脳性麻痺のにゃおちゃん〜一人暮らしは覚悟と努力〜

みなさん、こんにちは!
にゃおちゃんです。

支援学校の時に思い描いていた、
一人暮らしをスタートさせました!
30歳の時です。

なぜ、私は一人暮らしをしたかったのか?

それは、自分の可能性を広げたかったから。
もう一つは、両親が年老いても一緒に病院とか行きたくないと思ったのと、周りの人が私と両親を見て「◯◯さんところの◯◯ちゃん、障害があるから仕方ないよね」みたいな感じで言われるのが嫌だったから。

その二つが理由だったため、両親が元気なうちに早めに実家を出ようと思っていました。

ところが、27歳の時でした。
母親に癌が見つかりました。

母親は入院する前に障害福祉課へ向かい、私が障害福祉サービスを受けられるように申請してくれました。
入院している間、ヘルパーさんに私の入浴介助をお願いしようと思ったみたいです。
父親もいますが、父親だけでは回らないためです。
母親は兄夫婦の家にも向かい(姉夫婦には電話)、「何あった時はお願いね」と言ったそうです。

そして、母親は入院し、5時間に及ぶ手術を行いました。
手術当日は父親、兄、姉、私で病院に行きました。
あとから、兄の奥さん、姉の旦那さんも来てくれました。

私は癌になったと聞いてからずっと母親のことを考えていました。
あんなに元気だったお母さんが癌になるなんて。
何でお母さんなんだろうと。

そして、母親の手術は成功しました。
寝ている母親を見て私は泣いてしまいそうだったので、何も声をかけてあげられませんでした。

母親は無事退院し、仕事復帰しました。
今は完治していますが、それを機に体調が悪くなることが増えました。

これをきっかけに私は一人暮らしをしようと決意しました。
当時、地元の相談支援員さんに一人暮らしをしたいと相談しました。
そして、一人暮らしをしている車椅子の女性とお会いする機会を設けてもらい、話を聞きました。
ですが、体験談を聞いただけで一人暮らしをするために何をしていかないといけないのかということを知りたかったのに、それを知ることができませんでした。
私は相談支援員さんがいろいろ教えてくれて、部屋探しとかヘルパーさん探しを一緒にやってくれるものだと期待していました。
ですが、全然その姿勢が見えなかったので私は一人暮らしの準備は何をすればいいのかネットで調べることにしました。
すると、こんな記事が出てきました。

詳しくわかりやすく書いてあったので助かりました。
それで母親と相談し、自分で部屋を探すことにしました。
実家から車でバイパスに乗って30分のところに住もうと決めて、ネットで「エリア・1LDK・マンション」と検索してSUUMOやエイブルが提供している物件を片っ端から探してみました。
車椅子での入居は可能なのかも問い合わせしました。
良さそうな物件を何件かピックアップし、不動産屋さんに内見をお願いしました。
ですが、部屋は広いけど玄関に段差があるとかマンションの入口に段差があると言われてなかなか部屋が見つかりませんでした。

母親と県営住宅とか市営住宅に切り替えて申し込んでみようかと話し、バリアフリーの部屋をネットで見てみました。
ただ、抽選になります。
あくまで個人の意見ですが、バリアフリーの部屋って意外に住みにくそうだなと思いました。
それはなぜか?
手すりの位置が高い低いということもあるし、キッチンも低く設置されているけど私には合わないとか、お風呂とかもそうなんです。いろいろ難しいですよね。

数日後、不動産屋さんに行くと店長さんから「3月完成予定の物件で車椅子の入居もOKが出ているんですが、いかがでしょうか?」と言ってくれました。
もうダメかと思っていたので奇跡が起きました。
しかも、新築です!
よっしゃー!と思いました!
すぐ内見をお願いして、まだ建築中の部屋を見に行きました。
家賃もいい、マンションの入口に段差ないし、オートロック、宅配ボックスがある、エレベーターも乗りやすい、玄関もフラット、部屋も広い、部屋のドアは引き戸、もう一部屋ある、完璧だと思いました!
それがこちら↓の写真です。

