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気になるタイトル、おすすめの本

数日ぶりのお休みの午後。
ずっと気になっていた『アリアドネの声』を読みおわる。



何を書いてもネタバレになりそうなので、そんなに書けないのだけれど……
読んでいて思ったのは「これは映画化したら、すごくハラハラするだろうな」ということ。

地震で崩れ落ちた地下街(火災と浸水がせまる) から、目が見えず耳も聞こえない、話すこともできない女性をドローンで助けだす救出劇。
最後に鮮やかな伏線の回収があって、主人公の成長もある、感動する物語だった。

映画化したら…ストーリーは知っていても、すごくドキドキしそう……そして、とても良い映画になりそうだなとも思う。

彼女が指点字(介助者の手のひらを叩いて言葉を伝える) をしながら「話す」場面で、思いだしたのは、『図書館の魔女』という小説。



これもとても壮大で面白いファンタジーなのだけど、そこに出てくるマツリカも指点字と同じように、手のひらで会話して世界を掌握する女の子なのだ。
(あまりにも賢く聡明で「図書館の魔女」と呼ばれている)

マツリカの護衛の男の子(キリヒト) と、互いの手のひらで2人にしか分からない会話をする場面が、とても印象的だった。
指文字で言葉を伝えられたキリヒトが、マツリカの代わりに「話す」場面もある。
命の危険にさらされながら世界を救うマツリカが痺れるほどかっこいい、素敵な小説だった。
(数年前に読んだきりだから、また読み返したい)

もうひとつ思いだしたのは、『潜水服は蝶の夢を見る』



これは物語じゃなくて、ノンフィクション。
ある日、脳梗塞によって左目しか動かせなくなってしまった男性が、瞬きだけで自分の体験を綴ったという実話。
(調べたら映画化もされていた)

自伝小説のなかでは、家族と海に行ったときの話や病院の様子が叙情的に語られていて、これを左目の瞬きだけで書いたなんて…!と思わされる。


俺はやっぱり、人間に「限界」はないと思うよ。だって人間には、本当に何が「無理」かも、想像できないのだから。

『アリアドネの声』より



『アリアドネの声』にはヘレン・ケラーの自伝も紹介されていて、そちらもあわせて読みたくなる。


図書館にも点字資料やデイジーと呼ばれる録音の資料があって、私もこれから微力ながら、その分野の勉強をしたいと思っているところ。
(点字と迷ったのだけど、音訳に携わることにした)

あとは、本当は手話もできたらいいなと思ってる……
(簡単な手話なら、少しだけ知っている)


司書になるまでは、音訳資料があるということも知らなかった。
自分の知識を拡げながら、それを役立てるときが来るといいな、なんて思う。


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