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20240511「白い羽」

羽を拾い
くるくる回す
誰のものかは知らないし
もう要らないのだろう
籠の中の幸せと
空を翔る羽ばたきでは
何が違うというのだろう
どこへでも行けると
そう思いつつ
どこにもいかないのは
わたしの誰か
身繕いをして出かけたのは
近所の食料品店
それでいいのなら
そうすればいい
何をしてもいいのなら

白さを広げ
青へと昇り
夜へと向かう
まだ明けたばかりだというのに
眠たい目を擦ったのは
何故なのだろう
泥のように眠り
昼間にもうとうと
もう夕だというのに
1日を費やす
届く言葉と
届かない感情は
どれもわたしのことではない
嘘をついてけらけらの
羽を千切る
それを失くしてそれを探している

抱えた物ごとを捨て
捨てきれないものをも
見て見ぬ振り
それでいてまだ大丈夫だと
餌をやっている
行間を右往左往
読めない文字を抱え
日常を読み込む
一呼吸と一文字
蓄えつつ放出しては
わたしの1日を送っている
どれもが新鮮で
どれもがいつものよう
今日の日差しは明るいと聞く
新緑へと伺い
また森へと向かう

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