深呼吸のし過ぎは健康に悪い!?90%の人が知らない呼吸の真実⑥呼吸のし過ぎと病気の関係
みなさんこんにちは!パーソナルトレーナーの吉田です。
「深呼吸のし過ぎは健康に悪い!?90%の人が知らない呼吸の真実」と題してお送りしてきています。
今回は「呼吸のし過ぎと病気の関係」についてご紹介していきたいと思います。
■前回のおさらい
前回は呼吸のし過ぎ=呼吸過多のデメリットとして、
◾️睡眠の質が低下する
◾️集中力や思考力の低下やストレス耐性が低下する
◾️柔軟性が低下し、肩こり、腰痛の原因になる
◾️代謝が低下し、疲労や冷え性、肥満の原因になる
をご紹介してきました。
詳細はぜひ、前回の記事をご参照ください。
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■呼吸のしすぎが喘息の原因になる!?
呼吸のし過ぎ=呼吸過多と病気の関係をご紹介するうえでご紹介したいのが、「喘息と呼吸の量」との関係です。
喘息は空気の通り道である「気道」が炎症を繰り返すことで狭くなり、呼吸時に「ヒューヒュー」「ゼーゼー」といった音が鳴る喘鳴(ぜんめい)や呼吸困難などの発作を生じる病気です。
喘息の発作は、風邪、運動、気温や気圧の変化の他、アレルゲン(ホコリやダニ、花粉などアレルギーの原因となる物質)など、さまざまな刺激が原因となって起こると言われています。
喘息は2~3歳頃から発症する「小児喘息」と成人になってから発症する「成人喘息」とがあり、どちらも近年増加傾向にあると言われています。
小児喘息はアトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎を患っている場合や、ご両親のどちらかに喘息の方がいらっしゃる場合になりやすいと言われています。
一方、子供の頃は喘息ではなかったのに、成人してから喘息の症状が出始めるのが「成人喘息」です。
(小児喘息から、そのまま成人喘息に移行するケースもあります)
9割以上がアレルギーが関与している「アトピー型喘息」と言われている小児喘息。
それに対して、成人喘息はアレルゲンが発見できるのは6割程度で、残りの4割はアレルゲンが発見できない「非アトピー型喘息」と言われています。
●「深く呼吸すること」が喘息を引き起こしている!?
この喘息と「呼吸の量」に早くから着目していた1人が、ロシア人医師のコンスタンチン・ビューテイコ氏でした。
喘息の権威でもあったビューテイコ氏は
「喘息患者のゼーゼーという呼吸は、常に喘息の疾患の転帰(病気が進行した結果)で起こるものだと考えられてきました。「深く呼吸すること」自体が気管支喘息の原因であり、深く呼吸すると喘息の症状を引き起こす可能性があるということを、かつては誰も考えもしなかった」
と述べています。
("Close Your Mouth'' Buteyko Clinic Handbook for Perfect Health)
●呼吸が荒いとストレスを感じやすくなり、喘息の原因になる
ではなぜ、深い呼吸が喘息を引き起こしやすくするのか?その理由は「呼吸と自律神経の関係」にあります。
小児喘息の大半がアレルギー物質が原因とされているのに対して、成人喘息はアレルギー以外の原因が多いとご紹介しました。
実はこの成人喘息の代表的な原因と言われているのが「ストレス」です。
私たちの身体は運動時や緊張している時、ストレスを感じている時は交感神経が優位に働き、リラックス時や睡眠中は副交感神経が優位に働きます。
そして、これまでもご紹介してきた通り、普段から荒い(努力呼吸と呼ばれる、多く吸って多く吐く呼吸に近い)呼吸を行っていると、交感神経が過剰に働くようになるのです。
交感神経は全身の筋肉を緊張させる作用があります。
このため、気道の筋肉も硬直・収縮して空気が通りにくくなり、息苦しさなどの症状があらわれやすくなるのです。
ストレスが大きい方ほど、ため息が多くなったり。緊張している時ほど呼吸が速くなったり。そんなご経験はおそらく皆さんもあるのではないでしょうか?
これは逆も然りで、慢性的に呼吸が荒い人はストレスを感じやすくなり、交感神経が活発化しやすくなります。
そのぶん気道も緊張しやすいため、些細な刺激でも喘息が悪化しやすくなるというわけです。
喘息と聞くと、気道が炎症を起こして狭くなり、呼吸がしづらくなるというイメージがあります。そのため、
「新鮮な空気を取り込むために、多く息を吸わなきゃ!」
と大きく呼吸を行うようにする方がいらっしゃいます。しかし、これは逆効果!
むしろさらに交感神経を刺激してしまうため、かえって喘息が悪化してしまう恐れもあるのです。
■不健康な人ほど、呼吸の量が多い
また、呼吸のし過ぎは喘息以外の病気にも大きな影響を与えていると言われています。
人の呼吸量(吸って、吐く空気の量)の平均値は、健康的な安静呼吸の場合は毎分4~6リットル前後と言われています。
これに対し、
◾️ぜんそく患者:毎分13~15リットル
◾️睡眠障害、糖尿病、心臓病、がん、肝臓疾患などの患者:毎分13~16リットル
と、病気の患者の場合、健康な人と比べて4倍近くも多く呼吸をしていると言われています。
※詳細はこちらのリンクをご参照ください。
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「でもそれは、病気を患っている人だから呼吸が荒いんじゃないの?」
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、慢性的な呼吸のし過ぎは
◾️体内の炎症反応がコントロールできなくなる
◾️血管が収縮して血流が悪くなり、冷え性や高血圧の原因になる
◾️消化器官への血液供給が減り、消化不良が起こる
◾️交感神経が過剰に働き、副交感神経の働きが低下するため、疲労が取れなくなる
◾️免疫力が低下する
などなど、身体への様々な悪影響を及ぼすことがわかっています。
こうした様々な悪影響の積み重ねが、私たちの健康を徐々に、しかし確実に蝕んでいくのです。
■まとめ
今回は「呼吸のし過ぎと病気の関係」について、
◾️呼吸のし過ぎが喘息の原因になる
◾️喘息、糖尿病、心臓病、がん、肝臓疾患などの病気の患者は健康的な呼吸よりも3~4倍も呼吸の量が多い
というお話をご紹介してきました。
次回は「健康になるために心がけたい、呼吸のポイント」についてご紹介していきます。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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