一人暮らしを始めた頃の部屋
一人暮らしを始めた頃の部屋の廊下

この部屋に2年間住みました。
本当に快適でした!
でも、私がバランス崩して転倒したときにコンセントと火災報知器を壊したことがありました。
体よりも管理会社に電話しないといけないと思い、慌てて管理会社に電話して家に来てもらいました。
管理会社の人は怒らず「怪我してない?大丈夫?」と私を心配してくれました。
私はそれでも謝り続けました。コンセントは料金がかかると言われたので父親に電話して家に来てもらったことがありました。
本当にいい管理会社だったなと思います。

そして
病院の近くに引っ越そうと決めたきっかけは、リハビリの担当だったhでした。
「◯◯は遠い、◯◯に来い」とずっと言われていました。
表向きはヘルパーさんが理由、裏向きはリハビリの担当だったhが理由。
私って単純ですよね。今思うとバカなことをしたなと思います。
転院したとき、友達に「ばかたれ」と本当に言われちゃったんですよ。
知らない方は記事のバックナンバーをご覧ください。

病院の近くに引っ越すのは母親は反対していました。
なぜなら、遠いから。
母親は心配だったんだと思います。
反対されていることもリハビリの担当だったhに話しました。
その後、母親からのOKをもらい、病院の近くに引っ越しました。
築10年くらいの1LDKで二部屋あるオートロックのマンションでした。
古いし入居者が少ないということで家賃が安かったので、そこに住みました。

2回目に引っ越した部屋
2回目に引っ越した部屋の寝室

最初が新築だったため、ちょっと住んでいて嫌でした。
何よりお風呂の排水溝がめっちゃ臭かったんですよ。
管理会社に電話しても「使ってると臭くなくなる」と言われました。
このマンションでも壁を壊したことがあります。車椅子でバックしていたらぶつかってベキッとなってしまいました。
退居するときに高額な料金を請求されました。保険会社と掛け合ってもちょっとしか減額してくれませんでした。母親に怒られるし本当に痛い目にあいました。
半年契約だったため、更新は行わず引っ越すことにしました。

そして、現在の部屋です。
1LDKがよかったのですが、なかなか広くてフラットになっている部屋が見つかりませんでした。
それに家賃が高いんです、今住んでいるエリアは。
家賃をとるか、広さをとるか。その二択です。
私は妥協してオートロックのワンルームを選びました。
今までの部屋より狭くなるし荷物も多くは収納できない。家賃もそこそこ高い。
でも、築1年でキレイで部屋も明るいんです!
段差もないし、12.5畳ならギリいける!
宅配ボックスもあるし、エレベーターは狭いしボタン押しにくいけど何とかなるか!
お風呂も狭いけど、それはヘルパーさんに何とかしてもらえばいいか!と思ったわけです。

現在の部屋
現在の部屋の窓側
現在の部屋の玄関側

この部屋に引っ越してもうすぐ1年になります。
近所の飲食店のご夫婦と顔見知りになり、通りすがると「おはようございます」とか「こんにちは」と挨拶するようになりました。
最寄り駅の駅員さんにも顔を覚えてくれていて、電車に乗りやすくなりました。
スーパーで買い物するとき、割引きの商品を買うようになりました。
レジのおばちゃんに「エコバッグに入れてもらっていいですか?」とか「車椅子の後ろにフックがあるのでそこにかけてください」とお願いできるようになりました。
中には「は〜い、気をつけてね〜」と言ってくれる人もいます。
なんか、はじめてのおつかいの曲が聞こえてきそうですねw
それから実家にもほとんど帰らなくなりました。
こうして、馴染んでいくんだなと思います。

車椅子で一人暮らしをすることは人一倍覚悟がいります。
寮とか施設とは訳が違うので、メンタルが強くないとできないと思います。
それからある程度、収入がないと部屋を借りれません。
私は会社員ですが、正社員ではないため障害者年金と併せた金額で入居審査を通過しています。

何が大変かといえば、お金の管理が大変です。
食費、水道、ガス、電気、家賃。
すべて自分で支払っています。
周りの人から「お母さんお父さんに家賃払ってもらってるんでしょ?」とか言われますが、「自分で決めたことはきちんとやり遂げなさい」という両親なのでノータッチです。
正直言って、会社員の私でも赤字です。きつきつです。
それでも歯を食いしばって生活しています。
一人暮らし3年経って、ようやく「一人暮らしってこういうものか」とわかってきた感じがします。

この先、何があるかわからないけど次の目標に向かって無理せずキラキラした生活を送りたいと思います(*'▽'*)


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