見出し画像

お皿の変化は環境の変化

私は環境の変化にめっぽう弱い。何曜日の何時に何をする、という日常の予定から、お弁当のおかずの配置、洗濯物の干しかたなど、何もかもが決まっていると安心して動ける。逆に、予定の変更など突発的な変化があるとパニックになり、何も手につかなくなってしまう。発達障害あるあるの、融通の利かなさとこだわりの強さが大いに発揮されている。

私は結婚して1年半になるが、いまだに二人分のおかずの量というものが分からない。足りないと言われることが怖く、いつも大量に作る。お浸しなどは1人で3人分はあるとよく夫に指摘される。残して翌日に回せばいいのだが、「一食の献立はチームであり、前日の残り物が混ざるとチームの秩序が乱れる」というおよそ誰にも理解されないこだわりがあって無理。結果、出されたものは残さず食べる夫の助けもあり、大量に作ったものを一度に食べきっている。

作りすぎて自己嫌悪する毎日が1年半。これからも作りすぎ生活が続くのかと情けなく思っていたところ、救世主が現れた。仕切りのついた大皿である。四角いお皿に、大、中、小とおかずを入れるセクションが分けられている。これなら最初から「これだけしか入らない」と決まっているので、なかなか学習しない私でも、主菜と副菜の適量が把握できる!素晴らしい!ということで早速使い始めた。

ところがだ。

「これだけしか入らない」と思ったとたん、何を作ったらいいのか分からなくなった。何をどこに入れたらいいのかも分からない。完全に混乱してしまった。今までは、作ったものに合わせてお皿を選ぶということをしていたのが、今度はお皿に合わせて料理を作るという、まったく逆の環境になったからだ。

どうしよう、何を作ろう、入りきらなかったら、少なすぎたら。一日中そんなことでうんうん唸ることになってしまった。朝から晩まで、頭の中はお皿のことでいっぱいだ。楽になるつもりだったのに、パニックになってしまった。

環境の変化に弱いのは自覚していたが、お皿が変わっただけでこんなに苦しむことになるとは思わなかった。でも、せっかく買ったお皿を数日で放り出したくはない。毎日混乱しつつ、失敗しつつ、何とか良いシステムが作れたらと思う。私のことだから、一度システムが構築されれば、それに沿って安心して進めていけると思うのだ。

とりあえず、キッチンの正面にお皿の大きさに切った段ボールを張り付けてみた。これを見ながら、作る量を決めていく。不安でたまらないが、きっと楽になる。うまくいくようになるまでの我慢だ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?