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4つの学びの場とは?『就学相談員』が解説します!

今年度、特別支援学校の教員として市の巡回相談を担当することになりました。
そこで今回は、改めて4つの学びの場について解説していきたいと思います✏︎

結論

4つの学びの場のうち、
お子さんにとって

  • 「より楽しく無理なく通える場はどこか」

  • 「より成長できる場はどこか」

という 視点を第一にです。


3つの学びの場とは?


・通常学級
・通級指導教室(在籍は通常学級)
・特別支援学級
(知的、自閉症情緒、肢体不自由、病弱・身体虚弱、難聴、弱視、言語障害※自治体によって異なる場合あり)
・特別支援学校
(知的、肢体不自由、病弱、盲、聾)
の4つです。
以下、それぞれの メリット/デメリットについて解説します。



通常学級のメリット/デメリット

メリット
・たくさんの子どもたちと関わりながら、集団での生活力を高められる。
・周りの子たちに教えてもらったり、先生の話が理解できなくても、周囲を見て行動できる。
・交友関係が広がりやすい。
・社会性を高められる など
デメリット
・担任教師と個別に関わる時間が少ない。
・学習速度は全体に合わせなければならない。
(理解できていなくてもどんどん進む・・)
・困っていても見逃されやすい。
・劣等感を感じ、意欲・自尊感情の低下の可能性がある。 など
以下、研修会でいろんな立場のものが、意見を出し合いましたので、参考までに。



通級指導教室のメリット/デメリット

メリット
・個に応じたカリキュラムで学習できる。
・通常学級に在籍しながら通うことができる。
・社会性や言語面・コミュニケーション、運動面などの指導が受けられる。
・ほとんど通常学級の教室で学習する。
・通常学級よりも、比較的静かで、刺激が少ない環境で学習できる。
                             などなど
デメリット
・週に1〜2回程度しか通級指導教室に通えない。
・希望したら、利用できるわけではない。
・利用希望者が年々増加しており、申請&利用がなかなか通らない…
・自治体によっては、2〜3年間で強制終了してしまう…
                                   



特別支援学級のメリット/デメリット

メリット
・個に応じたカリキュラムで学習できる。
・1クラス最大8人なので、個別に対応してもらいやすい。
・自立活動で、社会性やコミュニケーション、運動面などの指導が受けられる。
・おおよそ半分くらいは、通常学級の教室で学習する。
(交流及び共同学習)
・通常学級よりも、比較的静かで、刺激が少ない環境で学習できる。
                             などなど
デメリット
・多様な発達段階の子がいるため、必ずしも個別指導がいつも受けられるわけではない。
・学習が一人ひとり違う子に担任1人が指導するため、待ち時間が発生する。
・クラスに気の合う友達がいればよいが、人数が少ないので、孤独に感じる子もいる。
・希望したら、入級できるわけではない。
・スケジュールは通常学級に合わせることが多いため、時間にゆとりが少なく、移動などバタバタすることがある。                                    
以下は参考までに



特別支援学校のメリット/デメリット

メリット
・1クラス6人程度で、担任が複数いるため、手厚い支援・個に応じた指導が受けられる。
・担任が複数いるため、相性が良い先生と出会いやすい。
・自治体によるが、近しい発達段階の友達と楽しく学習するため、自尊感情が高まりやすい。
・比較的、1日のスケジュールにゆとりがあり、落ち着いて生活できる。
・自立活動で、社会性やコミュニケーション、運動面などの指導が受けられる。
デメリット
・地域の子達と関わる機会が減る。地域の学校との交流及び共同学習はあるが、学期に数回程度
・通学距離が遠い場合がある。
・希望したら入学できるわけではない。就学相談を経て、慎重に検討していきます

就学相談会の進み方

  自治体にもよりますが おおよそ以下のような流れです。

① 在籍校園で、発達相談(教育相談)
② 就学相談会に申し込み

③ 就学相談会に参加

→在籍校園や就学先の学校、専門員に、それぞれの学びの場の強みや弱みについて、アドバイスをもらう。
→保護者の方の意見や悩み・不安を伝える。

④ 9月頃、就学相談を経て、

 「次年度、お子さんは〇〇に就学するのが望ましい」
ということを在籍校園から伝えられる。

⑤ それを聞いて、10月頃に、本人・保護者が、就学先を最終決定する。
 
※但し、選べる学びの場は、

「特別支援学校に就学するのが望ましい」
→ 通常学級・特別支援学級・特別支援学校

「特別支援学級に就学するのが望ましい」
→ 通常学級・特別支援学級

「通常学級に就学するのが望ましい」
→通常学級 (必要に応じて、通級指導教室の利用を申し込みできる)


まとめ

3つの学びの場のメリット・デメリット
を述べてきましたが、何よりも大切なのは、
お子さんが
毎日楽しく通えるところはどこか
より成長できそうなところはどこか
という視点で考えていただけると嬉しいです。
一度決めたら、ずっとその場所で
というわけではなく、
適宜学びの場の見直しもされます
お知りおきくださいね。
その都度、学校と相談されてください。
特別支援学校教員として、これからも、就学相談に関わり、皆さんがより楽しく・成長できる学びの場の選択に尽力いたします。
個別に、具体的なアドバイスを望まれる方は、
こちらまで。↓


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