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【学生アナリストの仕事①】アナリストとは



はじめに


2年と少し前、僕は福岡大学サッカー部の門を叩きました。

福岡大学サッカー部がどの程度の強さなのかは大学サッカーに関わりのある人なら誰でも知っていると思います。

90人近くのプロを輩出し、総理大臣杯(夏の全国大会)を優勝するなど言わずと知れた福岡の名門です。

そんなところに何の知識も経験もなく僕は突っ込みました。
アナリストとして入部してきた人は初めてらしく、
入部当初は本当に何をすればいいのか分かりませんでした。

ただやったことといえば練習に出て玉拾いをし、コーチのコーチングを見て学ぶということだけでした。

そう、アナリストとして入部したのにちっともそれっぽいことができていなかったのです。

当時4年生にトップチームの分析をしていた人がいたのでその人についてまわりたいとコーチに打診したのですが、「チームに慣れるまでは下のカテゴリーでやれることをやった方がいい」と言われたので大人しく従うことにしました。

まぁ入部したてのどこの馬の骨かもわからないやつにいきなりトップチームの分析をさせる方がおかしいのでしょうがないとは思いました。

それから徐々に監督やコーチ、先輩などから分析の仕方、ミーティングの仕方、サッカーの見方などを学んで今に至るのですが、今になって思うことがあります。

それは「体系的に分析学べるようにした方が良くね?」というものです。

今でこそウチのテクニカル部は僕を含め15人いるのですが、1年目はコーチ(奇跡的にT波大出身のコーチがいたので色々教えてもらっていました。ありがとうございました🙇🏻)、先輩、そして僕の3人で毎週末の試合に向けて分析をしていました。2年目の途中から3、4人集まり、3年目である今年の4月までにさらに10人ほど集まりました。(無理やり入れた人もいるのですが笑)

とにかくこの活動は様々なスキルを必要としますし、それをできるようにさせるための労力がかなりいるのでマニュアル的なものが必須だと感じました。

今のテクニカル部には、将来コーチになりたい人、サッカーライターになりたい人、一般職に就きたい人、プロ志望など様々な人が所属しています。
なぜなら、この活動で学べることがさまざまな場面、業種で活かせるからです。

今回、この記事を書いた目的は、まずは現部員のマニュアルとして。
次に福岡大学サッカー部に入って活動してくれる人を見つけること。
(アナリスト、学生コーチ、主務、マネージャー、トレーナー、その他諸々学生スタッフ志望大歓迎!)
そして、ウチの部活動に関わりがなくとも今のチームで分析をしたい人、分析をしたいが何から始めればいいか分からない人のための指南書として使っていただければと考えています。


1)おすすめの書籍


「え、いきなりおすすめの書籍?」と思ったそこのあなた。

えぇ、そうですよいきなりおすすめの本ですよ。

指南書扱いしろと言いながら人が書いた本を紹介するという愚行お許しを〜

ということでお勧めするのはこちらの『サッカーアナリストのすゝめ』
著者は横浜・F・マリノスでテクニカルスタッフとして活躍された杉崎健さんです。

『サッカーアナリストのすゝめ』
杉崎健

ほぼアナリストの仕事や必要なスキル、スケジューリングなどはここに書いてます。
アナリスト志望でなくとも、サッカー指導に携わる人にはぜひ一度目を通していただきたい逸品です。
amazon1870円で売っているので惜しまず自己投資してください!


2)アナリストとは

・アナリストという存在


気を取り直して、、、

そもそもアナリストとは何なのか、まずはそこから考えていきましょう。

上記にある杉崎さんの本ではアナリストを次のように評しています。

「アナリスト」とは「複雑なもの」「分解する」人と言えるだろう。
正確に物事を分解するには、あらためて物事を根本から定義しなければならない。

サッカーアナリストのすゝめ:杉崎健


正直、ピンときませんね笑、しかしアナリストという存在はスポーツ界だけでなく、政治や金融などあらゆる世界に存在するものですから、このように抽象的な言い方になっても仕方がないと思います。

杉崎さんの著者ではスポーツアナリストという的に絞った回答をしていなかったので一般社団法人日本スポーツアナリスト協会のホームページを覗いたところなかなか分かりやすい答えがありました。

一般社団法人日本スポーツアナリスト協会はスポーツアナリストを次のように評していました。

「選手及びチームを目標達成に導くために、情報戦略面で高いレベルでの専門性を持ってサポートするスペシャリスト」

また、一般社団法人日本スポーツアナリスト協会の代表理事であり、バレーボールアナリストである渡辺啓太さんはスポーツアナリストを

「目標達成のため、チームや選手が情報面で困ることがないようサポートする」
存在であると話しています。


ここまでこればアナリストがどのような存在であるか皆さんも理解できたと思います。


・スポーツアナリストの4つの役割

では具体的にスポーツアナリストにはどのような業種があるのか見てみましょう。

スポーツ分析ソフトの開発会社として名高いHudlさんの記事から少々引用していますが、スポーツアナリストと呼ばれる存在には4つの領域があるとされています。

1つ目が『データアーキテクト』。選手のパフォーマンスやメディカルのデータを取得し、一箇所に集めるのが重要な役割になります。

2つ目が『テクニカルアナリスト』。データアーキテクトが用意したデータを、チームやコーチに伝える、通訳のようなポジションですね。現場とデータを繋いで、その可視化をメインに担当します。サッカー協会やクラブでもよくあるのが、データアーキテクトがいない場合にその仕事がテクニカルアナリストに振られてしまうことです。優秀なデータアーキテクトを雇うことで、テクニカルアナリストの負担も軽減できるでしょう。

3つ目は既にあるデータの中から、自分達のモデルを作っていく『データサイエンティスト』。選手のパフォーマンスの評価指標などを、今あるものをよりインテリジェントに刷新していくことが大きな役割です。

最後に、『戦術アナリスト』という最もメジャーな役割です。コーチ経験がある方が多いかと思いますが、映像やデータから導き出したことを監督に伝えるのが主な仕事です。

サッカー界の最新分析トレンドとは?チーム強化に欠かせないデータ活用
【Hudl セミナーイベントレポート】:Hudl Japan

と、このような感じです。

僕等が現在行なっているのは『データアーキテクト』『テクニカルアナリスト』『戦術アナリスト』の役割です。まぁ専攻がスポーツサイエンス(私自身はスポーツ科学部スポーツ科学科所属)や商学の人間しかいないのでプログラミングなどを必要とし客観的データを扱う『データサイエンティスト』の役割はなかなか難しいですね笑(ちなみにですが映像や個人的な評価を主観的データ、GPSや数値などの観察者によって変わらないデータを客観的データとしています。)

挑戦したいとは思っているのですが、なかなか時間と人材がおらず、、、
弊校には理学部があるのでそこでプログラミングを学びながらグラウンドで実践をするなどの人材が今後出てきたら面白いですね笑



今回は以上です!
久々に長文を書きましたがなかなか疲れますね笑
次回からは本格的に学生アナリスト、福岡大学テクニカル部の仕事を紹介していこうと思います。
何か質問があればTwitterのDMにてお答えします!

福岡大学サッカー部テクニカル部
眞崎惣介


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