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意外と知られていないラグビーのルール

今回はリクエストでいただいた、意外と知られていないラグビーのルールについて書いていきます。
内容については、実用的なものとマニアックなもの中で以下の6つに対いて紹介していきます。

・クイックスローができるか否かの基準
・ラインアウト時の10mオフサイドラインの解消基準
・ルール改正に伴うラックでのオフサイドラインの基準(ワンサイドラック)
・インゴールでボールを置くときの基準
・ゴールキック成功の基準
・試合終了の基準

まず、WORLD RUGBYが出しているサイトをご覧ください。普段、ラグビーのルールを知るために調べるという行為にいたる人は少ないと思うのでこの機会に是非覗いてみてください。
良ければpdfファイルも見てみてください。



〇クイックスローができるか否かの基準

相手のプレーヤーによってサイドラインの外に蹴り出されたり、ボールをもちこんだ際の一般的なプレーの再開方法はラインアウトですが、ラインアウトが形成される前であればクイックスローを行うことができます。
クイックスローを行う事ができるかどうかには、少し難しい判断基準があります。

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world rugbyの定義にはこのようにあります。
クイックスローはいつまでできるの?と思ったことがある人が多いと思いますが、ここに書いてあるようにラインアウトが形成されるまでとなります。
逆にラインアウトが形成されていなければそれまでは永遠に行うことができるというわけです。

ラインアウト形成の定義
a.ラインアウトは、マークオブタッチ上で形成される。
b.各チームが、ラインアウトの自陣側のマークオブタッチと平行に、また、そのマークオブタッチから0.5メートル離れ、かつ、5メートルラインと15メートルラインの間に、1列に並ぶ。列と列の間の距離は、ボールが投入されるまで保たれてなくてはならない。
c.ラインアウトの形成は、各チーム最低2名のプレーヤーが必要となる。

このc.にあるように双方から2名以上が並ぶまでは、クイックスローが可能だということがルール上からわかります。
ですが、レフリーも早くプレーを再開したいので、悪意のある遅延行為は控えましょう。

以下の場合、クイックスローは認められず、同じチームにラインアウトが与えられる。
a.ラインアウトがすでに形成されていた。
b.ボールが、投入されたプレーヤー、または、タッチにもちこんだプレーヤー以外の誰かによってタッチにされた後に、触られた。
c.タッチに出たボールとは異なるボールが使われた。

ここのb.にあるように、ボールが物に触れてしまってもクイックスローを行う事ができなくなります
ですが、試合会場によってはそのルールに例外があることがあるのです。
競技場の範囲は試合会場によって異なるため事前に確認しておくことをお勧めします。
というのも、周辺区域にあるボールでなければクイックスローを行う事はできないからです。
この周辺区域内にあるものの中で触れてもクイックスローが認められるものがあります。それは試合ごとに変わるため、事前に確認しておきましょう。


〇ラインアウト時の10mオフサイドラインの解消基準

ラインアウトが終了するのは
a. ボールまたは、ボールを保持しているプレーヤーが、
    ⅰ.ラインアウトを離れた場合。
    ⅱ.タッチラインと5メートルラインの間のエリアに入った場合。
    ⅲ.15メートルラインを超えた場合。
b.ラック、または、モールが形成され、その中にいるプレーヤー全員のすべての足が移動してマークオブタッチを超えた場合。

上記のようにラインアウトの終了の定義が書かれています。
ラインアウトが終了するまではBKラインの10メートルのオフサイドラインは解消にならないのです。

このルールを知らない選手があまりにも多いなと僕自身は感じます。
よく、「レフリー!OK?OK?」と大きな声でレフリーに問いかけている選手を目にします。
「あ、この人ルール知らないんだ」と僕自身は見てしまいます。
親切なレフリーはいちいち手を挙げたり下ろしたり、選手にわかりやすくしてくれている人が多くいますが、レフリーにとっては余計なひと手間なはずです。
自分自身でルールを理解して自分たちで判断することが一番早いと思います。レフリーに話しかけているうちに、味方でどれだけのコミュニケーションをとることができるかを考えると伸びしろがあります。

よく、ラインアウトモールを組もうとしてDF側がサックをするプレーをみます。この際にDFのBKのプレーヤーはまだ10メートル下がっていないといけないのです。
定義のb.の部分が根拠です。
補足ですが、b.の部分にモールを形成した際に、「その中にいるプレーヤー全員のすべての足が移動してマークオブタッチを超えた場合」とありますが、これはどちらが押してもよいのです。AT側が押してマークオブタッチを越えなければいけないという意味ではありません。逆にDF側が押し返しても適用されます。


