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【経理】企業の風土は、"空気" のようなもの。

こんにちは、きくちきよみと申します。
税理士です。

今日は、「企業の風土は人によって作られる "空気" のようなものなので、簡単に淀んだり澄んだりする」ということについて書きます。


スタッフが変わると、企業風土が変わる。

この3月の所得税の確定申告期限直前に、顧客の取引先に直接確認しなければいけないことがありました。

その取引先は仙台にある介護関係の企業で、今すぐ確認するには、電話確認するしかありません。担当が分かれている会社さんだったので、話が通じそうな担当の方にたどり着くまでに、3名経由しました。ほぼ「たらい回し」です。

そのような中、それぞれの方が、その方ができる最善の(と思われる)対応をしてくださったので、実は全くイライラしませんでした。どちらかと言うと先方の側で、急に得体の知れない税理士と名乗る人物の「今日中に回答を得たい」という横柄なお願いに戸惑ったことは間違いなく、こちらがご迷惑をおかけしてしまったかなというくらいです。

その顧客にもこの出来事を伝えましたが、「そうなんです。だから、あの会社さんとはずっと取引を続けているんです。」という回答でした。会社の風土は、人で作られているんだな、と感じた一件でした。

本当に単純なことですが、「出社時に元気よく挨拶するスタッフ」や「疑問に思ったことをすぐに先輩に質問するスタッフ」がいると、それだけで職場は活気づきます。活気づいた職場では無駄なコミュニケーションが増えてしまうというデメリットもあるものの、コミュニケーションが増えること自体は大きなメリットです。

人員が少ない中小企業では特にスタッフ構成の影響は多く、人が入れ替わると急に働きやすくなることもあり、また逆に、急に働きにくくなることもある、ということになります。

マネージャーが変わると、企業風土が変わる。

税理士・経理サポートという仕事柄、内部統制のために「経理規程を整えましょう」「経理規程までいかなくても、最低限のルールは定めましょう」という業務をしたりもしますが、究極的には「企業風土が安定していれば、経理規程もルールも必要ない」というのは言い過ぎではないと思います。(その企業が継続するための制度上のルールとして経理規程が必要な場合は、もちろん必要です。)

特に影響が大きいのが「マネージャーの変更」です。

会社の外側から税理士として関わってきていますが、顧問先のマネージャーの方が変わると、経理スタッフの方からのご相談の内容も変わることが多いです。

以前よりも経理スタッフの方からのやる気が増す場合もありますが、また逆に、「業務の進め方が変わってやりにくい」「質問しにくい」などのご相談を、経理スタッフの方から直接受けるようになる場合もあります。

たかがマネージャー、されどマネージャー。

マネージャーの選定にあたっては、企業風土を決めることと同レベルの重要なことだという認識で、慎重に決めて頂きたいと思います。

自分が変わると、企業風土が変わる。(かも)

それでも「嫌だな、風土が合わないな」というときには、「自分を変えてみる」というのも一つの案かもしれません。

同じ職場でも、新しい朝が明けるたび、新しい自分が始まります。出社時の挨拶の声を少し大きくしてみるだけで、全く印象は変わります。

自分自身は変わることはないですが、「他者に見える "自分" 」の形は簡単に変わります

折り合いがつかないなら、職場を変えるのも良いと思う。

前項での内容を「嫌でも、自分が変わる努力をすべき」と読む方もいらっしゃるかと思うので念のため補足しますが、自分が合わない職場に無理して居続ける必要は、全くないと思います。

一つの職場で長く働き続けるというのは、「自分が会社に合わせる」ということと、「会社が自分に合っている」ということの折り合いがつかない場合には、難しいでしょう。

折り合いがつかないときは、別の場所へ行くことをおすすめします。

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ここまでお読み頂きまして、ありがとうございました。