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2019年に映画館で観た映画の話。

もうすぐ2019年も終わりですね。年号が変わっていろいろな意味で世の中が大騒ぎしたり、ラグビーワールドカップ日本開催で突発的ブームが起こったり、いろいろありました。

そんな中、私が今までの年と違ったなあと個人的に思ったのは「映画館に行った回数」です。
元々出不精な上に、パニック障害再発による広場恐怖もあって映画を観に行く回数はガクッと減ったのですが、今年は6回行きました。6作品を映画館で観ましたよ!

というわけで、今年観た作品を軽く紹介してみようと思います。

『金子文子と朴烈』

韓国映画です。大正時代の日本を舞台に、それぞれ過酷な過去を背負ったアナーキストの日本人・金子文子と、朝鮮人・朴烈を描いています。史実に基づいた物語です。

舞台は日本なのですが、役者さんはほとんどが韓国の方。日本人も韓国の俳優さんが演じています。
その中でも文子役のチェ・ヒソさんの演技が素晴らしかったです。日本で暮らした経験があり日本語が堪能な方なのだそうですが、文子を演じるため「日本語を母語とする人が話す韓国語」を研究し自然な台詞を話していて、俳優としての高い意識を感じました。

また、印象的だったのが関東大震災の場面です。幼い子供ですら容赦なく殺す日本兵や、警察署の牢屋にまで押しかけて来る自警団。そして日本政府の企み。
韓国と日本は歴史認識でぶつかる事の多い国同士ですが、特に日本の側の人々には取り敢えずこの映画を観て欲しいと思います。

『新聞記者』

政治部の新聞記者として真実を追う女性ジャーナリストと、内調で内閣を守るために働いている男性官僚。2人はとある事件で出会い、そこに隠された真実を協力して求める事になります。

記者の吉岡エリカは亡くなった父親もジャーナリストであり、愚直なまでに真実を追い求めて行くパワーがあります。演じたのはシム・ウンギョンさんなのですが、彼女にたどり着くまで何人もの女優さんにオファーをして断られたとか……。
そして官僚の杉原拓海。彼には出産を控えた妻がいます(劇中で娘が誕生します)。守るものがあると言う事は、ある意味「弱みを持つ」事だと、真実を探る彼への真綿で首を絞めるような脅しに実感させられます。

この物語には明確な終わりがありません。ラストシーン、ついに新聞記事で真実を暴いた吉岡と対面する杉原の顔は冴えないまま。終わりは、答えは、私達観客に託されたのです。

『アルキメデスの大戦』

人気漫画の実写化です。後に「戦艦大和」と呼ばれる巨大戦艦を造ろうとする海軍の企みを阻止するため、山本五十六は数学の天才である青年・櫂直に目を付けます。戦艦が造られれば戦争が起こると言われた櫂は、海軍に入り戦艦建造計画阻止のため奔走します。

私は基本的に戦争ものが好きではないのですが、主人公の櫂を演じるのが菅田将暉君だと知って観に行きました。
櫂は孤立無援の中、新しい戦艦の見積もりの嘘を暴くために動きます。自ら他の戦艦を参考に設計図を起こしてみたり、民間の造船会社に材料の値段を訊ねに行ったり。天才的な頭脳を持ちながら、行動派でもあるのです。

しかし、観客は知っています。結局は戦艦大和が造られた事も、戦争によって沈められた事も、それで多くの犠牲者が出た事も。
完成した大和を見つめながら、櫂はこう言って一筋の涙を流します。
「僕はね、あの船が日本そのもののように思えてしょうがないんだよ」
天才であるが故に、彼には悲惨な未来が見えてしまったのかも知れません。大和が沈んだ後、彼はどのように生きるのか気になって仕方がないのです。

『主戦場』

まさに日本の歴史認識を問うドキュメンタリーです。日系アメリカ人であるミキ・デザキ監督は、沖縄で英語教師をしていた時に配信した映像がきっかけで「ネトウヨ」に攻撃された事から、ある疑問を抱きます。
日本人はどうして慰安婦問題に過剰反応するのか。自分に攻撃を仕掛けて来たような人々はどんな考え方を持っているのか。そして、反対の立場の人々はどうなのか。
デザキ監督は、有名政治家などにインタビューを始めます。

この映画が公開されていた頃、あいちトリエンナーレの一部展示に「平和の少女像」があった事で脅迫電話が殺到するという事件が起こっていました。
そのような時期に観られて良かったと思っています。日本人の抱くある種の被害者意識、歴史認識、そして慰安婦問題の背景にある戦争について。それが今現在に起こっている出来事と繋がっていると実感出来たからです。

正直なところ、性犯罪の被害者などは「ネトウヨ」側のインタビューを聴くとダメージを受けるかも知れません。そのくらい酷いのです、彼ら彼女らの言葉は。
相手が「アメリカ人」である事によって、本音も出し易くなったのだろうとは思いますが、監督だけでなく観客すら舐めているとしか思えません。
正しいの間違いだのを議論する前に、日本人の倫理観さえ疑いたくなって来るような映画です。

『閉鎖病棟─それぞれの朝─』

これはnoteを始めてから観たので、感想の記事を書いてあります。
詳しくはそちらを読んで欲しいのですが、原作とは少しずつ設定を変えながらもその温かな雰囲気はしっかりと残っていました。映画を観てみたい方には、ぜひ原作も読んで欲しいです。

役者さん達のファンの方々にも、おすすめしたいです。特に綾野剛さんの演技は真に迫っていて、幻聴に苦しむ場面などは「綾野剛ってこんな演技も出来たのか……」と圧倒される事は間違いありません。

『アナと雪の女王2』

最近ですね。こちらも記事を書いてあるので、読んでみてください。
「真実の愛」をテーマとした前作『アナと雪の女王』とは少し違い、今作は「愛と信頼」がキーワードになっているように感じました。

エルサの魔力の謎。
彼女を呼ぶ歌声。
自分達とは違う存在である人々との間に結ばれた愛。
壊れてしまった信頼の行方。

吹き替え版はまだ上映されているようなので、機会があれば観に行く事をおすすめします。
ただ、個人的にはやはり字幕版の方が良いかな……とは思いますが。

来年は何を観よう?

さて、来年も時間を作っていろいろな映画を観たいとは思っています。
今から楽しみにしているのが、中島みゆきの曲をモチーフとした映画『糸』の公開です。主演は菅田将暉君と小松菜奈ちゃん。4月なのでまだまだ先なんですけどね。

本を読み、音楽を聴き、ドラマや映画を観て、インプットを忘れないようにしたいです。それでこそアウトプットが出来るのだろうな、と思うので。


※画像は「みんなのフォトギャラリー」からお借りいたしました。ありがとうございました。

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