見出し画像

謝罪とサービスの質に関する個人的意見(その1)

サービス業界の一人として発言したい。
的確でスムーズで誠意のある謝罪は質の良いサービスの大事な要素だと。

最近、誰も彼も謝罪しなくなったなあと感じている。
1990年前後は街で人にぶつかると、ぶつかった瞬間、互いに同時に「すみません」と言葉を発していた。そんな感じで謝罪は一般的に浸透していた。
しかし今は無視か、睨み付けていくか、舌打ちされるか、怒鳴っていくか・・・が多い。

自動車の保険会社の教育が影響したせいなのかなあ・・・
「とにかく謝らないでください」と。
今は少し違うと思うけど、保険導入当時はこんなフレーズだったもの。
衝撃的だった。「謝ったら負けなのか!?」と。


先日、治療方針を見直すための入院を2週間の予定でした。
新幹線に乗って行く位遠方の大学病院だった。
色々あって1週間経った休日に自分の意思で退院した。
当然会計課は閉まっていたので後日請求書郵送→入院費振込ということになった。
病院側からしたら心配に決まっている。
だから私も精一杯「短期間の入院で信用はできないでしょうけど、きちんと払う人間ですから」と二重三重の所在確認にも応じた。
ところが、だ。2週間経っても請求書が来ない。
あれだけ看護師さんと約束したのに支払えない。
こちらも不調で中々電話すらかけられない状態の中、やっとの思いで会計課に連絡した。
「こちらにまだ計算書が届いていません。もう5時になりますから明日そちらにお掛け直しください」ガチャ!
それから1週間後、やっとその計算する課とやらに電話をかけることができた。
「〇〇〇〇様ですね。金額が出ております。お伝えしますね。〇〇〇〇円になります。郵送でとなっていますが、郵送じゃ無いとダメなんですか?」
「あのう、私〇〇県に住んでおりまして」
「あ!失礼しました。私〇〇が責任を持って郵送させていただきます」
で、届いたのがその1週間後だった。私の家は離島ではありません。

私も病院に勤めていたから見てきたけど、明日退院する患者さんの会計は前日にはほぼ計算されていたよ。
何で1ヶ月もかかったの?やっぱり1週間で退院した嫌がらせ?
それにね、支払うことができないっていう電話じゃないじゃない。
退院して2週間経っても請求書が届かないっていう電話じゃない。
電話先の相手が不安を持って電話しているって想像できないのかなあ。
しかも、忙しいのに悪いなって気兼ねまでして掛けてるのに。

私だったらってよく妄想するけど
「ご心配をおかけして申し訳ございません。
ただいまお調べいたしますので2分程お待ちください。
お待たせいたしました。
まだ計算課から計算書が届いていない状態でございます。
申し訳ございませんがもう5時になり業務終了となってしまいます。
明日、私○○が責任を持って経過をお調べし、
いつ頃請求書をお届けできるかお伝えしたいと思いますがご都合はいかがでしょうか。」
もし、それができないにしても
「誠に恐れ入りますが、
明日計算課の方へお問い合わせいただけますでしょうか」
くらい言う。

ある日、出かけていたら靴先の底が2枚ともベロンって剥がれていた!
デザイン上、丁度裁縫されていず貼り付けられただけの部分だった。
これは恥ずかしい!慌てて近所の靴屋さんに行ったらそこの商品だった。
牛革で6000円位。牛革にしては手頃だけど私にとっては高い買い物だ。
店員さんにそんなにハードに使った訳じゃ無いのに悲しい気持ちだと伝えた。すると
「牛革なので1年中履いていただく方が良いんです。それに保管状態が悪いとこうなります。」と言われた。
焦げ茶で足の甲まですっぽり覆ってくれる、寒さから守ってくれるこの靴を、あなたは真夏のキャミワンピに合わせるのか!?
それに我が家の靴箱を知らないあなたが、なぜいきなり保管状態悪い説!?
ちゃんと風の通る靴箱に保管してるわい!
自分のお店の商品を愛することは素晴らしいと思う。
自分が店員だとしても、そうなると思う。
でもね、だから謝ることができるんだよ。
自社製品を信じているからこそ謝れるって事に気づかないとね。
「ご期待に添えず申し訳ございませんでした」って最初に添えれば、
それで客は溜飲を下げる。
そこから雑談の中で使用頻度や使い方、保管の仕方を聞き出していき、
そこに課題があれば「○○はこうしていただく方がより長持ちいたしますので、ぜひお試しください」って言い方にすれば両方気持ちいいのにと思う。


先日、引っ越しする友人へのプレゼントをネットで購入した。
精密機械だった。
運送会社から「明日お届けします」メールが届き時間指定をした。
しかし待てど暮らせど来ない。
まあ、道路事情もあるしね・・・と思いながらソワソワしていたが、もし車が事故にあっていたらどうしようと想像したら一気に不安が高まった。
もちろん運転手さんの安否もなのだが、なにせその精密機械は滅多に手に入らない物だったからだ。
そこでスマホでまだ地元の集配所に届いていないことを確認した上でコールセンターに電話をした。
対応した女性は事務的な調査をし、次の集配所到着便が〇時だからその頃にまたスマホで確認してください「スミマセンケド」と事務的に言って切った。
そこから1時間待っても2時間待ってもスマホの情報は変わらなかった。
集配所を調べてPC画面の「電話する」を押したらやっぱりコールセンターにつながった。
今度は男性だった。この男性は最初に「ご心配をおかけして申し訳ございません」と言ってくれた。
ただ、その先は埒が明かず「待っていただくしか無い」の一点張り。
「待つと言っても、もう集配所の営業時間は終わりますよね。それでは今日の配達は無理ということですか?明日には届くのですか?その見通しを教えていただきたい。」と伝えたら
「では集配所に電話をしてみて状況を確認してみます。」
「ああ、状況がデータに反映されていない可能性もあるってことですね」「いえ、それは無いと思うんですが」・・・。
それから数分後、ピンポ~ン!
「すみません!14時~16時でしたよね。今日は全体的に荷物が送れちゃって!」と申し訳なさそうな顔をした配達のお兄さん。
私も半泣きで「良かった~!届けてくれてありがとう!あなたもヤキモキしたでしょう。ありがとうね~」と受け取った。
相当バタバタだったようで、現に荷物の追跡情報は反映されていなかった。で、コールセンターの男性からは折り返しの電話は無かった。

今、こんなに文句を言っている私もかつて謝れない時期があった。まだ若くて自信が無かった頃だった。何でもかんでも謝れなかったのでは無くて、肝心なときに謝れていなかった気がする。


で、文章が長くなりすぎてしまって、読者の方もお疲れなんじゃ無いかと思ったので、続きは(その2)へアップします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?