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風景のレシピ #52 “Airport”| nakaban

「旅と記憶」を主題に絵を描いている画家のnakabanさんが、風景画の制作過程をレシピ化するこころみです。序文はこちら



風景のレシピ #52 “Airport”

調理時間:5時間
 
材料:
アスファルトの地面:一面
飛行機:数機
リムジンバス:一台
タラップ車:一台
その他の車:適宜
その他設備レーダー、誘導灯etc.:適宜
ターミナルビル:数棟
手荷物:数点


1.よく整備された旧式の飛行機を一機配置する。
  飛行機の扉を開けてタラップ車と接続する。


2.アスファルトで覆われた空港の敷地を彼方まで拡げ、
  さらに数機の飛行機を配置する。
  向こうと手前を囲むように空港のターミナルビルを建てる。
  温度を上げ、アスファルトの地面に陽炎を立たせる。


3.リムジンバスや荷物車などを配置する。


4.すぐ手前にターミナルビルの窓枠を設け、旅人の手荷物を並べる。


5.構内のざわめき、放送などが聞こえてきたら、出来上がり。


調理のコツ
*すでに出発してしまった旅人の特別な気持ちになる


旧式のプロペラ機
可愛い空港の自動車たち
滑走路を眺める手荷物
できあがり。クリックすると拡大して見られます。


◎プロフィール
nakaban (なかばん)
画家。絵画、書籍の装画、文章、映像作品、絵本を発表している。
新潮社『とんぼの本』や本屋「Title」のロゴマークを制作。
著作に『ダーラナのひ』(偕成社)『ことばの生まれる景色』(辻山良雄との共著、ナナロク社)『窓から見える世界の風』(福島あずさ著、創元社)など。
好きなことは果樹栽培、ポストカード収集、そしてもちろん絵を描くこと。
本を読むのが遅い。
広島市在住。www.nakaban.com

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