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【前編】これからのゲームPMが選んでいくべき道を考える|PM座談会 対談 vol.6

皆様こんにちは、プロジェクトマネージャー(PM)の久我です。
今年の4月から始まったPM座談会note。半年間執筆させていただき、一旦区切りをつけようということで、締めくくりとして内川と久我のPM対談をお送りします。
違う現場で働きながら、同じSTANDという会社に属し、同じPMという職業で働く2人。
改めてゲーム業界におけるPMという職業について、STANDについて語り合いました。


PMを取り巻く現在のゲーム業界

久我:内川さんは最近新しい参画先に行ったと聞きましたが、移動したきっかけはどんなでした?

内川:プロジェクトの方針転換があって、というのが大きいです。

久我:それを機に新しいところにいこう!となったんですね。私も以前PMとして関わっていたプロジェクトは完全サ終(※)の影響で契約終了になりました。

※サ集=サービス終了の略。ソーシャルゲームの運営が終了し、ゲームが遊べなくなること。

内川:運営終了まで見てたんですか?

久我:いえ、終了が決まってからちょっとして先方から何月まででって話があった感じです。ありがたいことに登用の話もありましたが、自分の中で色々と考えた結果、提案にはのらず違う道を選ばせていただきました。

内川:久我さんも中々ハードなご経歴ですよね(笑)

久我:明るい話だけ絞り出せって言ったら勿論ありますよ?(笑) まぁまぁさておき…前のとこの現場は振り返ってみるとどうでした?

内川:PM陣がすごく優秀でした。技術が高い人、コミュ力に秀でている人とか…優秀とひとえに言っても、秀で方が多種多様で、ロールモデルになる方がいたのが大きかったですね。技術は本を読めば補えますが、行動はやはり直接見ないと学びづらいので。

久我:PMとして成長するなら、先輩PMがいて、この人の仕事盗もう!ってなるのがいいですもんね。特に私たちが一緒に仕事をすることになるプロパー(※)PMは、メンバーと長く付き合ってるだけあって、どうすればいいかをわかってるので学べる部分が多いですね。

※プロパー=主にその会社に正社員として属している方を指す。開発現場には派遣契約や業務委託契約(フリーランス等)している方もいるので、区別する際に使われる。

内川:そうですね~…。やはり中に入るだけで同じ釜の飯を食ってる感があるので、PMというポジションにおいては内部にいることそのものの強みを顕著に感じますね。

久我:そうやって優秀な人と出会える機会に恵まれるのは、今の働き方だからこそなので、ありがたいことだと思いつつ……一方で「この仕事は内部の人じゃないといけないな」というプロパーPMとの壁を感じる時はありますよね。もちろん、我々はその利点より、違う利点を選択してこの働き方をしているので、選択した結果感じている部分…ということにはなってきますが。

内川:特にお金や人事周りの仕事は来にくいですからね。裏でやってる意思決定の話が、プロパーPMと比べると届きにくいな…とは僕も思います。

久我:そう感じてしまうのはどこでも同じですね。

プロパーPMでないと成長できないのか?信頼してもらえるためには

久我:それを踏まえて…内川さんは長年担当されていたプロジェクトを終えてみて、この先もこの働き方を続けるのか、それとも「どこかに所属したい」というような展望はできましたか?

内川:いい質問ですね(笑)僕個人としては、プロパーPMとしてどこかに所属する形も、スタクリ(※)のPMとして外部から参画するのも、結果としてどっちが優れているというのはそんなに無いなと思いました。この働き方の利点としてロールモデルに出会いやすい、プロジェクトを変えやすいというのがあるので。

お金や人事周りの仕事が来にくいという話をしましたが、良く言えば胃が痛い仕事からは離れやすい。「プロパーという下駄」が良く働く時もあれば、悪い時もあるなと感じています。久我さんはどうですか?

※スタクリ=スタンドクリエイターの略。株式会社STANDに所属しているクリエイターのことで、プロジェクトを選択して、参画先にアサインされて業務をこなす。

久我:同感です。私は現在の参画先でリーダー的ポジションに就いていて、それなりの権限はいただいているので「外注PMでもここまでやれる」ということは示せていると思っています。一方で「頑張ってここまでか」という壁も同じくらい感じていたりもしますが……。

というのも、私は「プロジェクトに入ったら、そのプロジェクトを最後までやりきる」という気持ちで入っているのですが、貢献しようとすればするほど≪外部の人には任せられない仕事≫というものに当たるタイミングも増えているなと、痛感しているからです。

そうなった時は「自分が正社員だったら一番早いのに!」という思考にはよくなっちゃいますね。能力で足枷を軽くすることはできますが、完全になくすことはできないので、そこで限界を感じます…。
もちろん、どの職種でも大なり小なりあると思いますが、PMという立場は意思決定や組織運営に携わることが多いので、より感じやすいのではと思っています。

内川:そういう壁も確かにありますよね。先ほどの外部PMの話に少し戻りますが、意思決定や組織運営に携わる業務には、それなりに長い業務時間が必要になると僕は思っています。

ただ、スタクリのような外部から入るスタッフは良くも悪くもワークライフバランスを取ることができる、つまり残業が多くない傾向があって、これも意思決定や組織運営といった仕事を負いにくくなる一因になるんじゃないか…という懸念もあります。もちろん現場によって差はありますけどね。

久我さんはスタクリ内でも勤務時間も多めな印象がありますし、そういう信念が参画先にも伝わって、難易度の高い仕事への信頼が寄せられやすくなっているのかもしれませんね。少し羨ましいです笑

後編では…

如何だったでしょうか?こういったプロパーPMとの差は普段色んな参画先に行っているからこそ感じられるものでもあります。

後編では、”ゲーム業界での教育制度”、”コンシューマーとソーシャルゲーム開発の壁”など、色んな現場を見てきた2人の観点で話していきますので、是非ご覧いただけると嬉しいです。

▼後編はこちらから


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