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ラグビー選手の安全に貢献するホークアイ

ソニー広報部のRNです。

日本で開催され、日本代表の初めての決勝トーナメント進出もあり、非常に盛り上がった前回のラグビーワールドカップから早4年。今年9月にフランスで開催されるワールドカップも、日本代表の躍進が期待されるところ!……ですが、今回はそんなラグビーで、ソニーのグループ会社Hawk-Eye Innovations(ホークアイ)が提供している、選手の安全に貢献するサービスをご紹介します。

そのキーワードは・・・「HIA」です。


審判判定支援だけがホークアイじゃない

ホークアイと言えば、テニスのイン・アウト判定に代表される、審判判定支援サービスを提供している会社、というイメージが強いのではないでしょうか。

ラグビーでも、TMO(テレビジョン・マッチ・オフィシャル)と呼ばれる審判判定支援サービスを提供しています。ホークアイのビデオリプレイ技術(SMART = Synchronized Multi-Angle Replay Technology)により、会場に設置された複数台のTV中継用カメラで撮影した、さまざまな角度からの試合映像を同期再生し、ズームや巻き戻し再生、スロー再生、一時停止などを行って、フィールド上の主審の判定が難しいシーンを確認するものです。
サッカーのVAR(Video Assistant Referee)と似たようなもの、と思っていただくとわかりやすいかもしれません。

すっかりお馴染みのVAR。ホークアイはセリエAやJリーグをはじめとした、世界の主要なリーグ・大会にサービス提供しています。

加えて、ラグビーでは、同じビデオリプレイ技術を活用し、選手の脳振とうの確認を支援するサービス「HIA(ヘッド・インジャリー・アセスメント)」を提供しています。

このTMOとHIA、今期のプレーオフを間近に控える「JAPAN RUGBY LEAGUE ONE」でもホークアイのシステムを活用いただいています。


大迫力のラグビー!だからこその危険も・・・

筋肉隆々の屈強な選手たちがぶつかり合う迫力、ラインアウトから投げ入れられたボールをキャッチするジャンパーたちの空中での駆け引きとフィジカルの強さ、そしてフィールドを駆け抜ける選手のスピードなど、ルールを知らなくても引き込まれてしまう魅力が、ラグビーにはあります。

そうした大迫力のスポーツであるが故に、危険なシーンが発生することも。
激しいコンタクトプレーにより、選手が脳振とうを起こしてしまう場合もあります。倒れた選手の頭にやかんの水をかけると、選手がぱっと目を覚ます…なんてシーンを、昔の実際のラグビーのプレー中のほか、アニメやドラマなどで見たことのある方もいらっしゃるかもしれません。

ですが、選手が脳振とうになった場合、本来は適切にプレーを中止させ、退出させることが重要です。そうした適切な判断を支援し、選手の安全を守るために、HIAは様々な国際大会やトップリーグで活用されています。

HIAでは、ピッチサイドにMatch Day Doctorと呼ばれる医師と、ホークアイのスタッフが控えています。医師の手元には、有線でつながれたタブレット端末があり、危険なシーンが発生した場合、医師が映像を見返して、選手に脳振とうやその疑いがないかをすぐ確認します。ホークアイのスタッフは、数あるカメラ映像の中からプレーの状況を確認しやすいシーンを選び出し、タブレットに映し出します。

HIAで使用されるタブレットです。2019年の日本開催のラグビーワールドカップでは、ホークアイがTMOとHIAのサービス提供を行いました。

また、ワールドカップなどの国際大会や一部の海外リーグでは、別室のメディカルルームにもモニターが設置されていて、医師とホークアイのスタッフが控えており、映し出された試合のライブ映像と数秒遅れの映像を見ながら、危険なプレーがなかったかを同時に確認しています。

こうして映像を確認した結果、医師から脳振とうの可能性があると判断された場合、レフェリーは選手を一時退出させます。選手はHIAの専門的な講習を受けた担当者(マッチドクター、チームドクター)の確認を受け、脳振とうと判断された場合は、プレーを続行することはできなくなります。

より安全で公正、魅力的な試合運営のために

ラグビーの国際統括団体であるWorld Rugbyによると、2012年のHIA導入以前は、脳振とうになった選手のうち、正確に状態を識別されて試合から完全に外れることができたのは44%にとどまっていました。一方、HIAにおける映像での確認が導入された2015年のワールドカップでは、95.5%が正確に識別されたとのことです。(実はホークアイは2015年のワールドカップでも、TMOとHIAを提供していました)

ホークアイが、ラグビーを含め25種類の競技、90カ国以上、500以上のスタジアムやアリーナなどに様々なサービス提供を行う中で目指しているのは、「スポーツをより安全で公正、魅力的なものにする」こと。そしてソニーも、テクノロジーを通じて、様々な形でスポーツの健全な発展や成長に貢献していきたいと考えています。

判定支援サービスの提供だけでも、試合がより公正に進められ、選手や審判が安心して試合に臨むことができるメリットがあります。加えて、ラグビーではHIAの導入により、素早い判断と適切な処置が行われることで、選手自身の安全が守られるだけでなく、大会やチームの運営側にも、選手の欠場期間を短期で抑えられるというメリットも生まれています。

今月のJAPAN RUGBY LEAGUE ONEのプレーオフトーナメントをご覧になっている際に、TMOやHIAが使われるシーンがあったら、「あ、これ、ホークアイ!!」と、思い出していただけると嬉しいです。

執筆:広報部RN
「実際に試合を観戦した際、選手の体の大きさと選手同士がぶつかり合う音に驚かされました」


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