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Episode 041 「生涯で何百回、何千回も訊かれたであろう質問」

さて、Episode 027より開始した「オーストラリアにいた時(1996〜2010年)によく聴いたアーティストおよびバンドの曲」(併せて、「よく聴いた訳では無いが印象が強く残っているアーティスト及び曲」も含む)、という括りで当時を振り返る試み、今回はアルファベットの「O」から始まるアーティストおよびバンド。

「血液型、何型?」というこの質問、我々は生涯何百回、否、何千回も訊かれたかも知れない。尚、この質問、おそらく日本特有かと思われる。少なくとも、僕が住んだオーストラリアでは、14年間で(少なくとも日本人以外には)一度も訊かれたことがない。尚、ゴリラに最も多い血液型はB
だとか。

では、「O」から始まるアーティスト・バンドを振り返ってみましょう:

OASIS(イギリス)
2000年代半ば、トイレ(当時住んでいた家(アデレードの中心から東に位置するGlen Osmondという地域にあった家)のトイレは相当広く、4畳半くらいあったのではないかと思う程だった。また、大きな鏡があり、そして音が良く響くと言う事で)に椅子を持ち込み、鏡の前でギターを抱え、Wonderwallの練習(歌いながら)を繰り返し行った。隣の家とも離れていた為、大声で歌っても迷惑が掛かるという事は無かった。リアルタイムで聴いたアルバムは「Dig Out Your Soul」(2008年)だが、このバンドを知ってからは、過去の作品を遡り全てのアルバムを聴くまでに至った。このバンドのライブ映像などは相当YouTubeで見た。また、ほぼ全ての作詞作曲を担当していたNoel Gallagherのアコースティックギターでのソロの演奏なども相当見て(ギターの)練習をした。数々の名曲を生み出し90年代は恐らく(Radioheadと並び)最も支持されたイギリスのバンドの一つであったと思われる。しかしながら、2009年に解散を迎えてしまうのである。原因は同じバンドに所属する弟であるLiam Gallagher(リードボーカル)との不仲、と言われている。もちろんOASISとしてのバンドサウンドの曲や演奏も圧倒的なまでに好きなのだが、個人的には弟Liamと兄であるNoelが(アコースティックギターのみでの演奏)プールサイドで歌う「Stand By Me」という曲(YouTube上の動画)は実に二人の良さが出ていると強く感じた。早速、真似してこの曲もギターでコピーし、下手な歌を歌ったのである。Oasisは、大げさに言うのならば「現代のビートルズ」という印象がある。そう、つまり作詞作曲を手掛けたNoel Gallagherは、正真正銘の天才なのだ。きっと、そういう事なんだろう。これが、ビートルズを生んだ国、イギリスが誇る音楽の歴史がもたらした賜物なのだろうか。尚、OASISが解散した後、兄のNoel Gallagherはソロとして、「Noel Gallagher’s High Flying Birds」という名義で、アルバムリリースを行った。ファーストアルバムは2011年に発売された「Noel Gallagher’s High Flying Birds」、その4年後の2015年には「Chasing Yesterday」というアルバムを発売し、サードアルバムは2017年に発売した「Who Built the Moon?」となる。ソロになってからの作品も素晴らしく、これら三枚のアルバムからランダムに好きな曲を選ぶとすると、次のようになる。「The Death of You and Me」、「In The Heart Of The Moment」、「Lock All the Doors」、「The Dying of The Light」、「It’s a beautiful World」、「If Love Is The Law」。特に「Holly Mountain」が好きである。尚、詳しくは、兄であるNoel GallagherがOASISを脱退した形となり、弟であるLiam Gallagherは残ったバンドメンバーと音楽を作り続ける事としてバンド名を(OASISから)「Berdy Eye」に変更した。Berdy Eyeは2014年に解散する事となり、Liamはソロ活動、残りのメンバーは、兄Noelの新しいバンドである「Noel Gallagher’s High Flying Birds」に加入したり、過去に在籍したバンドに戻ったりと各々別の道を歩む事になった。Berdy Eyeは二枚のフルアルバムを発売した。個人的に好きな曲は「The Roller」および「The Beat Goes On」である。

Operation Ivy(アメリカ)
ハイスタの横山健を特集した音楽雑誌(ギターマガジン)にて、このバンドについて触れられていたのをきっかけに聴く事になったバンドだ。あの世界的なGreen Dayがこのバンドの曲をカバーする程、様々なパンクロックやスカバンドに影響を与えた、とのことである。尚、このバンドのメンバーがOperation Ivyを解散後Rancidというバンドを1991年に結成したのだった。尚、Operation IvyのKnowledgeという曲は、あのGreen Dayもカバーしている。

Overground Acoustic Underground(日本)
Brahmanというバンドのメンバーに併せ、バイオリニストを加えた、アコースティックなバンド。Brahmanで奏でる激しい曲とは対極にあるような優しい曲が多い。「New Tale」を初めて聴いたのはほぼリアルタイムで、あれは2009年の事だった。尚、日本に帰ってきてから(つまり、2010年以降)リリースされた曲なのだが、「夢の跡」(2011年)という曲があり、この曲も実に素晴らしい作品となっている。他にも、「帰り道」(2019年)も名曲である。2021年2月、なんとBrahmanのToshi-Lowと奥田民生がコラボでYouTubeの動画にて「帰り道」(2019年)を歌っていた。この二人の組み合わせはあまりにも予想外で、ワクワクした。他にも、ユニコーン(バンド)の「ミルク」(1989年)、及び井上陽水の「最後のニュース」(1990年)も(アコギでの)弾き語りのスタイルで歌っていた。

