大人になって読みたい児童文学

前置きみたいなもの
タイトルを見て「は?」と思った人も多いかと思います。初めまして、りーなです。昔から文章を書くのが好きだったので、久しぶりに何かを誰かと共有したい欲に駆られてしまった…。語彙力はあまりないので文章は下手ですがどうぞ最後までお付き合いください。

今回紹介するのは『ぼくは夜に旅をする』というアメリカの児童文学です。本編は250ページほどあるので小学校高学年くらいがターゲットかと思われます。子供向けなので結構文体が優しくてやわらかい!
画像を見てもらえばわかるかと思いますが、この本だいぶ年季が入っております。初めて出会ったのは多分中学2年生の冬です。クリスマスに予定がなくて暇つぶしに散歩してたら古本屋で見かけてタイトルと表紙だけ見て速攻買いました。中学生の頃はあまりお金も持っていなかったので、衝動買いとかはあまりする方ではなかったのですが、この本はなぜかビビッときて買ってしまった。今思うと不思議な話です。

あらすじ
長い前置きはこの辺にして、とりあえずあらすじをサクッと。人付き合いがあまり得意ではない14歳の少年、ジャックは交通事故にあった後から人が消えるのが見えたり、奇妙な会話が聞こえたり、と不思議な体験をするようになった。診察のために訪れたニューヨークのグランドセントラル駅でユーリという名前の幽霊の少女と出会い、ニューヨークの地下にあるという死者の世界を案内してもらい、数年前に不慮の事故で亡くなってしまった母親を探し出し、黄泉の川を一緒に超えてなんとか死者の国から連れ出そうとする。
ざっとあらすじはこんな感じです。ちなみにジャックは死んでいません。

『日本書紀』とかにもこういう話ありましたよね。イザナギとイザナミのやつ。多分いろんな国にこういった話が伝わっていて、本作品もギリシャ神話のオルフェイスとユリディスの話をベースにしているみたいです。ジャックは古典を学んでるって本編でも書いてあったしね。じゃあなんで「大人になったら読みたい」なんだろうか?

大人にこそ読んでほしいポイント
子どもの頃は正直人の死とかって実感があんまり湧かないから、「もう二度と会えない」ということの重さをあまり理解できていなかったような気がするんです。私が小学5年生の頃、当時の親友の母親が事故で亡くなってしまい、それが私が初めて直面した「人の死」でした。幸い、親戚はみんなピンピンしているのでそれまで私は「知人の死」を目の当たりにしたことがなかったのです。ちなみに今もみんな元気です。小学生ってようやく別れとか分かり始める頃かな、と思うのですが、その頃に人との別れってあんまり経験しないですよね。私は多分特殊な例だったと思います。何が言いたいかというと、この本読むターゲットの年齢ってあんまり人の死を経験しないよねっていう話です。つい先日、母の友人が癌で亡くなってしまい、父の友人ももう先が長くない、という話を聞いて、そういう時にこそこの話を読んでほしいな、とふと思ったのです。大人になるにつれて人の死を理解していく、成長したのちにもう一度この物語を読んだら何かまた新しい物を得ることができるのではないでしょうか。

最後に
最初に何が書きたかったのかわからなくなってしまった。とりあえずこの本を読んでほしいということです。人との別れを経験した大人が故人にもう一度だけ会いたいと願った、その時にこの本を読んで自分も故人出会ったような気分になってほしいのです。
最後までお読みいただきありがとうございました。



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