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週末集中型の運動では効果なし?【Doctor Tのスポーツ・エクササイズ医学】

こんにちは、Doctor Tです。もう2月も終盤ですね。暖かい日には外で走る人をよく見かけるようになりました。みなさんはいかがお過ごしでしょうか。

みなさんはweekend warriorsという言葉をご存知ですか?直訳すると「週末の戦士」ですが、週末や休日にだけ運動をするひとのことを言います。多くの人は平日に時間が取れず、weekend warriorsなのではないでしょうか?


まずは有酸素運動のことを復習しましょう。

週150分以上有酸素運動をしよう

世界で推奨されている運動量は中等度以上の有酸素運動で、週150分以上です。中等度というのは、息が切れて歌が歌えず、会話は可能レベルです。ちなみに会話も途切れ途切れになるのはvigorousといって高強度運動になります。こちらであれば推奨時間はやや短くなり週75分以上になります。

運動とカウントしたいなら息が上がるまで

じっとしているよりはゆっくりでも歩いた方が良いですが、いわゆる有酸素「運動」として体を変えていきたい場合は、負荷をかける必要があります。いきなり、「もうやりたくなるくらい」負荷をかける必要はありませんが、「ちょっとチャレンジしているな」「がんばって体を動かしたな」と思えるくらいのスピードで歩くのがよいです。

週150分は週末で一気に消化していいの?

週150分を歌が歌えないくらいのスピードで歩いたほうがいいことはわかりました。さて、この150分は1週間を通してまんべんなく運動したほうがいいのか、それとも時間のある週末にまとめても効果は同じなのか、気になりますね。

1997年から2013年の米国のthe US National Health Interview Surveyという調査に回答した350,978名のデータが使われています。とても大きなデータです。18歳から84歳までの平均年齢41.4歳という参加者を10.4年ほど追跡しています。

この参加者たちを①週150分以上運動していた②していないグループに分け、さらに①グループを、①‐A)週を通して運動した人と①‐B)休みに集中して運動した人に分け、グループごとに調査期間中の死亡率を調べています。

頻度に関わらず運動を150分以上すると死亡率は低い

週1−2回の頻度(weekend warriors)であれ、週3回以上の頻度であれ、合計150分以上運動している人のほうが、150分未満の人より亡くなった割合が低いという結果でした。1週間の合計運動時間がカギのようです。

weekend warriorsと週3回以上運動する人では死亡率に大差なし

運動の合計時間や強度が同様であれば、weekend warriorsでも週3回以上運動をする人でも、死亡率に大きな違いはありませんでした。

Weekend warriorsでもよさそう!

一つの研究では「〇〇をしたほうがよい」などと結論を出すことはできませんが、これまでにも出された研究も合わせて考えると、weekend warriorsが週3回以上の運動に大きく劣るわけではなさそうです。つまり、週末集中型でも効果があると考えられます!

大切なのは合計時間と強度

運動の合計時間は効果と相関があることは以前から知られています。
強度は強いと効果が上がるのですが、ずっと全速力で走ったほうがよいということではなく、ところどころで早く走るパートを入れるのがよいということです。ずっと全速力で走るとしんどいので運動時間が短くなってしまいますね。

まとめ

  • 有酸素運動は中等度で週150分以上を!

  • 体を変えたいなら息が上がるまで負荷をかける

  • 頻度はそれほど大きな問題ではなさそう

  • 運動の合計時間と強めの運動を入れることが大切

運動と聞くと、そもそも運動が好きではない人はそれだけで嫌になってしまうかもしれませんが、日常生活の中で、私達は体を動かしているので、そのスピードを上げれば「運動」と似た効果が得られます!

いつも電車に乗るのがギリギリで駅の階段を走っている人は無意識のうちにVigorousレベルの運動をしているということになりますね!電車通勤の方はおそらく1日に30分くらいは歩いているので、平日だけで150分になります。

体は進化するので、同じ運動を続けていると、最初は辛かった動きも楽にできるようになります。ちょっとずつ体を動かして疲れ知らずの元気な体を手に入れましょう!

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