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風景のレシピ #61 “TREE HOUSE”| nakaban

「旅と記憶」を主題に絵を描いている画家のnakabanさんが、風景画の制作過程をレシピ化するこころみです。序文はこちら



風景のレシピ #61 “TREE HOUSE”

調理時間:4時間

材料:
針葉樹林:一帯
朝の光:たくさん
ツリーハウス:一軒
梯子:一台
鳥の声:適宜
鉢植え:ひとつ


1.朝露をよく含ませた朝をひろげる。


2.無数の針葉樹を植え、朝の光をふりかける。
  樹間から漏れ聞こえる鳥たちの歌を聴く。


3.多くの木を利用して足場を組む。
  釘は使わないように工夫する。


4.足場の上に家を組み上げる。窓やドアを忘れないように。
  ドアの前に都会から運んで来た植木鉢をひとつ置く。
  デッキに穴を開け、梯子をおろす。


5.暫くの時の間を置き、森の苔で家が覆われたら、できあがり。


調理のコツ
*ツリーハウスから眺める早朝、日中、黄昏、夜を想像しながら。

苔に覆われた針葉樹の幹
覗き込みたくなるような窓
フィトンチッドに満たされた森の空気
できあがり。クリックすると拡大して見られます。


◎プロフィール
nakaban (なかばん)
画家。絵画、書籍の装画、文章、映像作品、絵本を発表している。
新潮社『とんぼの本』や本屋「Title」のロゴマークを制作。
著作に『ダーラナのひ』(偕成社)『ことばの生まれる景色』(辻山良雄との共著、ナナロク社)『窓から見える世界の風』(福島あずさ著、創元社)など。
好きなことは果樹栽培、ポストカード収集、そしてもちろん絵を描くこと。
本を読むのが遅い。
広島市在住。www.nakaban.com

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