The Offspring(アメリカ)
初めてこのバンドに触れたのは、1997年に発売された「Ixnay on the Hombre」というアルバムを介してだ。このアルバムだが、リアルタイムでは聴いておらず、しっかりと聴いたのは恐らく98~99年頃だと思われる。「Conspiracy of One」(2000年発売)と言うアルバムはリアルタイムで聴いており、このアルバムに収録されている「Want You Bad」という曲は発売から20年以上経った今でもよく聴く曲である。この曲のPVも非常に好きだった。自分の中での、「The ハイスクール時代のテーマ曲」といったところだろうか。このバンドは1984年に結成され、2024年で結成40周年を迎えたベテランのパンクロックバンドである。(2024年時点で)計12枚のアルバムをリリースしている。個人的に好きなアルバムは「Smash」(1994年)、「Ixnay on the Hombre」(1997年)、「Americana」(1998年)および「Conspiracy of One」(2000年)である。尚、「Smash」(1994年)に関してはインディーズのレーベルから発売されるアルバムとしては世界売り上げ歴代一位であり、その枚数はなんと1300万枚との事である。

One Dollar Short(オーストラリア)
このバンドとの出会いのきっかけはなんだっただろうか。恐らく、PVがひたすら流れる音楽の番組で、彼らの「Board Game」(2000年)という曲を聴いたことだったと記憶する。恐らくリアルタイムで聴いていたの思われるので、2000年のことだっただろうか。その時は瞬時に大ファンになった、ということでもなく、「かっこいい曲だな。しかし、ボーカル太ってるな。ギタリストもベーシストも、ドラム以外全員太ってるな」くらいにしか思わなかった。しかしながら、2001年に発売された「Press and Hold」というEPが傑作だったのだ。このEPに収録されている「Satellite」という曲は、最高にかっこいい曲である。この曲を機に、このバンドが大好きになり、過去を遡って彼らの作品を漁ったのだった。ハイスクールの10年生または11年生(高校1年または2年)時だっただろうか、デザインの科目を選択しており、クリエイティブな感じを演出したかったのだろうか、ほぼ毎日学校へA3サイズの黒いフォルダー(授業で描いた絵などを収納して)を抱えて通学していた。そのフォルダーにOne Dollar Shortのシールを何枚も貼り付けていた。このバンドの作品としては「From The Start」(1999年)、「Board Game」(2001年)、「Press and Hold」(2001年)、「Eight Days Away」(2002年)、「Keepsake」(2003年)がオススメである。

O.P.King(日本)
奥田民生の活動は(そう、初めて奥田民生の格好良さに気付いたと認識している時(2001年のスマスマに出演した時だ)から)常に注目しており、ソロ活動以外(つまり、他のミュージシャンなどとのコラボレーションなど)の作品も可能な限り追っていた。O.P. KINGは、奥田民生、真心ブラザーズのYO-KING、大木温之(Theピーズ)、佐藤シンイチロウ(the pillows)の四人が、2003年の夏限定で結成(そして活動)したバンドである。尚、奥田民生が行う様々なミュージシャンとのコラボレーションは必ずと言って良いほどかっこいいのだ。例えば、2013年に結成し、2015年にはアルバムも発売した、「サンフジンズ」というバンドだ。奥田民生、岸田繁(くるり)、伊藤大地から成り立つ3ピースバンドだ。特にオススメの曲は「じょじょ」という曲だ。尚、このO.P. KINGというバンドだが、再結成する様子なさそうだが、2008年の日本テレビ開局のキャンペーン「日テレ55」にてChuck Berry(チャック・ベリー)の「Johhny B Good」(1958年)の替え歌を披露しており、ロックでかっこいい。

Outkast(アメリカ)
2003年に発売されたこの曲。2003年は、圧倒的にパンクロックを中心として聴いていたのだが、やはりこの曲は(勝手に)耳に入ってきた。相当売れていたに違いない。特に思い入れはないが、印象に残っている曲である。

Ozzy Osbourne(イギリス)
いつ聴き始めたのかは全く憶えてはいない。しかし、2020年6月になり、Ozzy Osbourneが在籍していた、Black Sabbath(1968年にバンド結成、50年以上も活動を続けている、ヘヴィメタルの開祖と呼ばれているバンド)のベストアルバム、そしてソロになったOzzy Osbourneのベストアルバム、これら2枚を図書館で借りた。やはり、(ラウドな音楽の)ルーツ/歴史を知る事は重要だと考える。2020年6月24日(水曜日)夕方、CONVID-19(コロナ)の影響で不本意ながらマスクを着用して砧公園をジョギングしていた。AppleのAir Pods Proから大き目の音で流れる音楽は、Ozzy Osbourneのベストアルバム。走りながら次々と曲を聴いていく。確かに、伝説的な、ヘヴィメタルの開祖と呼ばれる、Black Sabbathを作った男、Ozzy Osbourneが騒がれる意味がなんとなく解ったような気がした。しかし、正直なところ、「確かにかっこいいが…みんなが言う程でもないかなぁ」と思っていたその時、衝撃的な曲が耳に飛び込んできた。思わずiPhoneのスクリーンを見た。なんと言う曲かを知りたかったのだ。iPhoneのスクリーンには、「I Don’t Wanna Stop」とあった。数分前に感じた「確かにかっこいいが…みんなが言う程でもないかなぁ」と思った自分が甘かった事に気付いた。そこから、家に帰るまでのジョギングの間はずっとこの曲をリピートしなが走り続けたのだった。家の近くまで来て、いつものように、身体をほぐす為に、ジョギングのスピードを落とし、歩く事にしている。歩きながらこの曲についてGoogleで調べてみた。「第50回グラミー賞 Best Hard Rock Performance部門にてノミネートされる」と、あった。そりゃそうである、こんなにかっこいい曲、世界に認められるべきだ。


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