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「メトロポリス」資本主義が向かう行方

SF映画の原点にして頂点

SF映画の原点にして頂点と言われている「メトロポリス」を見ました。とても1927年に出来た映画とは思えず、SF映画の原点にして頂点はとても誇張している表現ではないと思いました。この作品のメインテーマとして考えられてのは、資本主義が向かう未来とその未来を食い止めるための手立てまでが描かれていると思います。それについて少しだけ。
(ちなみに私が見たのは150分版です)

作品概要

公開年:1927年
監督:フリッツ・ラング
出演:ブリギッテ・ヘルム、アルフレート・アーベル、グスタフ・フレーリッヒ、ルドルフ・クライン=ロッゲ
ストーリー(一部wikipediaより抜粋):2026年、ゴシック調の摩天楼がそびえ立ちメトロポリスと呼ばれる未来都市では、高度な文明によって平和と繁栄がもたらされているように見えたが、その実態は摩天楼の上層階に住む限られた知識指導者階級と、地下で過酷な労働に耐える労働者階級に二極分化した徹底的な階級社会だった。ある日、支配的権力者の息子・フレーダーは労働者階級の娘マリアと出逢い、初めて抑圧された地下社会の実態を知る。マリアが階級社会の矛盾を説き、「脳」(知識指導者階級)と「手」(労働者階級)の調停者「心」の出現を予言すると、労働者達にストライキの気運が生じる。マリアはフレーダーがまさに調停者になる存在であると見抜き、フレーダーもまた美しいマリアに心を奪われる。この様子をこっそり見ていたフレーダーの父であり支配的権力者のフレーダーセンは危機感を抱き、旧知の学者のロトワングに命令してマリアを誘拐させ、マリアに似せたアンドロイドを作り出させる。

資本主義への警鐘

この作品、知識指導者階級と労働者階級の争いに発展していく様子が描かれている。知識指導者階級(資本家)たちは自分たちの優雅な生活のために労働者階級に過酷でかつ劣悪なと労働を強いる。結果、ストライキが起こり世界は崩壊へと近づいていくのだ。このまま、労働者から搾取していく社会の未来を描きたかったんだと思う。
本作の監督フリッツ・ラングは米国ニューヨークの摩天楼を見て本作のインスピレーションを受けたという。当時、資本主義を信じてやまない米国に対しての警鐘をならす意味で製作されたのかもしれない。

資本主義に必要なこと

本作ところどころに出てくる言葉「脳と手の媒介者は、心でなくてはならない」がある。これが資本主義に必要なもの、フリッツ・ラングが出している答えだ。見ればわかるが、脳は資本家、手は労働者を示している。では「心」とは何を示しているのか。べたな発言だが「思いやり」「歩み寄り」ではないだろうか。相手を思いやり、理解しようと歩み寄ることで解決に近づいていくのではないだろうか。

まとめ感想

ほんとに90年以上前の映画とは思えない。この作品が後のSF映画全てに対して影響を与えているといっても過言ではないと思う。「愛」「社会派」「未来」などSF映画に必要な要素がたっぷり詰まった作品で、斬新な映像や世界観があり、今見ても見劣りしない作品であると思う。これ見ないでSF映画を語れないとも思いますので是非見てみてください。

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