〇ルール改正に伴うラックでのオフサイドラインの基準(ワンサイドラック)

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ルール改正がなされ、このようにタックルが成立した後に、少なくとも1名のプレーヤーが地面にあるボールの上をまたいで立っているときにラックが成立するようになりました。

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ラックといっても、普通のラックとは少し異なります。
先ほどの状態をワンサイドラックと呼びます。
その命名理由は明確なものがあり、片側しかラックに参加していないという点です。

まず、ラックの定義を確認すると、各チームから少なくとも1名ずつのプレーヤーが接触しており、立ったままの状態で、地面にあるボールに被さっていることとなっています。

ワンサイドラックとラックの違い
・ワンサイドラックは少なくとも1名プレーヤーなのでどちらのチームなのかは関係なくラックとみなされる。
・ラックだとオフサイドラインはどちらのチームも最後尾のプレーヤーの最も後ろの足なのですが、ワンサイドラックでのオフサイドラインは先ほどの図のように形成されます。

少し嫌らしいですが、タックル成立後に、ボールキャリアがボールを置いて立ち上がり、ボールをまたげば、それだけでオフサイドラインは形成されるのです。
こういったルールを活かせると数的優位を簡単作りだすことができるかもしれません。


以下は少し実用的ではないかもしれませんが、マニアックなルールを3つほど紹介していきます。

〇インゴールでボールを置くときの基準

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トライという得点方法には面白いトライの仕方がOKだと書かれています。
それは、定義のe.の部分に書かれていることです。
言葉ではわかりにくいのですが、次の図の右下の部分に当たります。
タッチの外にいる人が、インゴール内のボールを押さえてもトライになるのです。

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正直、こんな場面あるの?と思うことですが、これを知っているかどうかでチャレンジの仕方が変わってくるかもしれません。
一度でいいので、こういったトライをしている動画を見てみたいものです。


〇ゴールキック成功の基準

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この真ん中の部分の4.は初めて知りました。
味方に触れると、ゴールとみなされないのですね。
また、6.は知っておいた方がいいと思います。
ゴールキックでそんな場面ないと思うかもしれません。
ゴールキックでは比較的に起こる可能性は低いと思います。

ですが、このルールはキックオフの時も同様に使われます。
キックオフで蹴ったボールが立平面で10mを超え、その後風の影響で戻された場合はnot10mは取られることはないのです。
そのままプレーオンします。


**〇試合終了の基準 **

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7.に書かれているように、各ハーフでの終了基準には上記の事柄があります。
そのほかに、故意にプレーを終わらせようとした場合試合が終了しない場合があります。

その例としては
・キックオフのnot10m、ダイレクトタッチ
・ラインアウトのnot5m
・ボールをタッチラインの外に投げ出す

などがあります。
ラインアウトのノットストレート等も対象内かもしれません。
いづれも故意に行った場合なので、気を付けましょう。

すでの多くの人が知っていることにはなりますが、c.の部分の裏返しで、ペナルティキックを獲得し、直接蹴り出した場合はそのまま試合が続くことも頭に入れておくと良いと思います。


■余談

先日このような投稿を目にしました。
日本のラグビーの試合ではよく見かけるシーンです。

正確にこのプレーに対するルールは存在しないみたいです。
ですが、危険なプレーとして裁くことはできるはずです。
仮に、このプレーが危険なプレーだとしてトライ後にペナルティが与えられたとした場合はどうなるのでしょう?

答えは、コンバージョンキック後のキックオフでペナルティが与えられます。
ペナルティをしたのは、トライをされた側なので、ペナルティが与えられるのはトライをした側なのです。
なので、トライ後の再開はグラウンドの中央からトライをしたチームのペナルティで再開します。
正直、トライも取られた上に、また、タッチに出されて自陣に釘付けにされるなんてことがあればひとたまりもありません。

あのプレーの良し悪しの感じ方は、人それぞれかもしれませんが、危険でない範囲でするようにしてほしいと思います。
よく、足を出してボールを蹴ろうとする人もいるので、よく考えてほしいです。

いつも読んでいただきありがとうございます。 一人でも多くの方に読んでいただき、ラグビーをより楽しんでいただけるようこれから頑張っていきます。 コメントお待ちしています!! よければスキもお願いします。