「住民自治による避難所運営モデル事業」を振り返って
久しぶりに投稿します。
私は現在、瀬戸内市役所の危機管理課に所属し、防災対策の担当をしています。
令和5年度は「避難所運営」をテーマとした様々な研修・訓練を実施しました。
これまで市では、自治会を単位とした自主防災組織の結成・活動を推進してきました。
一方で、近年、全国各地で自然災害による大きな被害の発生が続いており、当市においても大規模災害を想定し、中・長期的な視点を持って取り組みを進める必要があると考えています。
そこで、「避難所運営」をテーマとした取り組みの一つとして、「住民自治による避難所運営モデル事業」を実施しました。
●住民自治による避難所運営モデル事業
本事業は、総務省消防庁「自主防災組織等活性化推進事業」を活用し、小学校区等の単位において住民自治による避難所運営体制を整備することを目的として実施しました。
モデル地区は長船町美和地区で、今年度4月に発足した「美和地区まちづくり協議会」と一緒に取り組みを進めました。
本事業では、全4回の研修・訓練を実施することで、避難所運営に関する知識・技術の習得と、母体となる小学校区を単位とした自主防災組織の結成を目指しました。
全4回の取り組みを一つ一つ振り返るとかなりの文量になってしまうので、各回の様子は市ホームページから覗いてみてください。
●モデル事業を振り返って
コロナ明けの同窓会に
本事業では、美和地区まちづくり協議会のほか、小学校、消防団、地区社協、民間事業所など、様々な団体と連携して「顔の見える関係づくり」に努めました。
協議会の会長さんがまとめの会で、「地域のつながりがコロナ禍で途切れてしまっていたが、防災の取り組みを通して同窓会のように顔を合わせる機会になった」とおっしゃってくださったのが非常に嬉しかったです。
防災は住民共通の課題であり、関心を持ちやすいので、地域づくりの「呼び水」として使うくらいの気持ちを持っていて良いと思っています。
何より、そうして地域のつながりをつくってもらうことこそが、災害時の「共助」に活かされると思います。
子どもの力を借りる
本事業では、「子どもを巻き込んだ取り組みにしたい」という地域の要望もあり、小学校の協力も得ながら、子どもと大人が一緒に学べるような取り組みとすることを心掛けました。
子どもが地域の取り組みに参加することで、①場が活気付く、②親も参加する、といった効果があります。
美和地区でも、子どもがいることで場が明るくなり、住民同士が積極的に学び合う姿が見られました。
また、親も参加することで、幅広い年代層の住民が集まり、様々な視点から避難所運営について考えることができました。
●まとめ
本事業の成果は、冊子・パンフレットにまとめ、他地域に事例展開することとしています。
パンフレットの方は、「なんだか楽しそう」「うちの地区でもやってみたいな」と思ってもらえるよう、参加者の表彰かよく分かる写真をふんだんに使って見ました。
ただ、モデル事例をそっくりそのまま使ってほしい訳ではないし、使えるものでもないと思います。
「様々な地域関係者を巻き込む」「子どもと一緒に学ぶ」といったエキスを上手く使いながら、その地区に合った方法で防災に取り組んでもらえたらいいと思っています。
地域の方々に助けられながら、こうした事例を作れたことは市にとって今後の武器になると思うし、私にとっても非常に良い経験になりました。
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