界から身を引いたにも関わらず表に顔を出してズケズケと文句を言ってる自称政界のご意見番。
安倍首相と同じく改憲論者として有名でかつては徴兵制を容認する発言もしています。ポスト安倍に最も近い男とも。
そんな彼を野心家の小沢さんが放っておくわけがありません。小沢さんは自らが上に立って自在にコントロールできるなら、悪魔とも手を結びます。数年前には彼からはもっとも遠い存在である日本共産党とも笑顔で握手するほどの無節操ぶりを発揮するくらいです。

推測の域を出ませんが、おそらく小沢さんにとって野党共闘など安倍政権を打倒して自らがその座を奪うための踏み台でしかないのでしょう。
護憲だの改憲だのそんなことにも興味はないと思います。
少なくとも、無節操に憲法をイジりたくなければ橋下さんとは組みません。

個人的には憲法の一言一句たりともイジってはいけないとは思いません。しかし、安倍政権は9条を改正して自衛隊のさらなる武装化をめざしたいというホンネを「国民に支持が得られないから」と隠し、教育無償化のようなほとんどの国民が賛成することと一緒に国民投票にかけようとするその姑息さが許せないのです。 
そもそも、権力者を縛るためのルールである憲法を為政者みずからが改正を呼びかけること自体おかしなことです。犯罪者が刑法を改正して罪を軽くしようとしているのと同じです。

そんなこんなで、選挙イヤーにふさわしく政界の地図が大きく変わるかも知れません。安倍・小沢・橋下・玉木の一大改憲勢力が永田町に誕生する日は近い?

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