エアロバイクを漕ぐだろう
三十路を前にして私はまず「体型を維持したい」と考えたものの、ガッキーみたいなふうには簡単にはなれないだろう。
最近試してみたら、腹筋が少しできるようになってた。
骨盤、よく回復してくれました。
エアロバイクをとにかく漕ぐ…が5分も経てば暑くなる。
朝晩15分ずつって決めたのに…全然できとらんがな。
15分は普通にキツいとわかった。
そんな怠け方してる割に少しだけ体重は落ちた。
まあ夢の56キロ台まではまだだけども。
(栗の身長は168センチ)
ここ数日で原因不明の食欲不振になり、一応お腹は空くけど、すぐ満足してしまう。
ただの体調不良かと思いつつ、私は内心ほくそ笑んでいた。
これを利用してダイエットできるかもしれない。
わかってはいるよ…痩せることに執着しすぎだ。
以前スーパーで、中学時代のクラスメートとばったり会った。
私は気づかなかったけど、向こうが名前を呼んでくれた。
成人式以来一度も会ってない元クラスメートを。
すごいなこいつ、なんて記憶力とコミュ力と…色々だ!
知らない間に彼はラガーマンみたいな体格になってた。
なんでよ。
公務員になった彼は市役所に勤めている。
私が「体型変わった?」と聞くと
「ああ!太ったでしょ!はっはっは!」
と言っていた。
かっけえよ。
ああいうのを健康というのだろう。
様々な意味で…そういうことを昨日はエアロバイクを漕ぎながら思っていた。
漕いでる間はiPadでずっとYouTubeを見ている。
しかしそれによって新たな扉が開く音を、私は聞き逃していた。
私はすでにVtuber沼に片足突っ込んで…いや肩まで浸かっていたのかもしれない。
バーチャルユーチューバーは数年前まで存在すら知ることはなかった、新しいエンタメの形だった。
強いていうと東京にいた時、私が勤めていたレストランが入ってるビルの玄関にあったモニターに、ひょこっとキズナアイが映っていたのは記憶しています。
キズナアイって何?と毎朝出勤するたびに思っていた。
そんな出会い方をしつつ、私は今日もVtuberを追ってエアロバイクを漕ぐだろう。
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