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【短歌】自撰三首―迷いない心のつばさで―

あふれ出る言葉は泪泣くことのできない私の胸の奥より 題詠:「短歌」

否ばれて生ひ立てる身に消たれざる光ぞありて吾を生かしむ
歌意:否定されて生い立った私の中に、何ものによっても決して消されることのない光があり、それこそが私を生かしている

迷いない心のつばさで翔んでゆく私の空はどこまでも澄む


第一首と第三首は近作です。共に私を代表する歌として特別な愛情を持っています。特に第三首については、もし後世に自分の歌を伝えることがただ一首だけ叶うとしたら、ためらいなくこの歌を選びます。

第二首は、自己紹介記事で発表した二首と同時期に詠んだ旧作です。この歌だけ古語で詠まれているのはその理由によります。

近作と旧作、ことに現代語で詠んだ歌と古語で詠んだ歌とを一緒にすることには、当初いくらかためらいもありました。実際、一般には不格好とされることかもしれません。

しかし、私は今ではこの組み立てを気に入っています。このように配列することにより、あたかも三楽章仕立てのシンフォニーのように、全体を一つの有機体として捉えることができるからです。

内容的な共通性を持ちながら様式的に異なる第二首は、快活で急速な両端楽章の間に置かれた緩徐楽章のように、ある種のコントラストを生んでいます。重厚な開始楽章に相当する第一首から、躍動的で輝かしいフィナーレのような第三首にかけて、哀しみから希望へと向かう心理的な物語が自然と流れるのを感じて頂けると思います。

この文章を書いていて、久しぶりにシンフォニーを聴きたい、自分でもピアノで弾きたいという気持ちが心に湧いて来ました。何より好きなモーツァルトのシンフォニーを――。


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