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【2023年】11月12月に読んだ本


 『旅がなければ死んでいた』坂田 ミギー

失恋と過労で吐血した著者が日本を脱出して、とにかくよく裸になる世界一周ひとり旅のエッセイ。
元は人気ブログ「世界を旅するラブレター」をもとに加筆や書き下ろしを加えて本にしたらしく1章ずつでも区切りよく楽しく読める。想像をはるかに超えるという奇想天外フェスティバル「アフリカバーン」に参加してみたい。

『Neverland Diner 二度と行けない台湾のあの店で』

Neverland Diner 二度と行けないあの店で』(都築響一編)のスピンオフ企画のZINE「地元のネバダイ」シリーズの台湾編。文学フリマでこのスピンオフの存在を知ったが、福岡、金沢、松本…といろいろ出ている模様。
自分の好きな土地や思い出深い場所のものがあったらきっと読みたいと思う。おもしろい企画。

『ロンボク島通信』篠原 幸宏

インドネシア中部にあるロンボク島を舞台にした紀行小説。(旅行記の体をした事実とフィクションの混ざった創作小説とのこと)
長期滞在の旅の中にだけある、あのゆるやかで“なんでもない”時間とそこで起こる白昼夢のような出来事や連想ゲームのように繋がる過去の思い出。ロンボク島には行ったことはないが、旅の中のこういう“なんでもない”時間は好きだったなと思い出した。

『ホテル・アルカディア』石川 宗生

部屋から出てこなくなった支配人の娘を元気づけるためにホテルに滞在する7人の芸術家が創作した21の物語。
どの話も謎は謎のまま進むぶっ飛んだSFなのでなかなか体力のいる読書時間だった。ある日突然自分の身体に謎の極小動物たちが生息し始める「代理戦争」、タイプピングされた文学作品を仮想空間で体験できるサービスから抜け出せなくなる「タイピスト〈I〉」、本から脱け出した挿絵が部屋に居座り続ける「本の挿絵」が好み。

『ぐるりのこと』梨木 香歩

梨木さんのぐるりのこと=周りにある身近なことから思考を辿っていくエッセイ。
本書の中に出てくる「静けさに満ちていて、それでいて開かれている。」という様は自身が求める理想の姿だった。年末の慌ただしい中で読んでしまったのでもう少し時間をおいてから落ち着いて読み返したい本。

『STONER』ジョン・ウィリアムズ

貧しい農家に生まれた男が文学と出会い、農家は継がずに大学の助教授になって亡くなるまでの人生の物語。主人公ストーナーの一生は嬉しいこともその倍くらい起こる辛いことも「まぁでもそうこともあるよね」と思うような“なんてことない”の内容だが、振り返るとその一瞬一瞬が鮮明に思い起こされて美しさに沁み入る一冊。訳は東江一紀さん。

『おやすみ短歌』枡野 浩一/pha/佐藤 文香

歌人・作家・俳人がコラボし、安眠がテーマの短歌を百首集めて紹介している現代版「百人一首」。見開きに一首で左に短歌、右には推薦人の解説のような短めの文章が入っているのでおやすみ前に好きなところまで読める仕様になっている。初めて出会う歌人の作品も沢山あり、次はこの中から好みの人の歌集を買ってみようかと思った。

その他

研修づくりのために読了。
話す技術・聞く技術 』ダグラス・ストーン
頭のいい人がしている聞く・話す・質問する技術』松長 隆
思考の質を高める 構造を読み解く力』河村 有希絵
ロジカル・アウトプット練習帳』グロービズ
「聞く力」こそが最強の武器である』國竹 大紀
瞬時に「言語化」できる人が、うまくいく。』荒木 俊哉
5日間で言葉が「思いつかない」「まとまらない」「伝わらない」がなくなる本』ひきた よしあき
思いつきって、どうしたら「自分の考え」になるの』深沢 真太郎 
頭のいい人が話す前に考えていること』安達 裕哉
聞く技術 聞いてもらう技術』東畑 開人


以上、11月12月に読んだ本たちでした。

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