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OLの服装について語りたい「こんなの私じゃない」を受け入れる

徒然は今年、転職をしました。
人生の一大イベントだと思っていたけれど、この時代は転職も当たり前の時代になってきているので周囲の反応は「へえ、そうなんだ。おつかれ」くらいでした。ただし自分にとっては慣れ親しんだ風景を捨て、新しい環境に飛び込むというのは楽しくもありストレスフルな状況でもありました。10代で上京してきた友人たちは凄いな……。新職場では必要以上に緊張しすぎて、三日目に迷走神経反射で倒れるなどしました。そんな情けない私でしたが、あたたかい職場の方々に受け入れられ、何とか適応してきた今日この頃です。

1番苦労したのが服装、オフィスカジュアルです。
前職は情報系のラフな業界にいたため、服装に関してとやかく言われることはありませんでした。ジーンズでの通勤も許されているくらい周囲もカジュアルだったので、私は調子に乗って推しのライブTシャツを着ることもありました。(今思えばそれが許されるくらいゆるすぎた職場でしたね……)

そんな職場から転職してきた私にとって、オフィスカジュアルの原則に馴染むには時間がかかりました。ストッキング着用必須に泣きました。

ストッキング、本当に嫌いです。肌に密着し肌呼吸(?)が奪われるあの感覚が不快で仕方ない。それに女性の必需品と言う割には、高い! 単価が高すぎる! 国家の陰謀なのではないか?と思っています。かといって激安なのを買うと不快感が高まるし……。同じことを生理用品にも感じています。お願い、物価を何とかしてください!

そんなアンチ・ストッキングで生きてきた私。ストッキングに合う服なんて持ってねえよなので、とりあえずユニクロに駆け込んでブラウスとスカートを買いました。さすがユニクロ、オフィスでも着れる服が揃っています。

感動しているのもつかの間。翌日、先輩とスカートが被りました。すぐにわかりました。色違いなのが幸いでしたが、私が駆け込み寺としてユニクロに飛び込んだように、皆のユニクロ・天下のユニクロ。被るのは当然ですよね。

新しい職場の独特の緊張感に耐えかねて逃げ込んだトイレの鏡に、急遽こしらえたOLファッションに身を包んだインスタント・パブリックな私が映ります。

「ああ、浮いてるな……」

当然です。今まで無地のコットンTシャツ・ジーパン・スニーカーで通勤してきた人間なのです。そんな女がいきなりポリエステルのシフォントップス・マーメイドスカート・パンプスを着ても、本人ですら違和感を覚えます。

しかし、それは言い訳だったように思います。当然として服は何一つ悪くありません。私にOLとして旅立つ勇気を与えてくれているのです。むしろ感謝しなければならない。違和感を生みだしているのは、鏡に映る自分を「こんなの私じゃない」と心の中で否定している私自身です。

「ちゃんと(新しい職場に)馴染めているだろうか?」
転職して数か月はずっとこの妙な緊張に苦しんできました。他者の目が気になって仕方がなかった。けれど、実際他者の目に見えていたものは、実はもう一人の自分のまなざしでした。

「服、似合ってない。何より、好みじゃない」
「私が着ると凄くダサいなあ」
「こんな私、私じゃない」

自分の中で新しく生まれ変わった自分を受け入れることが出来ないから、何時まで経っても緊張感に苦しめられながら通勤しているのだと或る時気づきました。

そんな時、思い出したのです。
これはインスタント・パブリックな私の姿、仮の私にすぎないのだと。
ストッキングに然り、どうしても「着させられている」感が抜けなかった私は、似合わない服を着させられている自分として楽しむことにしたのです。
つまり、平日オフィスカジュアルを纏っている私は「OLのコスプレイヤー」なのです!

全然自分の好みではなかった服も、OLのコスプレだと考えると楽しく着られるようになりました。

例えばこちら、「トッコクローゼット」さん。

シフォンふわふわ、優しくて女の子らしい色合い、程よい肌見せ、美しいシルエットのスカート。
何だか気恥ずかしくて私服ではほとんど着たことのないテイストでした。

けれど「保険会社の内勤女子が着てそうだな。9-17時勤務で、アフター5はジムに行ったり、丸の内で彼とディナーだったりして……」と想像を膨らませ、「保険会社の内勤OL」という設定を演じることによって楽しく着られるようになりました。(偏見もすごいですが、実際丸の内に行ってみると……)

ある時はOLの味方、「グローバルワーク」さん。

これまで「おしゃれ」は
なにかを我慢して、
するものだと思ってた。
そうじゃない。
おしゃれだけじゃなくって、
着心地も、妥協しない。
その先の新しい自分に出会える。
そんな服が、きっとある。

GLOBAL WORK「まちがいない服」https://www.globalwork.jp/women/machigainai-fuku/

わ、わかってらっしゃる~!!!(泣)
グローバルワークを着るようになったのは、このようなブランドメッセージに惹かれたのもそうですし、何より本田翼さんが可愛いからです。笑

特に愛用しているのは「ナイルグリーン」のパンツです。

新人のくせに中々挑戦的な色を着ているな…と自分でも思います。
シルエットも綺麗で、清楚な印象を与えるけれど、青でもグリーンでもないニュアンスカラーがとても好きで愛用しています。

自分の私服の好みに近いので、素の自分らしくいられる服というのもあります。けれど私は本田翼にはなれない。本田翼みたいにうまく着こなせない……。そこで、「本田翼に憧れる、清楚で上品なハンサムOLを目指す女子」という設定にして、色んなカラーバリエーションの服にチャレンジしています。失敗しても「憧れている」最中だから許容できますよね!

恐らく私には具体的に「こういうふうになりたい」「こんな服が着たい」というイメージが乏しいのだと思います。職種選びもそうでした。具体的にやりたい仕事が思い浮かばず、「やりたくない仕事」を排除して「やってもいいかな」と思えるものに決めました。

服もそうです。オフィスカジュアルを着ろ!じゃあオフィスカジュアルって何だよ⁉と返したくなるけれど、「とりあえず」「OLっぽい服」を着てみています。嫌々着ているわけではなく、色んなテイストを纏うことで新しい自分の発見、いわば毎日が実験なのです!

「こんな私もありだな」と思えたら、きっとオフィスファッションも「制服」ではなく、もっと毎日に彩りを与える小さな楽しみに変わっていくのだと思います。

*トップ画像は出雲千代さま(@chiyoizmo)のイラストを拝借しました。素敵なイラストをありがとうございます!


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