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20231114「インターフェースとしての器」

その手で触って
その唇に触れて
わたし以外の何かを
逡巡しながら
受け取る
嫌々ながらも
もしくは嬉々として
違うわたしになろうと
手から手と受け取ったそれ
わたしになるだろう姿形
できるだけ分解して
馴染むように
生きる構造を既に持っている
素手では近すぎて
何ものかを通して
挟んだ間合いをとり
やりとりの経緯を
そのまま飲み込む
わたしたちはきっと尊い

普段のことなら
考えることもせずに
自動的に済まし
違うことをあれこれと悩む
解決できればいいし
そうでなくとも
今まで通りやり過ごしてもいい
けれどもそう簡単ではないのなら
一石を投じ波紋を開く
はらわたの成分を抽出して
その琴線の媒介として
現れるひとつの道具
仲介される物質のやり取り
生きられるもの屠られるもの
台座に頂き
功徳を積みつつ
懺悔を頓服し
表面の接触で
境界として現れるもの

どれもが喰らい
どれもが喰らわれる
強いてはやぶさかではないが
遍く環境を通して
循環へと誘われる
既に範疇の罠
もしくは統合と分解の勾玉
二つ合わせの極意
自然と関わるその恣意と必然
その間にこそ淡いの揺れが生じ
現象の意味を落としながら
その向こうと此方とを
行き来する
彼方を呼んで
わたしたちが集う頃
着想の一粒が芽を出す
謂われないままに
記憶に沈みつつ浮上するもの
はざまの感触を柔らかに含ませる

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