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【対策を考える】できない部下VS職場内カサンドラ

皆さんは「カサンドラ症候群」という言葉を聞いたことがありますか?

「カサンドラ症候群」とは、発達障害当事者と一緒に暮らす家族が経験する心身の疲弊のことを指します。
疾患ではなく、症状を表す言葉として捉えていただければと思います。

パートナーや子供がいきなり癇癪を起す、会話が成り立たずもどかしく感じる、直してほしいところがなかなか直らない。
こうした「すれ違い」が毎日が続くと、少しずつ神経がすり減り、ストレス過多になってしまうのです。

実はこの「カサンドラ」、家族だけではなく、職場内の関係性で起こることも。

発達障害当事者やグレーゾーン、境界知能の方などが仮に職場にいる場合、
なかなか指導通りに仕事を進めることができない部下に精神的に疲労してしまうことは、少なくありません。

しだいに、「私の伝え方が悪いのかも」と、自分自身を追い詰めるようになることも。 

当事者自身も同じように苦しんでいることもあれば、一方で、本人が全く無自覚・無意識であることもあります。

後者の場合、指導側は

「あの人は多分グレーゾーンだけど、そんなこと言ったらパワハラになっちゃうかな。」

「発達障害っぽさに本人に気づいてもらうにはどうしたらいいの!?」
という風に、もがき苦しむこともあるでしょう。

ここで、大事なことを2つ。

まず、障害のあるなしに関わらず、給与に値する仕事ができていない場合は、きちんと本人に伝えなければいけないということ。

給与は仕事の対価です。障害がありそうだから目をつぶる、というのは上司のエゴでしかありません。
「仕事の在り方」に、上司としてきちんと向き合うことが大事です。

しかし「ここがダメだ!」と伝えるのみだと、部下のモチベーションを下げるだけです。

★周りにどのように迷惑が掛かっているか?

★また、解決することによって、双方にとってどんなメリットがあるのか?

★やりやすい方法があるかもしれないから、一緒に考えてみないか? 

これらを丁寧に伝えることによって、部下も自分自身と向き合いやすくなります。

それから2つ目。
「できない部下」=「ダメな人間」とすぐに位置づけないこと。
「仕事ができない」のではなく、「ここでの仕事ができないだけ」と考えてみましょう。

不得意を整理すると同時に、「何なら得意か」というところにも目を向けます。
自分の目線だけでなく、共に働く同僚からみて、その部下の評価を聞いてみてもいいでしょう。意外な長所が聞けるかもしれません。
もし長所を発揮できそうな職場があれば、前向きな移動の提案も選択肢になってきます。

「カサンドラ状態」は、マネジメントの工夫次第で改善される余地があります。
もし現在、同じような状況で苦しんでいる方が居れば、ぜひ実践してみてくださいね。

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