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『モードとエロスと資本』


こんにちは。

最近本の紹介という名の、知識のアウトプットをしてるのですが、この記事では、

「モードとエロスと資本」について書きたいと思います。


著者:中野香織さんについて

ご自身でオフィシャルサイト作っていたので興味があったらご覧ください。

東京大学を卒業して、ケンブリッジ大学で服飾の研究をなされており、服飾史のエキスパートと言っても過言ではないでしょう。


今回記事にしたいのはこの本です。

服飾史家の中野香織さんの本です。

他にもこんな本を出しています。これも読みましたので、機会があれば紹介したいです。


この本を手に取った理由

中野香織さんの本は実は上記で紹介している

イノベーターで読むアパレル全史が最初でした。


その関係でこの本に出会ったのですが、モードやアパレル業界を社会の中で捉えたいと思いがありました。

そこで「モードとエロスと資本」を手に取りました。

そもそもの発想として

大学一年の簿記の講義で習ったことが印象的で

ある対象を理解するためにそのもう一つ大きな対象を理解する必要がある

というものがあります。

言葉だとわかりにくいので、教授が書いた図を載せたいと思います。

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モードを資本主義の中で理解したいというのが、この本を読んだ理由です。

内容について

モードを資本主義の中で理解したいと言った目的とか裏腹に、内容の比重がモードとエロスにやや偏っていたように思いました笑

ただ、モード、エロス、資本はそれぞれに独立なのではなく、密接する分野だということがわかりました。

著者の主張はややエロスについて寄りすぎている気はしましたが、それは自分との価値観の違いや、自分の認識が違っていただけかもしれません。

そもそも著者の考えに、服を着る、オシャレをする、ファッションに気を使うことは異性の目を引くためという価値観がありました。

それを歴史的に分析して、そして資本主義の中で考察していました。


景気の良し悪しで変化するモード

好景気にはスカートの丈が統計的に短くなり、不景気にはスカートの丈が統計的に長くなると言った資本主義とモードの関係の述べるときによく使われるが、この本ではリーマンショック後のアメリカのスーツ離れを扱い、フェイスブックの創設者のマーク・ザッカーバーグが報道にネクタイをつけて登場したことにより、スーツが再びよく着られるようになったことをあげてます。

加えて、不景気に雇用の問題取り挙げリストラされないように出来るだけ優秀な人材に見えるようにという社会のプレッシャーがスーツの復活を後押しした。


日本でいうならコロナショックで卒業式入学式がなくなりスーツが売れず、

スーツを扱う○山が打撃を受けた話がありますが、この不景気の中就活する人などはできるだけ優秀に見えるようにスーツに投資する構図が見えそうですが、そもそもオンライン面接で画面越しにそのアピールは有効なのでしょうか?


モードの原動力はかつて違法恋愛だった。

この章ではドイツの経済学者ヴェルナー・ゾンバルトを取り挙げ、かつての宮廷事情から奢侈品(服や宝石)の需要を読み解き現代のファッション需要に結びつけて考えています。

特に高いハイブランドの服はその服自体の性能や品質、デザイン性を考慮してもまだ効果に設定していることが多く、着る場面、目的が限定的だという弱点もあるんだなあと思いました。


モテ服の逆説

これはまさに日本中で起こってる問題だと思いました。

メディアによって伝えられるモテ服は

「女が男に実際にモテるかというよりも、むしろ男からどれくらい注文があるのか、正確にいうと注文があるように見せるか競い合うようになってしまった。」と分析し世の中に綺麗めの服を着ている人が増えたように見えるが異性からモテるといった本来の目的にそぐわない格好をしてしまっていると批判していました。

メディアを鵜呑みにしてコーディネートしたり服を買ったりする時代にあまりにも慣れ親しんでしまった自分たちがこの現状から脱却するには自分で服を見極め、感覚・センスを地道に鍛えていく必要があります。

自分も服を着る本質には自分で考えるという行為が必要不可欠だと思います。


現在、サブスクライブで1週間に企業が提供するコーディネートが届くサービスがあったりするが、よく考えてほしい。

当目から、視座を一つ高く持って、見ると

人間がリカちゃん人形になってはいないか?


少なくとも自分は人間が着る服について考えなくなることは文化の衰退や

感性の欠如につながると思う。

このサービスには賛否両論あると思いますが、皆さんはどう思いますか?


終わりに

締まりが悪いのですが

今日のところはここまでで

他にもアパレル業界の記事やファッションの記事を書いているので

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それでは

最後までお読みいただき有難うございました。

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