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育児休業給付金制度に育児費用補助制度を追加してはどうか

 単なる思い付きなので、賛否両面からの意見を頂けるとうれしいです。特に否定的意見があると対応策を考えられます。

提案するに至った経緯

先日自分の下記のような記事の最後に、
「一律で制度を導入したからやりがいが生まれてくるわけでは無い」
ということを書きました。

 一方で、この数年で育児休業制度が非常に使いやすくなって、出産育児で休みがとりやすくなってきたように感じます。さらに下記の男性の育児休業取得割合も年々増加しており、子育てしやすい環境づくりが進んでいるように感じます。

令和5年度厚生労働白書より 育児休業取得率の推移

 感じることと実態では、女性の育休取得率が上がってないのは、不思議なのですが、出産者男性は低いながらも着実に増加しています。

 育児に取り組みながら育児休業給付金で生活を賄い、男女共同で育児休業を交代で取ることで、スキルの喪失を防ぐというプランで現状の制度は進んでいると思われます。

スキル喪失のリスクは誰が取る

 育児休業給付金の制度は、現状で過去6か月分の平均の67%(育休取得後180日)受給できる制度です。現国会で80%までの引き上げが検討されています。所得税が除外になり社会保険料は免除されるので、ほぼ手取り額は減らない計算になります。
 通常では1歳になるまで、保育施設が見つからない場合は、2歳まで延長できます。

 引上げの制度がどうなるかは、今のところ未定ですが、抜け落ちている視点として、
①長期の休業による業務スキルの喪失や待遇の劣化
②育児休業給付金の上限規制
の課題があります。

 ①を説明します
育児休業取得者は最大で2年の育児休業を行う可能性があり、しかもその対象者は20代から30代が大部分です。多産の場合は、人数×2年の育児休業を取得する可能性があります。
 しかし生涯未婚率は、男性で26%、女性で18%であり、子の無い夫婦の割合も12.6%となっています。
計算すると、
男性の場合(100%-26%)×(100%-12.6%)=64.7%
女性の場合(100%-18%)×(100%-12.6%)=71.7%
が、夫婦の出産に関係したことになり、反対に見れば、
男性 35.3% 女性 28.3% は育児休業と無縁に活動していることになります。

 成長することに対してを競争しなければならない企業において、育児休業取得者と未取得者との「業務で培う能力」を公平に判断できるかの問題があります。それを克服できる非常に優秀な人材であれば、何も問題は無いのですし、それを容認する企業風土があればいいでしょうが、企業内の制度では管理職経験年数や管理職時代の実績等も昇進に影響する場合は非常多いです。

 法令上で差別的待遇を禁止していたとしても、実績が不足することに対する待遇の差については禁止されていないため、現実的には差が発生する可能性は高く、特に多産においてはその傾向は出てくる可能性が高いと思われます。

次に②についてです。
 育児休業給付金の上限は、現在月31万143円となっています。それを超える方は少ないかもしれませんが、高い報酬をもらっている場合に、育児休業を取得することで大幅に年収が下がる可能性があります。

 年収の増減を経験した人であれば理解できると思いますが、年収に応じてライフスタイルは変わるもので、覚悟して下がった場合には、それなりの対応も可能ですが、窮屈さを感じる変化が、高所得な女性の育児休業の取得や高所得者における男性育休の取得を阻害する要因になり得ます。

 高所得だから多少のことは我慢しろという声もあるかもしれませんが、それによって出産に対する抑止効果が働く可能性も考えられ、少子化対策としても懸念する部分があります。

これらの前提に対する提案

 こうした各個人の懸念によって、育児休業取得を敬遠する人が一定数いることは否定できないものと考えられます。また、これらとは別に、
「子育ても頑張りたいが、仕事もどうしても頑張りたい」
という人もいる現実があることも事実でしょう。

 そうしたことを踏まえて考えたのは、
「夫婦共に(ひとり親の場合はその親)が育児休業を停止または終了した場合に、出産後から2年間については、認可保育園・未認可保育園・承認を受けたベビーシッター(以下保育所等とする)に対する保育料・延長保育料について、育児休業給付金の額を上限としてその保育所等に対して直接給付し、その限度で無償利用ができる」
という制度を考えました。

 財源は全て取得するべきであった育児休業給付金(つまり雇用保険料)であり、現状で育児休業取得を推進していることを考えれば、財源として不足しているはずがありません。多分。

 また、直接委託者に給付するため、本人が自由に使えるものではないことから、育児休業の取得を希望する人の阻害にはなりません。未認可やシッターまで拡張することで、保育施設が不足する場所へも対応が可能となると思われます。


と、こんなことを思いついたので、社労士会連合会には提案してみました。最初に書いてますが、単なる思い付きなので、ダメな部分があれば、変えてみてもいいし、致命的欠陥があれば、やらなくてもいいかな。

 ご意見をお待ちしております。

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