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時間どろぼうとの闘い

「モモ(ミヒャエル・エンデ著)」を読んだ。実家の本棚には置いてあった気がするが、この読書好き少女が読んだ記憶がなかった。

時間どろぼうに取られた人々の時間を取り戻すため、小さい不思議な少女モモが立ち上がる。いま流行りの「時短」は何のため?と思わせられた。時間を節約して節約して、浮いた時間を私たちは何に使っているだろうか。

物語の中で時間を象徴する花びらの描写がとても美しかった。時間ってこんなに美しくて儚くて、大切なものなのだと教えてくれる。

自分が楽しいと思うことをしっかり味わうこと。花や植物を愛で、家族や友人と幸せな時間を過ごし、音楽や芸術を楽しみ、心をこめて働き、リラックスする時間をたっぷり持つこと。これが自分に与えられた時間を無駄にしない(時間どろぼうに取られない)生き方だと思う。時間どろぼうが「こんな無駄なこと」と切り捨てた時間の過ごしかたそのものが、質の高い幸せな時間なのだ。

時間どろぼうの言うように時間を節約しても、あとで利子がついて返ってくるわけではな。今ある時間は過ぎ去っていくだけ。だから大切に、心を尽くして過ごしたい。

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