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選書イベント参加記録&選書本について

4月1日、神田明神ホールで行われた「yuji’sbooks 読者感謝祭 ~あなたの魂を輝かせる一冊を選書します~ 」というイベントに参加してきた。
業界初の3社合同イベントであり、著者が参加者その人だけのために、世界中の本の中から一冊を選書するというおそらく世界初の試み。
そんな斬新なイベントのプラチナチケットを手に入れることができ、快晴で初夏のような陽気の中、道すがら満開の桜を眺めながら喜び勇んで都内へ出掛けた。

受付でチケットを見せて本人確認をし、紺色の袋を渡される。
ドキドキしながら袋を開封し、その中に入っていたのがこの一冊。

世界でいちばん古くて大切なスピリチュアルの教え エックハルト・トール著 あさりみちこ訳

実を言うと表紙を見た瞬間、イベント開催前にだいぶテンションが下がったというのが正直なところだった。
そして内容を咀嚼するのもだいぶ時間がかかってしまい、ほぼ1カ月かかっての後記となった。

 ☆

この本の感想を書くのは難しい。
なぜなら、「言葉にできないこと」を「言葉で説明しよう」としているからだ。

私は子供の頃から言葉が苦手だった。
感じている物事を言葉にすると何か違う気がする。
だから私は言葉で表現できない何かを絵や音楽で表現していたのだと思う。

大人になって多少語彙が増えた今でも、やはり言葉以外の表現の方が自分が感じていることを伝える手段として使いやすい。そんな感覚がある。

なのでスピリチュアルなことに関することも言葉で説明されるほどこんがらがってくるので、あえてそういうものには触れないでいた。

そんな最中にこの本が私の元にやってきたのだ。

当然、困惑した。
正直この手の話はもうお腹いっぱいだった。

この本に書かれているような話は過去に読んだ本の中で散々語られていて、なんとなくわかってはいた。

とはいえ私はそういった哲学的なことに向き合っているよりもっと現実的な問題に対処したいと思っていて、
このような話に関心を持つのはある意味現実社会において余裕がある人がやればいいことだと思っていたので、右から左へと聞き流していたのだ。

それなのに、ここに向き合えとばかりにこの本がやってきた。
もう、お手上げである。

恥ずかしながら、私は元々あまり本を読まない。
好きな本は何度も読むが、本屋に行くと疲れるのであまり行かず、新刊本を電車内の広告で知るくらいだ。
おまけに翻訳本は独特の言い回しが苦手で常に眠くなるのであまり好まない。
正直抵抗だらけの中でこの本を読み始めた。
yujiさんが私に必要だと選んでくれた本でなければ、一生手に取ることのなかったであろうこの本を。

 ☆

読み始めると特別目新しいこともなく、すでに知っていることでやや退屈していた。
起きることをただ観察している感覚はだいぶ前から持っていたから。

自分は寸分の狂いもない大いなる宇宙の調べの一部であり、自分に選択権はないのであれば何かを考えても無意味だと、とても冷めた目で自分や世の中を見ていた。(とはいえ楽しいことは普通に面白がって生きているけれど。)

身体的な苦痛や受容しがたい人を自分がどうにかできるわけではない。
物事はただ起きているだけで、幸不幸を意味付けしているのは自分である、ということも知識としては知っている。

けれども、明らかに「不幸」と思えることが立て続けに起きても、その災難の下にもっと大きな「善」が隠されていると、その渦中に居ながら思える心の強い人がどれだけいるだろうか。

感謝の気持ちなどひとかけらも湧かないのに、気持ちを捻じ曲げて感謝などできるだろうか。

そういう葛藤を持ったものにしかわからない心のマグマを治めるのに「赦すこと」「手放すこと」と言われるのは単なるきれいごとにしか聞こえない。
相変わらず、私には抵抗しかなかった。
それはその物事が終わってからしか、たどり着けない境地であると。

だからこそ、人生を放っておく。
出来ることはそれしかないのかもしれない。

奇しくも、冥王星山羊座期間の15年で15年前とは大きく変容させられた私。
そこに私の意志が働いたとは到底思えない、大きな力に動かされたと身を持って実感している。

私たちは大いなる力に動かされて生きているだけで、そこには何の意味もない。
でもそれではつまらない。
せっかくだから起きる出来事に意味付けをして地球という遊園地でハラハラドキドキしてみようか。
ただ、それだけのことなのだろう。

「受け入れられない」ということを受け入れ、「手放せない」ということを手放し、慢性的な身体的苦痛には「抵抗しない」。
ただ起きることを観察し、生きていく。

本当にそれができるようになったとき、何かが変わるのかもしれないが、今はまだその旅の途中にいるからこの本が道しるべとして私のところにやってきたのだろう。

大きな課題がやってきて、ただ茫然としている。
おそらくyujiさんにとっては「しめしめ・・・」という感覚なのだろうけれど。

けれどもそれも大いなる流れの中で、いつか完璧なタイミングですべてがわかる。
今はただ、その時を待とう。

ひとつ言えるのは、私にはもう苦しみは必要ない。
それだけは、心から感じている。
様々な経験をして、少しは人の気持ちがわかる人間になれただろうから。



本書を必要としている人はどんな人だろうか、考えてみた。
現実社会に疲れ切ってしまった人への一つのヒントになるだろうか。
宇宙視点で見れば、あらゆることがほんの些細なことである。
それを少しでも本書から感じ取れたらいいのかもしれない。

 ☆

最後になったが、半ば放心状態で始まったイベントは、とても素晴らしいものだった。
画面越しではないyujiさんの生のトークはいつも通り軽快で楽しく、ダウナーな気分も吹き飛んでお話に引き込まれた。
そして、会場全体は温かな空気に包まれていてなんとも居心地の良い空間だった。
トークの内容もサイン会もyujiさんのgiveの精神に溢れていて、たくさんのギフトを頂き、私も何か人に与えられるものがあるだろうか、そんなことをしみじみ考えた一日だったのだが、それこそがホロスコープに書いてあるよ、ということなんだよね、というオチなのでした。


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