Sports Biomechanics Geek #9 〜多関節運動の代表値#3 力の作用線〜
前章で述べた剛体の運動における「瞬間回転軸」とは,並進と回転を含む剛体の運動を,一つの回転で運動を置き換えた運動学における代表値である.これに対して静力学で「対」となる概念が,剛体に作用する「力の作用線」である.これは剛体に作用するトルクを,剛体に作用する総和の力で記述する力のモーメントで置き換えた際の,その力の作用線である.例えば野球の投球のボールのリリース直前では,指先に分布した力が作用するが,それを一つの代表点に総和の力が作用ししていると考え,その位置を正確に同定できれ