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記事一覧

どんな花もやがては散って

学校も楽しいとは言い難いうえに、家庭は不和が続く。そして高2になると転校生がやってきた。彼女もアイドル好きだという事で、一瞬明るい兆しもあったのだが、色々あり、うまく関係を築けなかった。そんな反省点も多い惨憺たる高校生活も終わりが見えてきた。高2の最終面談で、担任から薦められた学校が思いの外良いレベルで、良いフィナーレが迎えられそうだと思っていた。ところが自分の成績を随分良いように履き違えていたら

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君が憂う日も空はblue

いよいよまりなの中学生活は、終わりが見えてきた。結局あまり馴染めてはいない。高校受験も頭を過ったものの、なんとか欠席日数を進学に障らない程度に抑えて無事に内部進学した。成績も公立にいた中1は酷かったが、転校してからは何とか進学できる程度の評定は維持していた。秋口に「高校生活に期待すること」という作文を書いて、冬に面接があった。ここでも確か、もっと積極的にみんなと仲良く、みたいなことを書いた。ひとま

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いつでも願いは届かない3

★続き★

そうこうしていると、いよいよ夏休みだ。 
各教科、分厚いテキストがあって長期休みの度にそれを進めるのは私立の中高ならではのやり方だ。去年の公立には、こんな分厚いテキストはなかった。それをこなしながら、また近所のアキと集う。
「KAT-TUNの新曲がかっこいいの!
聞いたほうが良い。Don't you ever stop!
特に聖がカッコいい!」
「ん、わかった。聖は好みじゃないけどね。

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いつでも願いは届かない2

★前回からの続き★

まりなは、母の言い出したMyojoというワードを手がかりに本屋に走る。そういえば、中1は同じクラスだった親友のアキの部屋での仁亀がどうとかいう雑誌をみたっけ、などと思いだしているとMyojoやWink upがあった。

まりなは、初めて世の中にアイドルが載る雑誌が複数種類ある事を知る。手にとってみると自分とそう年の変わらぬ男の子たちが微笑んでいる。
ジャニーズってこんなに居る

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いつでも願いは届かない1

★前回続き!今回はSIDE Bです!★ 
この頃のまりなは、中高一貫の女子校に通っていた。中学受験はせず途中からの転入だ。きっかけは公立の中学で、人間関係的にも成績的にも躓いたことだ。成績も悪く、学校で人間関係をまともに築けぬ娘の将来を憂いた両親の、中高一貫で自分のペースで大学受験を見据え、勉強するのはどうだ?という勧めに深く考えずに乗っかったのだ。5:30に起こされ、7:00前の電車に乗る生活に

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何故かしらあなたが

★今回は突発でいつもと違うネタのエッセイ★

まりなが幼稚園生で、まだ弟のユイトも生まれていない頃、家族でのドライブは決まってサザンが流れていた。行き先が母の実家の茅ヶ崎だったからだろうか。
「ママ、じーじのお家、いつ着くの?」
「いま平塚だからもう少し!」
そんな会話のBGMはいつも『チャコの海岸物語』や『いなせなロコモーション』であった。
そんな環境で育ち、まりなは筋金入りのサザンファンになっ

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