バーナンキ再び

昨日も日米の株価が大幅に下落した。トランプ大統領が金曜日に5兆円の財政支出を表明したにもかかわらずである。

先週は識者といわれる方々とメールで経済についてやりとりをしていた。そこでは、米国株の下落はコロナウイルスはきっきけではあるが、原因そのものではない、という自分の判断を伝えた。

このやりとりの後、トランプさんの一言で爆上げとなった。メールの直後だったので、慌ててサマーズ氏の発言を拾って、自分の考えを補強したのである。

ラリー・サマーズ、米国経済は「日本化」に直面

https://www.bloomberg.com/news/articles/2020-03-12/summers-says-u-s-economy-now-confronts-japanification

個人的には絶対また下げるだろうなと思っていたら、一日しか持たなかった。悪い予測が当たっているのは、あまり自慢したくない。

サマーズ氏の見通しは、現在の景気変動の真因はリーマンショックの弊害から米国社会はまだ立ち直っていない、というものである。私の考えもそれに一致する。世界第三位のGDPの日本もユーロ域内各国ももっとショックを引きずったままであることは間違いない

そして彼は「この経済に対する財政刺激策を今から6ヶ月待つ余裕はない」「より大胆で実験的なアプローチが必要。より積極的な財政政策が必要」と述べている。

直ちに、大きな財政を!

と唱えているのだ。うかつだったが、景気指標の一つバルチック海運指数も昨年の秋からずっと下がり続けている。景気大減速のシグナルはずっと以前から出ていたのだ。

メールには「世界各国首脳が集まって巨額の財政出動をお互いに申し合わせたらどうか。特に一番コロナウイルスが蔓延しているイタリアのような国は、イタリアが赤字国債を発行し、ECBが国債買切りオペでそれを支えるべきだが、ドイツとユーロ議会が承認しなくては進まない」そのことに触れたのである。

夕べG7のTV会合が行われた。ものすごいスピードで世界が変化している。

それは世界の首脳は困っているからだ。コロナウイルスと株価の下落の両方でで困っている。

処方箋は「巨大な財政出動」でコロナ対策を行うことである。そうバーナンキがリーマンショックで行った対策は当時のGDPで10%を政府の預金口座に書き込むことだった。これがヘリコプター・マネーである

日本政府が財政出動の話をしているが、重要なのは赤字国債発行額である。5兆円ではだめだ。現在のわたしの予測は50兆円だが、その額は決定できない。それでも少なすぎるかもしれないからだ。それは米国の対応次第である

いま、サマーズのいう大胆なアプローチとは、どれくらいの規模だろう

バーナンキは1.5兆ドルをブースト(中央銀行から政府口座に送金)した。日本円で150兆円、当時の米国GDPの一割にあたる金額である。

そんな巨額を腹をくくれる総理はいるだろうか?

安倍総理は麻生というおバカな財務大臣を首にして、誰かに変える英断が取れるだろうか。それが無理なら、内閣総辞職しかないだろう。

サマーズ氏は6か月と時間を語っているが、日本にそんな時間は残されていない









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