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厳罰化は、犯罪抑止にあまり効果がない

Twitterにて、痴漢関連の情報を集めている時に目に留まったツイートをされている方と遣り取りをしたのですが、痴漢や(故意の)痴漢冤罪に関して「罪を重くするのが最適」とその方が仰るのを見て私は「それは違うな」と思ったので書き留めておきます。

痴漢に関わらず犯罪全般そうなのですが、犯罪を犯す人は大抵『捕まるかも知れない』ということを考えてはいません。
(中にはそういうリスクを楽しんでいる犯罪者もいるかも知れませんが、かなり特殊なケースでしょう)
自分が捕まって罰を受ける、その罰の重さを考えられるだけの理性や思考能力があれば、まず犯罪行為をしようとは思わないのです。
大体の善良な市民と呼ぶべき人々が備え持っているものを、あえて犯罪を犯してしまう人は持ち合わせてはいない。
自分が捕まるとも思っていない。

痴漢の犯行者はそれが特に顕著で、痴漢を捕まるほどの好意だと思っていなかったり、むしろ相手が嫌がっていない、相手も喜んでいると誤認している人までいるのです。
(痴漢行為をしている人のツイートを見ると、抵抗しない・できない被害者のことを『OK子』などと呼んで、あたかも痴漢行為を許容しているかのように描写しているのです)
こんな状態では、いくら量刑を厳罰化してもまったく意味を成さないでしょう。
ただ、『相手が嫌がっていない』と思い込んでいる人に対しては、痴漢されるのは嫌だ、社会的に許されない行為で自分たちが目を光らせているぞという意思表示は相当に有効でしょう。
そこで必要になってくるのが、痴漢抑止バッジという訳です。
被害を受け易い当人が着けるのは勿論、周囲の複数人がこうした意思表示をしているだけで、痴漢はおいそれと犯行を起こすことが出来なくなるでしょう。

故意的な痴漢冤罪を起こす人についても同様です。
『自分が捕まるような行為なんだ』と自覚している人はまず他人を陥れようとはしません。
そして、どんなに思い罰が下されるか、自分が社会的にどんな位置に落とされるかなんて考える頭もない輩なのです。
そんな人たちにいくら『厳罰化しました』と知らしめても、「自分は捕まらないんだから関係ない」となってしまうでしょう。
そうした人間だけが滅びればいいのですが、なかなかそういう訳にも行きません。
痴漢冤罪を失くすということは、究極的には痴漢という存在がなくなることが必要です。
そのためにはまず、痴漢そのものを減らしていかなければなりません。

厳罰化は「あまり」効果がない、と書いたのは、長期的に見れば多少はそれなりに効果が見られるだろうという観測的な部分からのものですが、そんなに待っていては今被害に遭っている人たちが老人になっても、まだ解決していないなんてことになりかねないくらいには、長期的な見方をしています。
つまり、法に任せて手を拱いていては、今苦しんでいる・困っている人を救うことができないということですね。
痴漢自体は犯罪ですから、痴漢行為が起きた時には最終的に警察や法の手に任せることになります。
ですが、犯行や被害自体を未然に防ぐことは、一市民である私たちの心掛け次第では可能なのです。
そのためには一人一人が問題意識を持って、痴漢というものをなくしていこうという心を大切にしていかなければなりません。

第三者向け痴漢抑止バッジは、そんな思いから製作しました。
一人一人の力は小さいかも知れない、一人の声では届かないかも知れない。
それでも、少しでも社会をよくしたい、社会の問題を少しでも解決に近付けたい。
そんな思いで活動を続けています(現状私の手弁当なので、無料配布とまではいかない状態ですが、いつかは無料で欲しい人に配れるようになりたいと願っています)
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