小林康夫「若い人のための10冊の本」

読了したのが年末だったので、年間ベストには入れませんでしたが、昨年読んだ本の中でもっとも感動した本です。
ポール・オースター「幽霊たち」に始まり、檀一雄「檀流クッキング」に至る10冊プラスアルファのみならず、モーツァルトのオペラ「魔笛」まで取り上げられています。

著者は哲学者ですが、東大在籍時にベストセラーとなった「知の技法」を編纂するなど、若い人に「知」を伝えることにも熱心な方です。
そんな著者が中学生から高校生の年代に向けて「上から押しつけるように語るのではなく、それぞれの一冊が君たちに世界の秘密の扉を開けてくれるかもしれない「鍵」となるように願いをこめて手渡そうと」したこの本は、大人が読んでもブックガイドとしてはもちろん、本を読むということが人間の「生」にとってどのような意味があるのかを改めて考えさせてくれるものとなりました。

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