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四季、恋愛、歌のこと

12月ももう半ば。
来週辺りから、一気に寒くなるみたい。

大和言葉の本を見てみたら、冬の由来は「ひゆ」や「ふるう」から来ているのだとか。

他にも、
春は新しい芽が萌え出ることを指す「芽張り」から。
夏は「あつ」「熱」「る」などから。
秋は「飽き」「明らか」紅葉が赤くなるから…などなど、いろんな説があって面白かった。
冬の由来は、まさにという感じ。

車のなかで音楽を流すとき、四季ごとの歌を聴いたりする。
春の歌、夏の歌、秋の歌、冬の歌…

それぞれよく出るモチーフがあって、やっぱり恋愛の歌が多い。
私のなかのイメージは、


《春》桜/郷愁
いつかの記憶、面影、過去を想う

《夏》花火/刹那的な思い出
激しい感情を秘めた一瞬

《秋》風/幸福な時間
今が続いてほしいと願う恋

《冬》雪/届かない想い
儚さに秘められた想い、永遠を希う気持ち


こんな感じかなぁ。
(もちろん色んな歌があって、この限りではないけれど)
冬の歌に出てくるのは、圧倒的に雪だ。

冷たくて儚くて、その風景に自分の想いを重ね合わせる歌詞が多い。
(古典だと『和漢朗詠集』にも四季ごとの歌が載っていて、それを見るのも面白そう)


恋愛にちなんで、
最近、とても良かったのはこの歌集。



木下龍也さんと鈴木晴香さんの本。
最初は付きあいたての恋人同士の歌で、思わずニヤけてしまうような、そんな雰囲気だったのに。
読み進めるうちにどんどん不穏になって、まるで映画を観ているような、そんな気持ちにさせられた。

そして最後は、まさかのサスペンスなのだ。
読みはじめたときと、最後の歌を読んだときの印象が全然違って、とても面白かった。
まさか歌集でこんな体験ができるとは。


恋愛小説みたいな歌集で思いだすのは、穂村弘さんと東直子さんの『回転ドアは、順番に』




これも、歌集なのにとても物語的。


『荻窪メリーゴーランド』もその流れを汲んでいるけど、サスペンスになるとは思わなかった…
(あんまり書くとネタバレになるから、あまり書けないけれど)
すごく面白かったから、買おうか迷ってる…

木下龍也さんの歌集はどれもいいけれど、『あなたのための短歌集』が本当にとても好き。


そしてもうひとつ気になる歌集といえば、
東直子さんとくどうれいんさんの『水歌通信』
(これは書店で見かけて)



どちらも好きな歌人だから、手に取ってゆっくり眺めたい。



年末年始、小説を読む時間はなかなか取れないけど、歌集なら短い時間で読める。


だから自分のために新しい歌集を買うのも、
いいかも、なんて思ってる。




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