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夫婦のすがた <夫婦世界一周紀54日目>

僕はやっぱり、亭主元気で留守がいいっていうのは違うと思う。

そもそもそんな器用に夫婦の関係性を保てない。一緒に相談して、納得して、それで進むことしかやってこなかった。夫婦で世界一周するためには、よっぽどの長者でない限りお互いのコンセンサスが重要になるから尚更だ。

とはいえ、楽しいも苦しいも疲れたも一緒に経験するっていうのは簡単なことじゃないと思う。お互いが思っていることを脇道に逸らすことが出来ないから、いびつに衝突しあって改善策を見出すしかない。フウロと大学の時に出会ってから、いろんな関係性を経て今がある。時には映像制作の仲間として、恋人でも友人でもあるが、一番多かったの関係性は共同製作者だと思う。ひとつひとつの作品を中心において、僕たちの関係性が出来上がったのだと思う。

そういう苦労というか衝突を経ていると、人前で自分のパートナーを貶す人の気持ちが分からなくなる。ダメな女房なんて言う気にもならないし、そういうことを言わないと間が持たないような席には参加したくない。あんなことを言う人たちってひょっとすると日本人だけじゃなんじゃないかと思う。

サグラダファミリアを見て帰る途中、目の前を歩いていた老夫婦の姿を見て、思わずシャッターを切った。

二人三脚の関係性でいたいと思う。人前であることよりも夫婦である事を大切にできる夫婦でいたいし、留守でも成り立つような部分でつながっている夫婦よりも、いなければ困る関係性でいたい。

だから結婚したんだもの。

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外に出ることが出来ない今、旅をできること自体に価値が生まれつつあります。僕たちが見てまわった世界はもうないかもしれないけれど、僕らが家にいる時にも世界は存在していて、今日もトゥヴァだってニウエだってある。いつか全てが終わった時に、あそこに行きたいと思ってくれる人が一人でも増えたらいいなと思って、価格を改訂しました。 無料で公開したかったのですが有料マガジンを変更することが出来なかったので、最安値の100円に設定しています。

2018年8月19日から12月9日までの114日間。 5大陸11カ国を巡る夫婦世界一周旅行。 その日、何を思っていたかを一年後に毎日連載し…

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