見出し画像

Microsoft365の「Share Point Online」を使って社内報を作ってみよう

社内報をSharePointで作る理由

SharePointは、業務効率化や情報共有において優れたツールであることはもちろん、社員同士のコミュニケーションを促進させることにも活用できます。
まず、SharePointを使った社内報制作におけるメリットについて見ていきましょう。

1. Microsoft365利用企業なら導入コストが0円

Web社内報を始めたいけれど、システム導入の手間やコストがネックで社内稟議を通すのが難しいという企業も多いことでしょう。
すでにMicrosoft365導入済みの企業であれば、SharePoint Onlineを使って簡単にWeb社内報を始めることができます。新たにIDやパスワードを設定する必要もなく、編集や閲覧のために余計な手間はかかりません。
ただしSharePoint上でも、最初のフォーマットを作ったり、継続的に更新する必要はあるので、最低限の労力はかかるということだけは、あらかじめ理解しておきましょう。

2.マルチデバイスに対応したサイト構築になっている

SharePointのコミュニケーション機能には多くのテンプレートが用意されており、「組織」「部門」「地域」「コミュニティ」「ソリューション」などのカテゴリから使いやすいものを選ぶことができます。
これらのテンプレートを使用すれば、コードを触らずに、テキストや画像などを差し込むだけで立派なサイトができあがります。
また、PCやスマートフォンで作成でき、レスポンシブデザインのためマルチデバイスに対応しており、デザイン崩れのないサイトの構築が可能です。Web制作の専門的な知識がなくても簡単にサイトを作ることができます。

3.Microsoft365ファミリーと連携し放題

たとえば、動画共有アプリの「Microsoft Stream」と社内向けSNSの「Yammer」は、それぞれ単体のアプリ上では連動させることができません。
しかし、SharePointのプラットフォーム上に投稿すれば「同じコンテンツ」として社内に展開することができます。これにより、テキストや画像だけではなく、動画を使った情報発信も簡単に行えるようになります。

 SharePoint社内報で気を付けるべき点

SharePointを使えば、誰でも簡単にサイトを立ち上げることができ、他のアプリと連動させることで、情報発信の幅も広がることをご理解いただけたことでしょう。
SharePointでの社内報制作は非常に便利で魅力的ですが、注意点もあります。実施する前にしっかりと把握しておくことが大切です。

1.あらかじめ決められたレイアウトパターンになる

 SharePointには多数のテンプレートが用意されていることで、簡単にサイトの構築ができますが、一方で「デザイン性」を重視するのであれば、不十分な場合もあるかもしれません。
とはいえ、SharePointには複数のレイアウトやパーツが用意されており、工夫次第で通常のWebサイトとして全く問題のない、十分なデザインの作成が可能です。テンプレートだからこそ、余計なものが削ぎ落とされたシンプルさがあり、見やすく分かりやすいサイト作りができるという強みにもなります。

2.コメントや「いいね!」が実名のみ(非匿名性)

 Officeの他のアプリと連携ができるという点で受けられる恩恵は多いですが、SharePointにログインするとユーザー名が表示されるため、コメント書き込みなどで匿名性を守ることができません。
社内報のコメント投稿機能を活用する際に、匿名性を重視している企業であれば、注意が必要です。

社内報に生かせるSharePointの基本機能

SharePointは、情報を「管理」「整理」「保管」「検索」することに優れたツールです。さまざまな機能パーツを加えることができ、組織のニーズに合わせてカスタマイズすることが可能です。
また、社員への情報伝達や業務連絡などの情報ポータルとしても活用でき、リモートワーク中でも、円滑なコミュニケーションを期待できます。
このようなSharePointをWeb社内報に生かす基本機能として、まずは次の3つを押さえておきましょう。

1.アンケートの作成

 アンケート作成から回答の管理まで一括して対応できます。業務に必要なアンケートを実施する場合、作成・送付・回収・集計といった一連の流れを行うことが必要となり、実務の負担になるケースもあるでしょう。その際、SharePointを活用することで事務的な負荷を減らすことができます。

2.共有ファイルの閲覧、編集

SharePointはデータベース上でファイルを共有できます。また資料を閲覧している人たちがリアルタイムで同時編集することもできる魅力的な機能があります。会議中にその場で議事録を作成するなど、業務効率の向上に役立ちます。

3.掲示板、回覧板

 それぞれのチームに合わせて情報発信が簡単に行えるため、これまでのイントラサイトと同じように、掲示板や回覧板として使うこともできます。業務や手続きに関することで困ったときはすぐに情報を探し出すことができるため、社員は安心して業務に取り組めるでしょう。

4.その他

  • コンテンツの閲覧、検索、管理

  • ワークフローの確認

  • 施設予約

  • スケジュール、アドレス帳管理

  • 電子メール「サイトメールボックス」

  • データレポート

といった多彩な機能が備わっているため、業務上必ずアクセスするポータルサイトをSharePointで構築したいという企業からのご相談が多いです。
同様にWeb社内報もSharePointで構築し、ポータルサイトとリンクさせることで、他のシステムを利用して作成した場合よりも利便性が高く、アクセスされやすいサイトになります。

