医学論文解読 : トランス脂肪酸が子供を肥満にする (スペイン)

スペインで行われた1744人の4-5歳を対象にしたコホート研究。トランス脂肪酸には科学的な合成によって発生するものと、反芻動物やココナッツオイルなどに含まれる自然物があるが、肥満への悪影響があったのは合成されたトランス脂肪酸のみだった。トランス脂肪酸を多く摂取(0.7g以上/日)している子供は1.57倍も肥満率が高かった。

年代は異なるが、同様の研究は日本でも行われている。1136人の18-22歳の女性に対して行われた研究では、合成されたトランス脂肪酸を摂取したグループの腹囲増加と相関していた。やはり自然物に含まれるトランス脂肪酸とは相関はなかった。

合成されたトランス脂肪酸は水素添加された植物油脂である、ショートニングとマーガリンが代表的であり、EU諸国では使用禁止、または表示義務がある。米国ですら使用禁止になっているが、日本国内では特に規制はない。トランス脂肪酸はこのように肥満やメタボリックシンドローム、また別の研究では認知症や動脈硬化などのリスクにも関与している。極力摂取しないようにするように(特に幼い子供)国民のリテラシー向上が必要だろう。

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