 SharePointを上手に活用することで、Web社内報のPDCAサイクルを迅速に回し、業務効率や生産性の向上を図りましょう。

 一緒に利用すると便利なMicrosoft365ツール

 ここまでSharePointについての説明を通して、他のOfficeアプリと連携することで利用可能な機能の幅が広がることをご紹介してきました。では、いったいどのようなアプリがあるのでしょうか。
そこで5つのアプリを取り上げ、それぞれの機能の概要とSharePointとの連携方法を解説します。

1.Teams

「Teams」は、Skype for Bissinessの後継とも言えるビジネスチャットツールです。
Teamsには社内報の更新通知を自動化するという機能があります。この機能によって、多くの社員に閲覧してもらうことができます。
Teams上に「社内報チャンネル」を作成しておけば、チャンネルを登録している人たちに更新情報を通知できるので、社員が最新情報を見逃すことがなくなります。また、Teamsのタブに社内報を設定しておくことで、バックナンバーを含めた社内報にいつでもアクセスできます。

2.Yammer

「Yammer」は、社内SNSツールです。
Teamsなどのチャット機能より情報交換のスピードは劣りますが、全社員に向けて情報発信できるので、あとで情報を検索しやすい点が特徴です。Teamsと同様に、SharePointと連携することで更新通知が届くため、社員の閲覧率向上にもつながります。

また、社内報のコミュニティを作成することで、記事に関連した情報の発信や、読者からの感想・意見を募集、関連テーマでのディスカッションを行うなど、社内報の掲載+αの工夫ができます。

社内報の情報発信は作り手から受け手への一方通行になりがちですが、Yammerを活用すれば双方向のコミュニケーションを促すことができます。たとえば、SharePointで作成した社内報や個別の記事に対して、YammerのWebパーツを使用し、関連するコミュニティの会話を埋め込みます。Yammerを効果的に活用し、情報発信にとどまらない多角的なコミュニケーションを行いましょう。

3.Power BI

「PowerBI」は、近年海外でも注目を集めているBIツールです。BIとは、企業が保有するデータから必要な情報を抽出して分析し、レポートするためのツールです。
個人のデータ分析力に依存することなく、誰でも欲しいデータを入手でき、SharePointにアップロードしたデータをPowerBIにインポートすることで、必要なデータを簡単に分析することができます。

社内報をより魅力的なものにするためには、発行後の効果測定が重要です。どの記事が、どこの部署の誰に読まれているのかなど、測定に必要な数値をレポート化することができます。
また、何か新しい取り組みを検討している場合、社員の関心を知るために、社内報に「仮説記事」を作成し、読者の反応を調査するコンテンツマーケティング的な手法を取り入れてみるのもおすすめです。

4.Power Automate

「Power Automate」は、ルーティン作業を自動化するRPA(Robotic Process Automation)です。
日本でも多くのRPAがありますが、PowerAutomateの魅力は、すでに複数のテンプレートが用意されており、効率的な自動ワークフローを簡単に作成できることです。SharePointとの連携によって、社内報の更新通知メールを自動送信することも可能です。

5.Stream

「Microsoft Stream」は、アップロードされた動画を視聴・共有できるビデオサービスです。
現在でも社内報はテキストが主流ですが、近年は動画の活用も増えています。Streamを活用することで、トップメッセージ動画や動画ニュースの配信も可能であり、社内報のバリエーションが広がります。動画による発信は、テキストよりも説得力があるので効果的に情報伝達できます。内容に応じて上手に活用していくと良いでしょう。

6.Forms

 「Forms」は、さまざまなシーンで使用できるアンケートツールです。
社内報を楽しく盛り上げるには、社員に参加してもらえるコンテンツ作成が大切です。読者のアンケート調査や社員からの投稿募集を、Formsによって簡単に行うことができます。

番外編:LMS365 *

 「LMS365」は、社内で手軽に利用できるeラーニングシステムです。
専用アプリの新設や複雑なログイン手順等は全て不要で、気軽に学習することができます。SharePointとの連携によって、リンクの掲示や教材のアップロード履歴、メモなどを残しておくこともできます。

さらに、社内報と連携させることで、より大きな効果を発揮します。
社内報を読んで、「もっと知りたい!学びたい!」という刺激を受けてもらえた時こそチャンスです。ワンクリックでeラーニングのページや研修の申し込みページにアクセスできる導線を設計しておけば、その熱意が冷める前に、学習の場を提供できるのではないでしょうか。

『*LMS365はMicrosoft365アプリではなく、SharePoint Online上で動作するサードパーティ製品です』

まとめ

この記事では、SharePointの機能や社内報を作成するメリット、デメリットについてご紹介しました。SharePointは業務効率化に加えて、社内報などのコミュニケーションツールとしても大きな魅力があります。「社内報で使用するには難しそう」という懸念のある方が、少しでも「試してみようかな」と思っていただけたら幸いです。
さらに、他のOfficeアプリとの連携によって使える機能が増えていくため、自社のニーズに合わせた活用方法を見つけていきましょう。